腸活 その3「会員のみなさんの疑問に博士がお答えします！①」

Q：エネモール会員のみなさんのアンケートでも「腸活という言葉の意味が分からない」と答えた人はわずかに7.0%でした。いつのまにか「腸活」という言葉が普通になっているように思うのですが、いつごろから注目され始めたのですか？

2015年のNHKの番組で「腸内フローラ」の特集があり、それをきっかけに腸活が注目されるようになりました。「腸内フローラ」というのは、腸の中でたくさんの菌が「お花畑（フローラ）」のように競って咲いていることを表しています。最新の研究で腸内フローラがヒトの健康と密接に関係することがわかってきました。

Q：エネモール会員のみなさんに、おなかのお悩みを聞いたところ、「軟便・下痢である」と答えた方の男女比は、17.9%：8.7%。「便秘である」は11.4%：27.0%、という結果でした。男女で腸に何か違いはあるのでしょうか？

下痢が男性に多い原因として、お酒をたくさん飲む方に多いように思われます。水分を多くとるので大腸で吸収できないとよくいわれますが、完全に肝臓でアルコールが無毒化されていなくて、下痢で出している感じがします。ストレス発散等になるならいいと思いますがたくさん飲みすぎないでくださいね。

また、便秘が女性に多い原因は、女性にしかない「黄体ホルモン」が影響していますね。黄体ホルモンは、排卵後に妊娠が成立した場合に備えて、子宮の収縮を抑える働きをしますので、その結果、便を肛門へと運ぶための腸の蠕動（ぜんどう）運動が減って、便が排出されにくくなってしまいます。なので生理前に便秘になるという方の原因はこれですね。

Q：ウンチの形や固さ、やわらかさなど、どういうのがいい便なのでしょうか？

理想のウンチは黄褐色のバナナで臭いが少ないものです。

ウンチの色は腸内のpH(酸性度)を表しています。あかちゃんのように黄色いウンチはpH4.5～5.5くらい、黒いウンチはpH8くらいです。黄色いウンチは、あまり臭くなくスムーズにでます。黒いウンチは特有の臭気があり、つまりがちです。これは腸内がアルカリ性に傾くと悪玉菌が増加して腐敗物質をつくるためです。腸内をpH6.5以下の酸性に保つと、腐敗物質や二次胆汁酸（悪玉物質）を作る悪玉菌の活動が低下するため、カラーチャートの2番のウンチを目指すといいと思います。

Q：ストレスがかかるとおなかがくだるのはなぜでしょうか？

ストレスから下痢になることはあります。このようなストレス反応は動物が生きていく上で必要と考えられています。
例えば、あなたがネズミだとして、突然ヘビに出くわした時に、あなたはとっさに「戦うか逃げるか」決めなければなりません。その時に下痢になって脱糞すれば、敵の目（鼻）をくらますことによって、逃げることができるかもしれません。視力よりも嗅覚や熱感知の方が発達している動物は多いので、この分身の術は有効であったかとも思われます。

もともと大腸ができたのは、糞をためておいて安全な場所で出すためでした。糞は捕食者に狙われる原因になるからです。糞を身代わりに逃げる戦法はごく自然の成り行きなのです。緊張してお漏らしをするのは動物本来の性なのでしょう。

ストレスを感じるとおなかの調子が悪くなることは誰でも経験があると思います。脳と腸は影響しあっています。このようなことから、便秘や下痢などすべての便通の問題はストレスが関係していると思われるようになりましたが、ご自分の性格や体質のせいだと自分を責める必要はありません。ストレスが原因ではなく過敏になっていることが原因の場合もあるのです。