ここから本文です。
ここから現在位置です。
現在位置ここまで。

あなたのまちを ぐるり深ぼりツアー vol.7

第7回 「興部の旅」<前編>

こちらに掲載されている記事の、ポイント獲得・抽選応募期限は終了しております。

あなたのまちを ぐるり深ぼりツアー 第7回「興部の旅」<前編>

これまで道内各地を取材してきた北海道の月刊情報誌「HO(ほ)」が、毎月、あなたのまちにスポットをあて、まちの魅力を深ぼりしてご紹介。
北海道がもっとおもしろくなるマニアックな旅へお誘いします。

今月は「興部」を旅します。


素直なミルクの味がする乳製品を楽しもう【ノースプレインファーム】

人口は3,800人余りですが、乳牛の数は1万頭以上という、酪農が盛んなまち、興部町。

オホーツク海と広々とした牧草地が広がっています。さまざまなスタイルの農場がありますが、今日は乳製品を製造し、農場直営のレストランもある牧場を訪ねます。

広々とした放牧地で、気持ちよさそうに草を食むのは「ノースプレインファーム」の牛たちです。搾乳牛50頭、搾乳前の育成牛50頭ほどの小規模農場ですが「おいしいミルクは健康な牛から」と、化学肥料に頼らない牧草など、自給粗飼料はすべて有機飼料。

代表の大黒宏さんは、明治時代から続く農家の4代目。酪農を学んだ学生時代に「これからの酪農は大規模経営でなければ世界に肩を並べられない」と言われ、生乳は大手メーカーの工場にすべて運ばれるのが普通のことでした。そんな時、家業を継ぐ前に訪れたニュージーランドである思いを抱きます。
「小さな農場が地元の家庭に牛乳を宅配する様子を見て、私も地元の人たちに牧場の牛乳を届けたい。と思いました」

8年間、行政に働きかけ続け、ついに1988(昭和63)年、牧場の一角に小さなミルクプラントを建設。自社牛乳と地元契約農家の新鮮な牛乳で、今では多くの乳製品を製造し、そのおいしさから全国的にも知られています。
2015(平成27)年に有機JAS認証を取得した、生乳から作られたオーガニック乳製品を新たに生産しています。
まず味わってほしいのは有機JAS認証の「オホーツクおこっぺ有機牛乳」。創業以来変わらない低温殺菌&ノンホモジナイズ製法です。さらっとして体に染みわたるような優しい味わいです。

敷地内にあるスイーツの工場では、ロールケーキの生地を製造中。
特に醗酵バターを使った商品は通販でも人気です。

「おこっぺバタークリームケーキ」は今、お取り寄せで話題です。自社製醗酵バターで作ったなめらかなバタークリームを軽い口あたりのスポンジ生地でサンドしたシンプルなものですが、冷やしてクリームをカチッとさせると、とってもおいしいですよ。

案内してくれた副社長の吉田年成さんです。
「伝統の味の醗酵バターは、原料の生クリームを乳酸菌で一晩発酵させ、さらに冷蔵庫で3~4日ほど寝かせてから使用します」

バターの製造は1992(平成4)年から。地元にある大手乳製品メーカーの工場でバターの製造を終了することになり、「地域の財産である伝統の味を残したい」とお願いして職人に来てもらいバターづくりを始めました。今でも伝統的なチャーン式製法でつくられています。このバターは昔ながらの興部産バターの味を引き継いでいる製品なのです。

チーズ作りの現場にもおじゃましました。
「今は青草を食べている牛のミルクを使っているので、ほんのり黄色い色が特徴です」と吉田さん。女性スタッフが作っているのはモッツァレラチーズ。乳製品の加工はもちろん、レストランや牛たちの世話など、町外からの移住者や地元出身の若者合わせて40人ほどがこの牧場で働いているそうです。

「チーズは牛乳と乳酸菌の力だけの、ミルクの味を生かしたシンプルで優しい味わいを目指しています。数をたくさんというより、いいものを作っていきたいですね」と吉田さん。
代表的な「ゴーダ」は「ALL JAPAN ナチュラルチーズコンテスト」で5回にわたり優秀賞を受賞。3カ月以上熟成をかけ、ミルクのおいしさがダイレクトに感じられます。
ほかにも、1年以上も熟成をかけた旨味豊かな「ハードチーズ」、中川町の桜のチップでスモークした「スモークチーズ」、北見のオーガニックバジルや黒ニンニクを使ったものなども好評です。

これらの乳製品は通販はもちろん、農場内の直営レストラン「ミルクホール」でも購入できます。

店長でありイベントなども企画する、大黒さんの次女の有梨さん。
「タイミングさえ合えば、牛たちの様子を眺めながら過ごしていただけますよ」
さらっと口溶けのよいソフトクリームはテイクアウトも人気です。

