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プロトーク vol.8

専門家のワンポイントアドバイス 家庭菜園編「家庭菜園のヒント@北海道」③

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専門家のワンポイントアドバイス「プロトーク」

家庭菜園のヒント@北海道軟弱野菜・芽もの野菜の作り方

昨年夏の集中豪雨の影響を受けて、北海道の野菜は大きな被害を受けて収穫減となりました。
おなじみのバレイショ、ニンジン、タマネギ、カボチャをはじめ、秋野菜のダイコン、ハクサイ、キャベツなどの大衆野菜は、品不足となり異常な高値となりました。
野菜は健康な体を維持するためには、欠かすことができません。特に日光が少ない冬場は、ビタミン類の不足が風邪などの原因にもなります。今回は家庭で手軽に栽培できて、野菜がないときなどに役立つ軟弱野菜・芽もの野菜の作り方を紹介します。

  • ※軟弱野菜とは、生育途中で完全に熟さない葉や茎を収穫し、利用する野菜。
  • ※芽もの野菜とは、種子の養分だけで生長した葉茎を収穫し、利用する野菜。
【家庭菜園・ガーデニング】長谷川 豊 氏 はせがわ ゆたか
長谷川 豊 氏 はせがわ ゆたか
1941年生まれ、札幌市在住。
NPO法人農業塾風のがっこう理事長。
剣淵高校、標茶高校、岩見沢農業高校の校長を歴任。
2002年に酪農学園大学教授に。2008年より現職。
農業後継者や新たに農業に挑戦したい人、
特に社会的弱者といわれる障害者や高齢者を農業者に育てる活動を行っている。
北海道新聞で<おばんでした 暮らしのレシピ>
「長谷川豊の家庭菜園」を連載中。
著書に「北海道の野菜作り入門」(農業塾風のがっこう)。

軟弱野菜の栽培方法と注意点

最近は、厳冬期でも野菜栽培を楽しもうという方が増えてきました。ホームセンターやオンラインショップなどで販売されている室内栽培用のキットを利用すると便利ですが、栽培の面白さは、なんといっても自分で納得できる安心・安全な培養土を使って育てることです。軟弱野菜を窓際で育てる場合は、3~5リットル程度の培養土で十分です。昨シーズンに育苗やプランターに使った培養土の残りがあれば、それを使って挑戦してみてはいかがでしょうか。

最近人気があるのはパクチョイ、チマサンチュ、ベビーリーフ、さらに定番のミズナ、ホウレンソウ、サニーレタスなど。ミニプランタ-(幅15×深さ15×長さ30cm程度)に培養土を8分目程度まで入れて種をまき、灌水後、窓際に置きます。生育中の水やりさえ気を付けていれば、特別の知識は要らず、3週間ほどで収穫を迎えます。室内ですから天候不順などの心配もなく、いつでも気軽に始められます。
注意点としては、暖房機器の近くに置くのは避けてください。暖房機器の近くは意外と高温になるもの。発芽は25℃、その後の生育は20℃前後の温度を好みますので、近づけすぎると生長が阻害されることがあります。さらに暖房の影響で室内は乾燥しますが、意外に土は水分過多です。灌水は土の表面から2cm程度が乾いてからたっぷりと与えます。

また、観葉植物を室内で楽しむ家庭も多いと思いますが、鉢物などの近くに芽ものなどのプランターを置いておくと、虫や病気の感染が心配なので離しておきましょう。軟弱野菜はサラダなどにして生で食べることが多いので、基本的に農薬の使用は避けたほうが良いです。
育てている野菜をできるだけ日光に当てようと、頻繁にプランターを移動させる方もいますが、その必要はありません。軟弱野菜は1日に数時間、太陽に当てるだけで十分に生育します。

芽もの野菜の栽培方法と注意点

栽培が簡単なのは、芽もの野菜の代表種であるカイワレダイコンや芽ネギ、シソ、アルファルファ、ブロッコリーの新芽、エンドウ豆の若菜である豆苗(とうみょう)、刺身のつまとしてよく使われる紅たでなど。これらの栽培方法は、培地となるキッチンペーパーやスポンジに水を吸わせ、その上に種を重ならないようにまいて、段ボール箱の中などの暗い場所に置くだけ。種が持つ栄養分だけで育ち、1週間から10日程度で収穫できます。
芽ものは、ビタミンやミネラルが豊富で、生で食べる以外に食材としても魅力的です。特に、最近注目されているブロッコリーの新芽は、ビタミンやミネラル、カロチンの他に、抗酸化力・解毒作用があると言われているスルフォラファンが多く含まれています。
芽もの野菜を栽培するうえでの注意点は、室内の温度が20~25℃くらいになると、水が酸素不足になって雑菌が増え、腐敗の原因となりますので、水を毎日取り換えるようにしましよう。
また、カイワレダイコンやブロッコリーの新芽などは、見栄えを良くするための、ちょっとした栽培ノウハウがあります。段ボール箱などに入れて遮光した状態で育て、収獲する直前の1日か2日前に光を当てます。そうすると真っ白い茎の上に緑色の葉が付き、いかにも美味しそうで食欲をそそる野菜を収穫できます。

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