北海道コンサドーレ札幌 ほくでん
J1復帰を目指して、FULL COMMIT【コンサドーレ広報執筆】
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9年ぶりにJ2リーグ戦を戦う北海道コンサドーレ札幌。1年でのJ1復帰を目指し、石水創新社長、岩政大樹新監督を迎え、新体制で今シーズンに挑みます。現在のチーム状況やJ1とJ2の変化など、さまざまな情報をコンサドーレ広報がお伝えします。

監督として、クラブ史上最長となる7年間の指揮を執った前任・ペトロヴィッチ監督のフットボールを継承し、前進させることを誓う岩政大樹新監督を中心に、北海道コンサドーレ札幌の新シーズンが始まりました。
岩政監督は1月、新チーム初のミーティングで、「強いと面白いを両立させるチームを作りたい」と伝え、攻撃的な札幌のスタイルを前進させることを説きながら、「このフットボールをやることが勝ちにつながらないと歴史には残らない。俺も残っていけないし、みんなも残っていけない。みんなで追求しながら、良いとき悪いとき、いろんな場面があると思うけれど、このフットボールで勝ち切るまで行こう」と言い切りました。

ご両親も教員で、「教師になろうと思っていた」という岩政監督らしく、1月の一次キャンプ・沖縄では、全選手と個人面談を実施。
「大事なことは面と向かって話すこと。話しをすることで選手たちのキャラクターが分かり、考えている事やテーマを言葉にして僕に伝えてもらう。終わった後のピッチに出てくる選手たちの顔、プレーぶりがどんどん変わっている。それぞれが思っていることも聞けて、僕の要求も伝えられる。すごくクリアになってプレーしていると思います」と意図と感想を話してくれました。


クラブのオフィシャルトップパートナー・石屋製菓の代表取締役社長であり、今季から株式会社コンサドーレの代表取締役社長に就任した石水創社長。2025年度の全社目標を「J1昇格」と、チーム・フロント共通の目標に掲げ、「一年でJ1に戻るため、経営と強化の両輪を回していく」と力強く宣言されました。

全社会議では「評価基準はきちんと設けてやりたいと思いますが、基本的に薩摩の教えを大事にしています。一番評価される人は、チャレンジして、成功した人。2番目に評価する人は、チャレンジして、失敗した人。3番目に評価される人は、チャレンジした人をサポートした人。4番目に評価される人は、何もチャレンジをしない人。5番目に評価される人は、何もチャレンジせずに、文句ばかり言っている人です」と話されました。
シーズンスローガンも「FULL COMMIT」に設定。「クラブの全員が自分の役割に対して『フルコミット』。全力を尽くし主体的に取り組むこと。全員が自分ごととして仕事をすることが大事。誰か人のせいにするのではなく、全て自分ごととして、思いを持ってやることがすごく大切です」と、挑戦して責任を果たしていく組織へ。石水社長とともにフロントも前に進みます。




J2リーグは、ファン・サポーターの間で“沼・魔境”などと比喩されることがあります。
J1から降格したチームが、なかなか抜け出せなくなってしまうことを指し、かつてコンサドーレに在籍した元イングランド代表のジェイ・ボスロイドさんも「世界的に見ても、ここまで実力が拮抗しているリーグは珍しい。それはJ1もJ2も言える。例えば、J1で上位争いを演じたチームがJ2に降格し、そのままJ2で下位に低迷することもある。そのようなことはあまりない」と話していました。J2リーグを勝ち抜き、J1に復帰するためのカギは複数ありますが、一つはけがによる離脱を少なくし、チーム内競争を高めることがポイントと言えます。
就任会見で岩政監督は「選手補強についていろいろと言われていますが、選手たちが20%成長すれば、それが補強になる。今より20%上のチームになれば、昇格するでしょう」と話していました。
昨年末、J2降格の憂き目にあったコンサドーレですが、2024シーズンに30試合以上出場していた主力選手の流出は、菅大輝選手、鈴木武蔵選手、駒井善成選手、岡村大八選手の4選手に留まり、夏場の補強で獲得した外国人選手や、チームトップタイの6ゴールをマークした青木亮太選手、5ゴールの近藤友喜選手など、有力選手が多数残留してくれました。教育者・岩政監督が、コーチングスタッフも選手も前進させ、成長していくことで、“J2沼”を勝ち抜くことができるでしょう。

注目選手は札幌市出身の新主将、高嶺朋樹選手です。
コンサドーレの下部組織育ちで、筑波大学を経てコンサドーレでプロデビューし、柏レイソル、コルトレイク(ベルギーリーグ)を経由して今季からコンサドーレに戻りました。新主将に任命され、サポーターへのあいさつでは「自分自身、このチームを引っ張っていこうと思って戻ってきました。やることはピッチ内外でチームを引っ張っていくということ。そこはキャプテンであろうがなかろうが変わらないので、今シーズン、サポーターの皆さんに約束したいと思います。目標であるJ1昇格に向けて、きついときもあると思いますが、チーム一丸となってサポーターの皆さんと達成したいと思います」と力を込めました。
大卒ルーキーの木戸柊摩選手にも注目です。高嶺選手と同じく、札幌市出身で下部組織育ち。大阪体育大学を卒業してコンサドーレに新加入しました。2月16日(日)に行われたJ2リーグ開幕戦(vs大分トリニータ戦)では、堂々の開幕スタメンを勝ち取り、自ら相手ボールを奪ってシュートに持ち込むなど、十分な見せ場も作りました。

J2クラブは東北地方や四国、九州など、地方都市を本拠地とするクラブが多く、例えば首都圏であれば直行便で遠征できたところが、乗り継ぎ・乗り換えによる遠征費のコストアップ、遠征時間の増加も考えられます。また、チームのストロングポイントをぶつけるクラブと、堅実な守備を優先して手堅く勝ち点を狙うクラブで言うと、後者の方がJ2リーグは多いのかもしれません。
コンサドーレは新社長による「経営」と「強化」の両輪の間で、誠実な新監督のもとで真っすぐに攻撃的なスタイルを貫き、J2リーグを突き抜けていきます。1996年の創設からさまざまな困難を乗り越え、喜びも悔しさも味わってきました。2017年から2024年までの8シーズンをJ1で戦い、2018年にはJ1リーグ4位、2019年にはカップ戦準優勝と、タイトル獲得まであと一歩と迫りました。コンサドーレはこれまでもこれからも、ファン・サポーター、パートナー企業、北海道とともに、“新しい景色”を見るためにチャレンジしていきます。
これまでのクラブ史において、降格後1年でJ1に昇格したことはありません。すなわち2025年の新しい景色、それは1年でのJ1昇格です。そのためにはお互いにリスペクトし、信じる力が必要です。北海道の皆さん、ぜひ今シーズンも北海道コンサドーレ札幌にご注目ください。


※掲載情報は2025年3月5日時点のものです。