あかりがたり vol.3
暮らしを照らすあかり術 vol.3「料理がはかどる照明」
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キッチン全体と手元を明るく。
料理をしたり、洗い物をしたり、何かと作業が多いキッチンの照明は、モノがはっきり見えるように配置しましょう。空間をすみずみまで明るく照らす全体照明と、細かな作業のための手元灯の組み合わせが理想的です。全体照明は影ができにくいように天井に設置。埋め込みタイプならすっきりとしてお手入れも簡単です。手元灯はつり戸棚があれば棚に設置し、オープンキッチンなど棚がない場合にはダウンライトやペンダントライトを取り付けます。また、スポットライトもおしゃれな演出になります。
家事がラクになる機能性にも注目。
キッチンなどの水廻りは、とにかくお掃除が大変ですね。照明器具もできるだけお手入れの手間が省けるものを選びたいもの。照明のカバーに、水や油をはじくはっ水・はつ油機能付きのものがあります。汚れはもちろんホコリも付きにくく、軽く拭くだけできれいになります。また、手元灯にはスイッチのタッチレスタイプが登場。あかりに手を近づけるだけで点灯・消灯ができるので、濡れた手で触ることなく衛生的です。

ペンダントライトでバーカウンターに。
オープンな対面式キッチンなら、プラスワンの演出にペンダントライトを付けてみませんか。空間が華やかに変わり、リビング・ダイニングのアクセントにもなります。ペンダントライトの明るさを絞れば、キッチンカウンターがしっとりと落ち着いたバーのような雰囲気に。1日の締めくくりにグラスを傾けるのもいいですね。

料理は見た目も美味しさのひとつ。よく言われることですが、暖色系の色ほど食欲をそそるため、青白く冷たい印象のあかりよりも、オレンジ系の温かみのあるあかりの方が、料理を引き立てます。そんな食事とあかりの関係に着目し、より一段と料理を美味しそうに見せる照明があります。
料理を美味しく見せるポイントは、「赤」をきれいにうつすこと。そこで、黄色みを抑え赤みがより鮮やかになるように光の波長を調節した照明が生まれました。赤が引き立つと料理の色やテリがくっきりと美しくなり、食卓の印象も違ってきます。きっと一目で「美味しそう!」という声が聞かれますよ。
従来の照明
赤みが鮮やかな照明
自然の油が暮らしを優しく照らす。
木などの自然物をそのまま燃やしていた人類が、次にあかりの燃料としたのは「油」でした。いつから用いるようになったのか正確なことはわかっていませんが、数千年前には動物や植物からとった油を燃やすようになったと言われています。
当初は油をお皿に入れ、紐状にした布などを浸して先端に火をつけた簡単なものでした。やがてガラスのホヤ(覆い)やマントル(繊維の発光体)が発明され、より装飾的な形に発展します。日本では、台座をつけて灯台(とうだい)としたり、和紙で囲って行灯(あんどん)としたりしました。煙が少なく長時間灯し続けられる優しいあかりは、19世紀に石油ランプが登場するまでの長い間、人々の暮らしを照らしてきたのです。
