平野レミさん Profile
料理愛好家・シャンソン歌手。主婦として家庭料理を作り続けた経験を生かし、料理愛好家として活躍。テレビや雑誌、エッセイなど多方面で活動し、身近な材料を使った自由な発想の料理と、明るく前向きな暮らしの提案で多くの支持を集めている。著書50冊以上、エッセイ「おいしい子育て」で料理レシピ本大賞受賞。レミパンは売上350万個突破。夫はイラストレーターの和田誠氏。
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北海道の地物野菜も増え始め、料理の楽しみが広がっていくこの季節。今回は料理愛好家の平野レミさんが、食卓に対する価値観や料理に向き合う考え方、暮らしを笑顔で過ごすヒントなどをたっぷりと語ってくれました。ありのままの「レミ節」が光るトークをご覧ください!
料理愛好家・シャンソン歌手。主婦として家庭料理を作り続けた経験を生かし、料理愛好家として活躍。テレビや雑誌、エッセイなど多方面で活動し、身近な材料を使った自由な発想の料理と、明るく前向きな暮らしの提案で多くの支持を集めている。著書50冊以上、エッセイ「おいしい子育て」で料理レシピ本大賞受賞。レミパンは売上350万個突破。夫はイラストレーターの和田誠氏。
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―料理が好きになった原体験って?
子どものころ、自宅に家庭菜園があってね。学校から帰ってきた夕方、トマトをもいで、スカートでギュギュッて拭いてそのままガブリ。めちゃくちゃおいしくて、「よし、このトマトで何か作ろう!」って台所に持っていったの。そうしたら、うどんとチーズとピーマンがあって、グラタンみたいなのを作ってみようと思ったのね。全部ぐちゃぐちゃに混ぜてオーブンで焼いたのよ。チーズがブクブクしてきて、トマトとうどんがだんだん一体になっていって。できた!って出して食べたら本当においしかったの。
その時に気づいたのが、料理って足し算とは違うってこと。うどんとチーズとピーマンとトマトのそれぞれのおいしさが1だとしても、全部が合わさって喜びが加わると、10にも100にもなっちゃう。それが料理の算数だなって思ったの。
―台所を自由に使って良かったんですか?
母親が良かったのよね。台所をどんなに散らかしても「あらレミちゃん、今日も派手にやったわね」って言って、何にも怒らないの。「包丁は危ないからダメ」「散らかしちゃダメ」ってダメだらけだったら、料理好きにはならなかったと思うの。自由にさせてくれたから、どんどん料理の世界にのめり込んでいったのよね。

―食卓で大切にしてきたことはありますか?
ご飯の時間には絶対、イヤな話はしない。「人参食べなさい」「宿題やったの」ってチクチクしちゃうと、人参もお母さんも嫌いになっちゃうかもしれないから。笑って笑ってニコニコして、言いたいことがあれば「ごちそうさま」の後で(笑)。
―お子さんたちに料理も教えた?
ぜ~んぜん。ただね、息子たちには台所で宿題をさせていたの。ごぼうを洗う音、トントン刻む音を聞きながら育ったからか、息子たちも、今は家庭をもって、ちゃんと台所に立って私の味の料理を作るのよ。私は「ベロシップ」って呼んでいるんだけど、ベロの絆ってこと。私が死んじゃっても、代々ずっとつないでいく料理が1種類でも2種類でも3種類でもあったら、「レミおばあちゃんが作っていたのはこれよ」って絆ができていくわよね。
―忙しくて料理を作れないことも?
あるわよ。そんな時はお惣菜を買ってきたっていいの。ただそのまま出さないで、ひと手間だけ加えて自分の味にしちゃうのが大切。カレーならクミンパウダーをひとふり、煮物なら自分のだしをちょっと足すだけで全然違う味になるの。私もおでんを買ってきてさ、スープは秘伝のレミダレに入れ替えちゃったこともあるの。いまだに十何年もバレていない、完全犯罪よ(笑)。
―料理のアイデアはどこから生まれるんですか?
「どうしよう」って困った時こそ、発想が生まれるのよ。子どもが「コロッケ食べたい」って言うから作ろうとしたら、パン粉がない。じゃあコーンフレークを砕いてカリカリにしちゃえばいいじゃない、ってうまれたのが「食べればコロッケ」。ジャガイモをチンしてキャベツの上に置いて、炒めた玉ねぎとひき肉と砕いたコーンフレークにソースをかけて完成。材料が足りない、時間がない、そういう「困った」が一番の発想のきっかけになるのよ。

―好きなことに向かっていくモチベーションは?
私は父のことを思い出すのね。高校を辞めたくなっちゃって、正座して打ち明けたら、本を読みながら一言「辞めていいよ」って(笑)。「代わりに好きなことを徹底的にやれ」って。それで私はお料理とかシャンソンに向かっていったの。好きなことって「努力」じゃないのよね。楽しいからやっちゃっていて、ハッと気づいたら明け方になっていた、みたいな。だから好きなことを持つことが何より大事。ちょっとでも心が動いたことを、まずはやっちゃえばいいと思う。
―料理やシャンソン以外の楽しみはありますか?
庭いじりかしらね。朝起きて庭の緑が見えて、猫を抱っこして、鳥のさえずりが聞こえる。それだけでもう十分に幸せよ。幸せって実はそこらじゅうに転がっているのに、気づいていない人が多いんじゃないかしら。友達とおしゃべりするのも楽しいし、掃除した後にお茶を一杯飲むのも幸せ。ちょっと心が動いたことに、気づいてあげることが大事だと思うわ。

―北海道の食材でお気に入りのものはありますか?
ジャガイモとピーマンね。実はこの2つ、火を通してもビタミンCが壊れない珍しい野菜なのよ。普通の野菜は加熱すると栄養が逃げてしまうんだけど、この2つは炒めても煮ても大丈夫。だから毎日の料理にどんどん使えて本当に重宝するの。トウモロコシをガーッとドロドロにして牛乳や生クリームを入れるポタージュも大好き。北海道の食材って、そのままでもう十分おいしいじゃない。
―北海道の思い出を聞かせてください。
「和田家の夏休み」っていって、貸切バスを借りて家族みんなで北海道を回ったのが楽しかったわ。あとは日高の牧場で馬に乗ったり、知床では雪の中で温泉に入って、外の雪景色を眺めたり。あったかい湯船からガラス越しに雪を見る、あの幸せったらなかったね。北海道は、食べものも景色も、全部ごちそうよ。
平野レミ大百花
平野レミ 著/大森亜紀 聞き手 (中央公論新社)
好きなようにやって、ダメだったらやめればいいや。そんなふうに生きてきました。ま、ケセラセラ、ね!おてんば少女のルーツ、歌手デビューと夫・和田誠さんとのスピード婚。「シュフ料理」の誕生……。波瀾万丈な人生をユーモアたっぷりに語り尽くすレミさんはじめての自伝。
◎レミさんからのコメント
初の自伝。大百花の“か”は、科学の科じゃなくて花ね。種から育った花が散っていくように、私の人生をかけて見ました。まだ散ってませんけどね(笑)。ぜひ読んでみてください。
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※掲載情報は2026年5月8日時点のものです。
※「プロトークラウンジ」は2026年5月から隔月(奇数月)の掲載となります。