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あなたのまちを ぐるり深ぼりツアー vol.4

第4回「上富良野・中富良野の旅」<後編>

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あなたのまちを ぐるり深ぼりツアー 第4回「上富良野・中富良野の旅」<後編>

これまで道内各地を取材してきた北海道の月刊情報誌「HO(ほ)」が、毎月、あなたのまちにスポットをあて、まちの魅力を深ぼりしてご紹介。
北海道がもっとおもしろくなるマニアックな旅へお誘いします。

今月は「上富良野・中富良野」を旅します。


懐かしの校舎で過ごすアートな時間【北海道風景画館】

さて、後編で向かうのは中富良野。中心地から、少し外れた奈江地区へ。

のどかな放牧地の向こうに芦別岳がきれいに見えます。

ここは旧奈江小学校。風景画家・奥田修一さんの美術館「北海道風景画館」として今も息づいています。

1950(昭和25)年に建てられた、小さいけれど凝った洋風木造校舎が展示室。受付で共通券を購入すると、館内と「画家の庭」の見学ができます。

受付の文字は閉校当時のままなのだそう。来客に向けた当時の先生の文字かな。

特別にアトリエにおじゃまさせてもらいました。この日は地元の生徒さんのための絵画教室の日。中央の笑顔の方が、画家の奥田さんです。奥田さんは1987(昭和62)年に東京から北海道に移住し、30年以上この中富良野近隣や道内の風景を描き続けています。庭の手入れや施設の修復なども、ほぼ一人でコツコツとお手入れしているそうです。

さて、作品が飾られている旧校舎「風景画館」へ。
「新しい画を描き始めるたびに、もっと良いものを描こうと思っています」と、次々に新作に取り組み、これまで1000点以上の作品を生み出しました。見学できる作品は毎年入れ替わりつつ約80点。

教室に溶け込むような風景画は、奥田さんが日々スケッチに出かけて出合った、空と虹と雲、光と影。風までも感じられるような、繊細なタッチです。

宗教的な作品も多く、深い慈しみのまなざしを感じるキリストやマリアを描いた作品も印象的です。

「季節や時間によって刻々と変える山の表情は、描きがいがあります。最近は山を描くことが多くなりました」という奥田さん。朝焼けの芦別岳がきれいですね。

旧職員室を利用した「カフェ 銀ドロ」ではお茶やコーヒーでひと休みできますよ。まろやかな「狭山微醗酵茶・琥珀」と、地元のパン屋さんが薪窯で焼いている、香ばしい古代小麦のクッキーはセットで400円。

窓から見えるのは葉の裏が白く光り、ウラジロハコヤナギとも呼ばれる「銀泥」の木。奥田さんが地元の農家に分けてもらい、入口や校舎の周りに植えたシンボル的存在です。

「画家の庭 風樹園」も案内していただきました。
妻で漆修復家であるシルビア・アギーレさんと共に、20年にわたり好みの草木を植え育て、絵の題材にもされています。

池を見下ろすデッキは休憩スポット。庭に住む3匹の猫はスケッチのときに拾ってきたそう。ずっとついてきてかわいいですね。

さらに奥も、見せていただきました。

木漏れ日の小道を抜けると小さな教会がありました。今年、カトリック教会の神父さまに祝福の儀式を受けた「虹の光のマリア御堂」です。定員はわずか2名。長崎の潜伏キリシタンの家に伝わっていた十字架が飾られていました。ここで静かに過ごす人も多いそう。

数々の風景画に触れ、印象派の絵画から抜け出したような庭でのんびり…。
心豊かに過ごせる時間を求めて、また訪ねたくなる場所でした。

北海道風景画館

住所
空知郡中富良野町奈江(旧奈江小学校跡)
電話
0167-44-4477
開園時間
9:30~16:00
開園期間
4月25日~10月15日(※変更の場合あり)
期間中は無休
料金
入場料:大人400円、中高生300円
「画家の庭」との共通券:大人700円、中高生500円
URL(北海道風景画館)
http://hokkaidofukeigakan.jp
URL(画家の庭)
http://www.gakanoniwa.net

※作品は購入することもできます。


十勝岳の山並と星降る夜空に浸る宿【Northern Star Lodge(ノーザンスターロッジ)】

さて、次は中富良野のシンボル的存在、北星山の中腹の丘に建つ緑のログハウス「ノーザンスターロッジ」へ。

迎えられるお客さんはわずか5組という小さな宿。
日本のみならず、海外からこの地域のパウダースノーを求めてやってくる、バックカントリースキー客でにぎわう冬と、ラベンダーが咲く夏はすぐに満室です。

庭でペットのヤギと一緒にいたのは加藤雅明さん。
山形出身で東京から移住し、妻の見千子さんと二人でこの宿を営んでいます。
あれ、後ろにあるのはお風呂かな?