「モッツァレラチーズハンバーグ」は自家製の有機モッツァレラと濃厚なトマトソースのハンバーグ。パンの盛り合わせが付いて1,278円(税抜)です。
「おこっぺ有機牛乳」はビンは167円(税抜)。371円(税抜)で飲み放題なんですよ。

興部に来たら、ぜひ寄ってみてくださいね。

ノースプレインファーム(ミルクホール/直営ショップ)

住所
紋別郡興部町北興116-2
電話
0158-82-2422
ショップ営業時間
10:00~17:00
[ランチ] 11:00~14:00
定休日
火曜(祝日は営業)
URL
https://northplainfarm.co.jp/

※イベントなどはSNSで確認してください。
※価格は直売価格です。


ジューシーな鶏の半身焼きは興部のソウルフード【名代 山賊焼】

興部の中心地にある、とあるお店にやってきました。

平日でも開店早々から賑わう人気店「名代 山賊焼」です。
今晩は地元の人の大好物を夕食にしますよ。

串打ちの真っ最中のご主人。カウンターには新鮮そうなツヤツヤの鶏の半身がど~んと置かれていました。そう、ここは鶏の半身焼きと焼き鳥のお店。

ご主人の森田一幸さんと妻の典子さんはこの「名代 山賊焼」の2代目。
創業は1958(昭和33)年で今年で62年目。典子さんのご両親が始めた店です。一幸さんは会社員でしたが、ご両親に乞われ二人で2代目を継ぎ30年がたちます。

「父が養鶏と鶏をさばく担当で、母が焼き担当。私と姉が串を打つ手伝いや料理を運ぶ手伝いをしていたの」
これは今から20年ほど前、まだご両親が元気だったころ。左が典子さん、右はお姉さんです。

現在、鶏は道産の生肉を使用しています。
立派な鶏の半身焼きの「山賊焼」は半羽500gはある大きな若鳥。札幌軟石の焼き台で、炭火と石の熱さで焼き上げます。味付けは創業時から変わらぬ2種類の塩です。
串が独特ですね。
「あぁ、これは先代のアイデアで、先端を研いだ自転車のスポーク。27インチがいいんだ。細くて強いから。それでも熱と鶏の重さで曲がってきちゃうけど」
車輪のあの細い棒ですか~。オリジナリティありますね。

じっくり20分、いい感じに焼けてきました。
地元の人の集まりや、子どもの帰省時などなど…、何かと欠かせない興部の味。
クリスマスには1日に何百羽と、朝4時から焼いていたことも。
「今は腰を痛めちゃったしね。申し訳ないけど限定数で焼いてます」

さて、完成です!どうです。立派ですね。アツアツジューシーなお肉は香ばしく、一度食べると病みつきです。

山賊焼きと共に創業当初からある、砂肝、鳥皮、もも肉、それとタマネギをまぜて串に刺して焼いた「ミックス」もぜひ!

飾り切りの野菜もきれいなサラダも名物。でもコレ、メニューに載っていない常連さんの定番の裏メニューなのです。典子さんの家庭の味でもあるオリジナルのドレッシングが評判です。
実は、典子さんは以前、旧札幌全日空ホテルの宴会料理の料理人だったそうです。同僚から教えてもらったドレッシングのレシピを興部の人たちの口に合うようにアレンジしたそう。
「秘密のレシピで体にいいものばかりよ」
何でできているのかな。赤い色がきれいですね。

サラダに使うスイスチャードやフリルレタスなど、夏場はほぼ店の隣で自家栽培する野菜のみ。ビニールハウスでキュウリなども育て、今年大豊作だったそう。

こちらも裏メニュー。手作りの生地がふわモチ食感でたまらない。チーズもたっぷり!

「私たちにもピザちょうだい!」
お店が混んできましたね。奥には個室が4室あるのですが、そこも満席。
「忙しいけど、このお店のおかげでとても充実した人生です。店を残してくれた両親に感謝しているんですよ」と笑顔の典子さん。
温かくてすてきな二人のお店、興部に来たらまた寄りますね。

名代 山賊焼

住所
紋別郡興部町元町454
電話
0158-82-2230
営業時間
17:00~23:00
定休日
日曜、不定休あり

※掲載情報は2019年10月15日時点のものです。

北海道情報誌
HO
[ ほ ]
(毎月25日発売 本体556円+税)


北海道の旬な情報、おすすめスポットなどを、独自の視点で紹介する北海道の総合情報誌です。道民も目からウロコの情報をお届けします。
http://www.burant.co.jp/


プレゼント

有機ヨーグルト、有機のむヨーグルト、有機モッツァレラチーズ、バタークリームケーキなどを詰め合わせた「ノースプレインファーム 乳製品セット」を抽選で10名さまにプレゼント!

※セット内容は変更になる場合があります。
※厳正なる抽選のうえ、賞品の発送をもって発表にかえさせていただきます。
※当選賞品の発送は11月下旬の予定です。

ポイント獲得・
プレゼント応募はこちら

過去記事一覧へ戻る

ページの先頭へ戻る
本文ここまで。