エネモールマガジン ヘルス de スマイル
道産食材でバランスの良い食事
こちらに掲載されている記事のポイント獲得期限は終了しております。
エネマガ第6回は「道産食材でバランスの良い食事」と題して、食事内容についての基本的な考え方と、旬の食材を食べるメリットなどについて、酪農学園大学 杉村留美子准教授にお伺いしました。
杉村 留美子氏
酪農学園大学
農食環境学群 食と健康学類
栄養教育学研究室 准教授
管理栄養士 博士 (水産科学)
道産食材で
バランスの良い食事
北海道は肉や魚、野菜など食材の宝庫です。だからこそ、栄養素だけの観点ではなく、旬にこだわり、さらには年代に応じた「バランスの良い食事」について知っていただきたいと思います。
「PFCバランス」を意識した食事内容を
バランスの良い食事とは、三大栄養素の摂取比率が整っている食事のことをいいます。
三大栄養素は、Protein(タンパク質)とFat(脂質)、Carbohydrates(炭水化物)の3つの栄養素のことで、この3つの栄養素の理想的なバランスのことを、頭文字を取って「PFCバランス」と呼んでいます。
三大栄養素の理想的なバランスは、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」(2020年度版)によると、生活習慣病の発病予防や重症化予防の指標として「エネルギー生産栄養素バランス」を、18歳~49歳の男女で、タンパク質は13~20%、脂質は20~30%(飽和脂肪酸は7%以下とする)、炭水化物は50~65%と示しています。
最近はタンパク質が注目されていて、コンビニやスーパーなどの量販店でもタンパク質に注目した商品が売られていますので、手軽に食べられるようになっているのは良い傾向でしょう。例えば、今までカップ麺とおにぎりだけで済ませていた食事に、タンパク質を足すだけでもバランスをアップすることができます。
偏りが万病のもと。
年代に応じた「バランス」の切り替えも大切
栄養素のバランスが崩れると、体への負担が出てしまいます。例えば炭水化物を抜くダイエットをしている人では、一時的に体重が落ちたとしても、長期的には体への負担は大きくなります。また、脂質の割合が増えると脂質異常症をきたしかねないですし、タンパク質ばかりに偏ると腎臓に負担がかかり、何らかの疾患を招くので注意が必要です。また、単にバランスの良い食事内容といっても、年代に応じて、適切なバランスをとるのも大切です。メタボを気にしなければいけない年代なら、食べ過ぎに注意したバランスのよい食事内容を、高齢になって食が細くなっていたら、少量でも栄養価の高い食事内容を意識し、長い人生を「ずっと食べられる生活」として過ごすことができるのが望ましいと思います。
おいしい物はおいしい時期に。
旬の食材こそ積極的に食べよう
北海道は食材の宝庫です。旬にこだわった食材に目を向けるのも良いことです。これから秋にかけてはトマトやジャガイモなどの野菜や、ぶどうやリンゴなどの果物が旬になり、魚介や肉類は通年を通して美味しく食べられます。旬の食材は栄養価が高いというだけでなく、香りが強くて食材の本来の味が楽しめるため、過分な味付けは不要で、減塩になるというメリットもあります。地産地消という言葉を耳にしますが、最近ではお取り寄せなどで、道内各地域の食材を手に入れやすくなっています。地元や各地域の食材に目を向けて、おいしい物をおいしい時期に食べるというのも、食習慣では大切な考え方です。
ヘルスdeスマイルレシピ
厚揚げのあんかけステーキ
今回ご紹介するのは、タンパク質が摂れて、栄養価も高い、大豆の加工食品「厚揚げ」を使った「あんかけステーキ」です。厚揚げは、油を引いたフライパンでしっかり焼き、昆布とカツオでだしを取ったとろみのあるあんをたっぷりかけることで、お子さんからご年配の方まで、食べやすい一品にしました。あんの具材には道産野菜をたくさん使用しています。手軽にできてボリューム感抜群のレシピです。
1人分/216kcal
調理時間/約15分 塩分/1.3g
レシピ制作者/佐藤 絢
酪農学園大学
食と健康学類 管理栄養士コース
材料・2人分
- 厚揚げ200g(1枚)
- ニンジン30g
- タマネギ30g
- マイタケ30g(1/3パック)
- 絹さや10g(3枚)
- 醤油15ml(大さじ1)
- 酒15ml(大さじ1)
- みりん15ml(大さじ1)
- だし汁(昆布とカツオ節)100ml(1/2cup)
- 油5ml(小さじ1)
- 片栗粉3g(小さじ1)
- 水5ml(小さじ1)
作り方
❶厚揚げは、湯通しで油抜きをする。4等分に切った後、油を引いたフライパンでおいしそうな焼き目がつく程度に焼く。
❷ニンジン、タマネギは細切り、マイタケはひと口サイズにほぐしておく。絹さやはさっと茹でて細切りにする。
❸鍋にだし汁、ニンジン、タマネギ、マイタケを入れて火をかけ、野菜が煮えたら、醤油、みりん、酒を加えてひと煮たちさせる。加熱を止めて、片栗粉と水を合わせたものを加えてよく混ぜる。再度加熱しひと煮たちさせ、とろみをつける。
❹①を盛りつけ、③をかけて完成
栄養バランスを考慮した食事メニューは体をいたわります。年代に応じた食事内容のバランスを考えるというのも大切ですので、北海道の食材を意識的に取り入れ、おいしい食べものをいくつになっても存分に楽しみませんか。
次回は、酒やたばこのリスクについてご紹介します。
※掲載情報は2024年9月20日時点のものです。