「今年、自分でバーベキューができる東屋を作ったので、届いてそのままにしていた北欧製の木の風呂を組み立てたんです。自分の趣味用ですけど、いい眺めなんですよ」

そう、ここは眺めも素晴らしい宿。晴れると十勝岳連峰が神々しくもあります。
今は刈り取られた後ですが、ラベンダー畑もすぐ目の前。

加藤さんはこれまで、庭の石の設置やブランコ、オブジェ、母屋とおそろいのヤギたちの小屋も手作りしているそうです。
ヤギは町内の農場から毎年春から秋の間だけペットとして預かるそう。「今年のヤギたちは5代目で、名前は代々レンとタル」。意味、わかりますよね。「オスのレンは犬なみに人懐っこいです」と目を細めていました。

「まずは中へどうぞ」と案内してもらいました。太い柱など木の質感にホッとするまさに山小屋風。

フィンランドから取り寄せたというレッドパインで建てられたロッジは、やさしい木の香りと自然素材に囲まれた和みの空間。
肌寒い日は薪ストーブの炎を静かに眺める時間も癒しのひとときです。

ゆったりとしたツインルームの客室です。
夕日が見える反対の山側の部屋の眺めもまたよいのですよ。

さて、この宿はオープンから6年目。
海外のスキー客も多いトップシーズンの冬は特に大忙しです。
「でも、春や秋など落ち着いた時期がまたいいんですよ」
そう、二人にとっては年中素晴らしい中富良野。雅明さんはかつて東京でスキー専門誌の編集長でしたが、この環境にほれ込み移住してきました。

宿には旅の参考になるパンフレットなどもたくさん揃え、旅人に地域の魅力を積極的に伝えています。雅明さんはドローンで上空から近隣の風景を撮影・編集して、とても素敵な中富良野のPR動画も実験的に制作しています。
「穴場スポットです(笑)」という、ご近所にある中富良野神社の桜の森や、水面が輝く田園風景などを見せてもらって感激!二人の目線を通してこの地域がとても魅力的に感じられました。

「四季折々の風景と朝夕の山々や風景は見飽きることがないです」と加藤さん夫妻。
ふと見たダイニングの窓からの眺めもまさに絶景。いつもこんな風景を見ているなんて、うらやましいですね。

「中富良野は虹がよく出るまちで、虹の景色もきれいですよ」

富良野から汲んでくる「原始の泉」の湧き水でおいしいお茶を入れてくれました。サーバーから自由に飲むこともでき、海外の方からも喜ばれているそう。
ワイングラスが揃ってますね。
「なぜかお酒好きの人があつまる宿で。私たちも大好きです」

加藤さん夫妻が今はまっている、個性的な自然派フランスワインをはじめ、手ごろなコノスル富良野ワインのビンテージなどが揃います。
「夕食はワインやお酒と楽しめるものを考えます」と見千子さん。

そう、宿は食事もとても評判。ちなみにこの日の夕食は、手作りの三升漬けを乗せた地元のお豆腐や、鶏と野菜の春巻き、チーズやパテなど……前菜は7種類たっぷりと。これだけでかなり、飲めそう!

堂々たるメインは、宿名物・かみふらのポークのスペアリブ。軟らかく、脂がとろけるように甘いのです。香ばしい醤油と合わせた和風バルサミコソースがよく合います。こんなに大きいけど、みんなペロリと食べてしまうそう。

ほかに、スープ、さりげなくパクチーが効いた地元野菜のサラダ、美瑛産米の炊き込みごはん、と大満足でした。

景色はもちろん、食事もこの空間も素晴らしい。
迎えてくれたお二人の思いが隅々にまで込められている宿でした。
今夜はワインと共に降るような星空も楽しみます。

Northern Star Lodge(ノーザンスターロッジ)

住所
空知郡中富良野町西1線北14号
電話
0167-44-2081
チェックイン
15:30
チェックアウト
10:00
利用料金
1泊2食付 1人 10,580円
URL
http://www.northernstarlodge.info/
※ホームページから予約可

※掲載情報は2019年8月26日時点のものです。

北海道情報誌
HO
[ ほ ]
(毎月25日発売 本体556円+税)


北海道の旬な情報、おすすめスポットなどを、独自の視点で紹介する北海道の総合情報誌です。道民も目からウロコの情報をお届けします。
http://www.burant.co.jp/


プレゼント

ノーザンスターロッジの食事にも使用されている、中富良野・竹本醸造のふらの味噌(1kg×2)と、ふらの醤油(1ℓ)のセットを抽選で10名さまにプレゼント!

※賞品は変更になる場合がございます。
※厳正なる抽選のうえ、賞品の発送をもって発表にかえさせていただきます。
※当選賞品の発送は10月下旬の予定です。

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