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週末旅のススメ 日本全国厳選トリップ vol.2

vol.2 屋久島「太古の森へエスケープ」

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奥深い山と巨木の森に覆われた世界自然遺産、鹿児島県の屋久島。周囲約130キロメートルの島には、海岸線から一気にそそり立つ標高2000メートル級の山々により、亜寒帯から亜熱帯までの多様な植物が分布する、世界にも稀な自然環境を生み出している。また年間4000ミリも降るという雨が、樹齢1000年を超える巨木や、一面に苔がむす神秘の森を作り上げている。屋久島の緑と水に潤う原始の森に癒される旅へ。

鹿児島空港からプロペラ機で約40分。大隅半島の南60キロに浮かぶ屋久島。温暖な黒潮が流れるこの島は、熱帯の木々が茂りハイビスカスの花が咲く一方で、山間部では冬には雪が積もることも少なくない。そんな屋久島は1550万年ほど前にマグマが固まって隆起した花崗岩の島。そのため雨は地面に深く滲みこまずに、森を潤すと急峻な山を一気に駆け下り、豪快な滝となって地上に現れる。そして海へと注がれ、また雨となって島に戻ってくる。この循環が深い緑の世界を作っている。

屋久杉の森と天空のトレッキング

島の北東に位置する「白谷雲水峡(しらたにうんすいきょう)」は、屋久島へ行ったならばぜひ訪れたいスポット。屋久島の中でも一際雨量が多い場所で、ダイナミックな峡谷美と樹齢3000年を越える屋久杉などが遊歩道から楽しめる。さらに奥へと進めば木々も岩も切株も、すべてが苔に覆われる太古の森が広がる。一歩足を踏み入れると、むせ返るような生命のエネルギーが溢れ出ている。この森を構成する要素のひとつが、650種類以上が生息する苔。ひとつの島でこれほど沢山の苔が見られる場所は他にないという。さらに森の奥へ進むといくつもの巨大な杉に出合う。まるで大切なものを抱えるように根を四方に張り石を覆っている。土壌の少ない屋久島では、土ではなく岩の上に種が発芽し、木々が育ったからだ。岩盤は栄養が乏しい。だからこそ屋久杉はゆっくり、ゆっくりと成長を続け、結果として1000年を越える巨木となるという。

また屋久島の特徴とも呼べる巨岩と巨木の両方を一度に楽しめるのが「太忠岳(たちゅうだけ)」。出発口となるヤクスギランドでは、不思議な形をした古木が次々と現れ、ここだけでも十分に巨木を堪能できるが、さらに上へ上へと森を進むと突然道を塞ぐように巨大な岩が立ちはだかっている。巨岩の下をくぐり抜け、ロープを使って岩を超えると、山の頂に石碑のように立つ摩訶不思議な天柱石(てんちゅうせき)に到着。眼下には緑深い森と青空が渾然一体となった風景が広がり、遠くには種子島が見える。そんな絶景のなかで心地よい疲労と達成感を味わう。トレッキングは安全のために公認ガイドの同行をオススメする。

海岸線沿いの周遊道路から見える景色は、苔むした森とは対照的な南国のジャングルと爽快な青い海が広がる。なかでも世界遺産の一部に指定される西部林道一帯はヤクシマザルとヤクシカのパラダイス。道の真ん中でのんびりと座って毛繕いをしているサルの一家や、沿道の草を食むシカたちに出合える。スピードは禁物だ。西部林道の南に位置する大川の滝は、九州一の高さを誇る88メートルの断崖から、豪快な水しぶきをあげて滑り落ちる勇姿に圧倒される。さらに南の河口近くに自生する、無数の気根を垂らして幹を伸ばしたガジュマルの巨木群に、屋久島のトロピカルな一面が垣間見られる。

島のオーベルジュに憩う

コバルトブルーの海と亜熱帯の植物が迎えてくれる、「サンカラ ホテル&スパ屋久島」。
サンカラとは、サンスクリット語で「天からの恵み」を意味する。自然の摂理を存分に活かした「森、水、食」のトライアングルが心身に力を与えてくれる。森に点在する全29室のゲストルームは、隠れ家のような佇まいとアジアンモダンなインテリアが、周囲の環境に溶け込んでいる。ウッドデッキのチェアに腰を下ろし、自然の音に耳を澄ましていると、自分まで屋久島に溶け込んでしまったような気分になる。蛇口から流れる水質はきめ細かく、手を洗ったり歯を磨いても気持ちがいい。敷地内で採取した超軟水と屋久島の花や果実、植物エキスなどを配合したオリジナルの石けんやスキンケアは、自宅に持ち帰って使ってもらえるように作られている。

食事はサンカラの楽しみのひとつ。搾りたてのタンカンジュースと自家製のフルーツジャム、焼きたてのパンと地元で採れた新鮮な素材が、朝一番の“口福”を運んでくる。また、ディナーのみの営業となるシグネチャーダイニング「okas(オーカス)」では、オープンキッチンを客席が囲むカウンタースタイルで、シェフが加える仕上げのタッチに期待が高まらずにはいられない。今宵のゲストのためだけに創る一期一会のドラマチックな一皿、屋久島の恵みをふんだんに使ったフレンチで、五感を楽しませてくれる。ここでしか食べられない美食を堪能したい。

屋久島のエッセンスに浸る

存分に遊んだ後は、屋久島のエッセンスを取り入れたスパが体を癒やす。タンカンやガジュツなど、土地の恵みを詰め込んだ手作りのハーバルボールは、深いリラックスへと導いてくれる。屋久島の自然のエネルギーを体に取り込む「SANA-being」と呼ばれるメソッドで、ウェルネスバランスを整え、心と体の健康を手に入れる。また、縄文杉や白谷雲水峡などトレッキングのビフォー&アフターケアに、2日間のコンビネーションプランも用意されている。

刻々と表情を変える空、海、それはサンカラの色。プールサイドで夕涼みをしながら、ただ時の移ろいを眺めているだけで気持ちが休まる。そろそろ海に月の道が現れるころ、リゾートは夜の表情を見せる。ライトアップされた天然水のプールに揺らめく灯りが、非日常の空間を演出する。600冊以上を揃えているライブラリーラウンジで、好きなお酒と本で寛ぐのもいい。心地よい空間で1日をリセットしたい。

サンカラ ホテル&スパ屋久島

https://www.sankarahotel-spa.com/

文/鈴木博美
撮影/Ryoichi Sato

屋久島へのアクセス

札幌(新千歳)から大阪(伊丹)経由で屋久島空港へ、JALグループ便が毎日運航。

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掲載情報は2019年8月19日時点のものです。

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