緊急特別企画　今、改めて防災について考える　vol.３

こちらに掲載されている記事の、ポイント獲得・抽選応募期限は終了しております。

9月6日未明に発生した北海道胆振地方中東部を震源とする最大震度7の地震は、北海道に大きな被害をもたらしました。
このような災害に備えて、私達はどのようなことに気をつければよいか、地震前に行なった「防災について専門家に聞きたいこと」のアンケートを基に、公益財団法人札幌市防災協会の細川さんにお話しを伺いましたので、3回にわたって掲載いたします。
今回は防災対策の具体的な方法についてお聞きしました。

Q：防災用具（非常用袋に最低限入れておいた方がいいもの）や備蓄する食料品、水の量はどれ位必要ですか？

まずは水です。1人1日3ℓを3日分が理想です。4人家族ですと3ℓ×4人×3日分＝36ℓ。2ℓのペットボトルだと18本になります。水分を取らないとエコノミークラス症候群の危険性がありますので是非確保してください。特に保存期限5年の災害用飲料水でなくても、普段の生活でペットボトルの水を使われている方は必要分を保存し、使った分を買い足すという無理のない保存方法もあります。食料品も3日分は必要です。そのまま食べられるものはもちろん、カップ麺やレトルトパウチの食べ物などはカセットコンロと水があれば食べられます。こちらも普段の生活の備蓄にプラスして考えるといいでしょう。

非常用袋に入れるものは水、食料のほか、現金・貴重品、懐中電灯、携帯ラジオ、常備薬、お薬手帳、軍手、マッチ・ライター、ティッシュ・ウェットティッシュなど。赤ちゃんがいる方はおむつや哺乳瓶・粉ミルク、女性は生理用品も必要ですね。眼鏡が必要な方は使っていない眼鏡を入れておくと安心です。すぐに持ち出すことができるよう、枕元や玄関に置いておくのがいいでしょう。できれば車のトランクにも1セットを常備しておきたいものです。

Q:備蓄していても家が倒れてしまって持ち出せない場合はどうしたらいいでしょうか？

家が壊れ住めない場合は避難所に行くことになると思います。避難所に行く場合自分が必要とする物は可能な範囲で持参することが基本ですが、多くの市町村でも応急物資を備蓄しておりますので、それを使うことになると思います。

Q：寒い季節に必要なものを知りたいです。

北海道はやはり寒さ対策が必要です。家の中なら布団をかぶるなどで寒さをしのぐことはできますが、ポータブルの灯油ストーブなど、ライフラインが復旧するまでの間使える暖房器具はあった方がいいでしょう。あとは卓上のカセットコンロも必須アイテムです。これがないとお湯を使う非常食や赤ちゃんのミルクをつくることができませんし、温かい食事で身体をあたためることができます。ぜひご用意いただきたいです。

Q:対策が多すぎて何からすべきか悩むので、優先順位を教えてほしいです。

災害のとき一番大事なことは「ケガをしないこと、身を守ること」です。地震はいきなりやってきます。寝室には倒れそうな家具を置かないことです。置くならしっかり固定をする。窓ガラスも割れて飛んできますので飛散防止フィルムを貼るのも有効です。食器棚や冷蔵庫の転倒防止、家の周りでは灯油タンクやプロパンガスボンベはしっかり固定されているかどうかのチェックをしてください。また、住宅の耐震性についても確認してください。1981（昭和56）年5月31日以前の、いわゆる旧耐震基準により建築された住宅は耐震性が低い場合があります。札幌市では木造住宅の耐震診断・耐震改修に関する費用の一部を補助する制度を実施していますので、耐震診断を受け、自分の家が安全かどうか確かめてみてはいかがでしょうか。

災害のとき「一番困るのはトイレ」「一番ほしいのは情報」です。下水が使えれば溜め置きの風呂水で水洗トイレを使うことができますが、災害用の簡易トイレも用意しておきましょう。そして情報を得るためのFMラジオもやはり必須アイテムです。車のテレビ・ラジオでもOKです。今は手回し式充電ラジオに携帯電話への充電機能を備えたものがありますのでこれも用意しておきましょう。

マンション（高層建物）の場合は停電＝断水となり、エレベーターも止まってしまいます。給水車や地上の蛇口などからもらった水を容器に入れ自分の部屋まで階段で運ぶ必要があります。
ご年配の方や体の不自由な方はなおのこと大変です。
ライフラインが復旧するまでの間を考え、充分な備えを用意しましょう。
備えあれば憂いなし！です。

【公益財団法人札幌市防災協会】
HP：http://www.119.or.jp/

次回は「災害が起きたあとの行動」について伺ってきた内容をご紹介します。