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一年の締めは「定期健診」

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「一年の計は元旦にあり」と言いますが、何を始めるにしても、まずは健康であることが大切。その意味でも、新たな年を迎えるための準備として、一年間頑張った自分の体の状態を知り、必要に応じてメンテナンスを行うことも大切でしょう。第9回は「一年の締めは『定期健診』」と題し、定期的な健康診断(健診)受診の重要性について、日本医療大学総長の島本和明先生に伺いました。

島本 和明

日本医療大学
総 長

日本高血圧学会名誉会員
医学博士

一年の締めは
「定期健診」

皆さんは今、健康ですか?
「特に調子の悪いところもないので健康だと思います」と答えられる方がほとんどかもしれません。しかし、自分では気付いていないだけということはないでしょうか。
今の自分が本当に健康なのかを確認するうえで重要な手段となる「定期健診」についてお伝えします。

厚生労働省推奨!
自覚症状のない病気を早期に発見する定期健診

定期健診とは、自分の健康状態を知り、病気の兆候がないかを調べるもので、特に自覚症状のない生活習慣病を早期に発見し、病気の進行を防ぐための保健指導や、必要に応じて早期の治療介入につなげるために有用なものとして、一年に一度、定期的に受けることが厚生労働省から推奨されています。

社保加入者は90%以上が定期健診を受診
健診受診率の低い国保加入者の健康状態が心配

健診には、企業が従業員に対して一年に一度行うことが義務付けられている「一般健診」のほか、40~74歳の方を対象に、生活習慣病を予防するために実施する「特定健康診査(特定健診)」や「人間ドック」、各種「がん検診」などがあります。
なかでも一般健診は、サラリーマンなどの被用者や、その家族を対象にした「被用者保険」、いわゆる「社会保険(社保)」に加入する方に対して、労働安全衛生法によって実施が義務付けられた「法定健診」であり、全国的にほぼ90%以上、事業所規模によっては99.2%で実施され、ほぼ全ての従業員が受診していると言えます。(※1)
しかし、企業の従業員ではない、自営業や農業などの一次産業に従事している方が加入する「国民健康保険(国保)」では、定期健診は義務付けられていません。
特定健診も、実施することが義務化はされていますが、受診することは強制ではないため、令和3年度の北海道内の市町村国保加入者の特定健診受診率は27.9%(※2)と非常に低い状況にあります。この数字は、特定健診全体の受診率に反映され、北海道全体では45.7%、全国平均でも56.2%と低迷しているのが現状です。(※3)

※1: 厚生労働省「令和4年労働安全衛生調査(実態調査)」より引用

※2: (公社)国民健康保険中央会「市町村国保特定健康診査・特定保健指導実施状況報告書(令和3年度)」より引用

※3: 厚生労働省「2021年度特定健康診査・特定保健指導の実施状況」より引用

最大の不自由は病気になること。
油断や慢心、楽観は、病気の最大の敵と知るべし

北海道の国保加入者の特定健診受診率は全国平均より11%も低くなっています。これには理由はさまざま考えられますが、長年診療に携わった経験から、「道民だけ」と限らず、「何かの病気が見つかったら嫌だな」という臆病さや、「自分はきっと大丈夫」という楽観的な気持ちが作用し、受診を避けている方もいます。
第2回第5回第7回のコラムで高血圧やがん、お酒や喫煙のリスクについてお伝えしましたが、食習慣や運動習慣などの生活習慣を見直すことで、避けられる病気もあります。しかし、慢心や楽観が招く病気もあるということを知っておいてもらいたいと思います。
目先の自由も大切でしょうが、最も自由でいられなくなるのは病気になることです。少しばかり目先の自由を失うとしても、定期的に健診を受けることに時間を割くことの方が、将来的にはより自由でいられる時間を長く得ることにつながるのではなないかと思うのです。
健康はあくまで自己責任の上に成り立つものです。生活習慣の改善のみならず、人生を健康で長く自由に過ごすためにも有用となる手段の一つが「定期健診」であるということを認識し、ぜひ1年に1度は健診を受けてほしいと思います。

一年の締めくくりには「頑張った自分へのご褒美」と、旅行や美味しい物を食べるなど、楽しそうな計画をしている方も多いでしょう。人生の長い期間でそれらを謳歌できるよう、「健康であること」にもっとフォーカスしたいですね。年末年始は「のんびりダラダラ」ではなく、そんな時だからこそ、自分の体のメンテナンスとして健診を受ける、または、自分の健康状態を見つめ直すために時間を使いましょう。次回は、冬の運動習慣にしてしまえば気持ちも前向きになれる「雪かき」をテーマにお伝えします。

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※掲載情報は2024年12月20日時点のものです。

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