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食べるぽ vol.6

食べて地元を愛すルポ vol.6「しいたけ」

こちらに掲載されている記事の、ポイント獲得・抽選応募期限は終了しております。

食べて地元を愛すルポ「食べるぽ」Vol.6 ひとつの食材をテーマに、産地へ飛んでルポルタージュ。地元ならではの話題からレシピまで、おいしい情報満載!【今月のテーマ】しいたけ【今月のプレゼント】」 【Mission】しいたけに込めた想いを探れ!酪農の町に誕生した新ブランド「想いの茸(おもいのたけ)」。しいたけ栽培への情熱と、そのおいしさで地域を活性化させたい!という人々の想いを探った。

星澤幸子先生の「しいたけ」を食べレシピ

【おいしさのふるさと】酪農の町が生んだ新しい名産品は、しいたけだった。

冬の仕事不足から生まれた「想いの茸」。

標高270mの台地・開陽台から眼下を望むと、牧草地で彩られた大地の先に地平線が見える。ここは北海道の東部、根室管内の中部に位置する中標津町(なかしべつちょう)。人口より乳牛の数の方が多い酪農の町だ。牛乳や乳製品が名産品として知られているが、町を活性化する新たな地域産業資源として、北海道中標津しいたけ「想いの茸」に期待が高まっている。

栽培を始めたのは株式会社日翔の遠藤浩史社長。これまで牛舎の建設など、建築分野で畜産業を支えてきた。しかし北海道では冬期間、畜産関係の仕事が少なくなる。「一年を通して働くことができて、ひいては町を元気にできる事業はないだろうか」と考えていた時に、地元の銀行の紹介でしいたけの菌床栽培を知る。ビニールハウス内で行う菌床栽培は、冬の間も安定した収入と雇用を期待できる。しかも夏の冷涼な気候は、しいたけ栽培に適している。「これだ!」ここから、遠藤社長の挑戦が始まる。

牛乳を出荷するタンクローリーが走るミルクロード。酪農の町を象徴する風景だ。

普通のしいたけはつくらない!という信念。

「何もかもがゼロからのスタートだった」と遠藤社長。何しろ建設会社が畑違いのものをつくろうというのだ。道内のしいたけ栽培農家を訪ねてアドバイスを受け、試しては改良、試しては改良の連続だった。それでも遠藤社長には強い信念があった。「普通のしいたけはつくらない!量より質を追求しなければ、誰も食べてくれない」
試行錯誤の結果、肉厚で身の締まった、味わい深いしいたけ「想いの茸」の生産体制が確立したのは2008年12月のこと。道内外の食のイベントに積極的に出店し、2014年に開催された「第5回なまらうまいっしょ!グランプリ」で、「想いの茸」を使った大判しいたけチーズ焼きが優勝して一躍有名に。現在、地域の産業発展と雇用促進を目指す「なかしべつ菌床栽培協同組合」でも「想いの茸」が生産され、株式会社日翔が栽培指導を行っている。遠藤社長は「中標津と言えばしいたけ、しいたけと言えば“想いの茸”というぐらいのブランドに育てたい」と熱く語ってくれた。

  • 収穫量は年々増加。現在の1日の平均収穫量は700kg~800kg。
  • 全国各地の食のイベントに積極的に参加して「想いの茸」をPR。
  • ●取材協力/株式会社日翔

【地元おすすめスポット】観る、採る、味わう。しいたけ狩りをとことん満喫!

「想いの茸」で雇用の創出と地域の活性化を目指す。

しいたけ狩りができると聞いて、なかしべつ菌床栽培協同組合に向かう。到着すると、なんとそこは小学校だった。廃校となった小学校の敷地を再利用して、2015年に農業企業5社が協同して設立。「想いの茸」を一躍有名にした株式会社日翔も出資会社のひとつで、その栽培指導を受けながら、菌床栽培しいたけの生産・販売、さらに観光体験も行っている。しいたけの生産作業が比較的簡易であることから、高齢者や障害者の就労も可能で、中標津町の雇用創出、地域活性化の一助になることを目指している。

廃校跡地を再利用して建てられた菌床センター(手前)と栽培棟

さっそく、しいたけ狩りに挑戦!いっぱいあり過ぎて迷いながらも、一番大きいと思われるしいたけをハサミでチョッキン。すると、案内してくれたスタッフの川村斗史亜さんが「かさが閉じていて、肉厚のものがおいしいですよ」としいたけの選び方を教えてくれた。採ったしいたけは七輪で焼いて食べることができる。かさにマヨネーズを塗り、チーズを載せ、こんがり焼けたら出来上がり。とても簡単!しかもジューシー!菌床栽培しいたけの生育過程がつぶさにわかり、採れたてを味わえるなかしべつ菌床栽培協同組合。中標津町に行った時は、ぜひ立ち寄っていただきたい。

  • 「自分で採ったのを早く食べたい」としいたけ狩り参加者。
  • どれを採るか迷うほどハウスの中はしいたけがびっしり。
なかしべつ菌床栽培協同組合
【住所】北海道標津郡中標津町字開陽24線北88番地2
【お問い合わせ】TEL 0153-74-2750
【体験料金】一人1,000円(税込)
※しいたけの持ち帰りは一人500gまで
※事前予約必要 ※体験所要時間約90分
【営業時間】●1回目/10:00~ ●2回目/13:00~
なかしべつ菌床栽培協同組合

【地元限定アイテム】先進のエコハウスで、じっくり育つ「想いの茸」。

ハウスは二重構造、温度管理はヒートポンプで。

中標津町の中心部から車で約15分。牧草地や畑が広がる風景の先に、ビニールハウスの連なりが見えてくる。「想いの茸」を生産・販売している株式会社日翔・中標津しいたけ生産センターだ。20棟の培養・栽培ハウス(幅8m、奥行30m)は、二重構造にして空気層をつくり、断熱性を高めている。「しいたけは寒さに弱いんです。常に秋のような気候を人工的につくり出しています」と遠藤浩史社長。温度管理を担うのは、二酸化炭素を排出しないヒートポンプ式の暖冷房設備。「想いの茸」は、地球に優しい環境で育つエコしいたけなのだ。

  • 地球環境に優しいヒートポンプ式暖冷房設備で温度管理。
  • 菌床は菌床センターで自社製造している。

厚く大きなかさの秘密は、水やりにあり。

しいたけの約80%は水分だという。それゆえ、しいたけ栽培では散水がその品質を大きく左右する。「想いの茸」に使用されている水は、北海道百名山の一つに数えられている武佐岳(むさだけ)から湧き出る、ミネラル豊富な天然水。だからといって、水をたっぷり与えるわけではない。しいたけは散水による刺激で成長するが、負荷をかけすぎないように、あえて散水を抑えている。量を追求するのではなく、長くじっくりと育てることで、かさの厚みも大きさも通常の2倍もあるしいたけになるのだ。実際に食べてみると、味は濃厚でしっかりした歯ごたえ。年々高まる人気の理由がここにある。

  • 厳選「想いの茸」 贈答用木箱(大・1.2kg)4,980円(税込)
  • 「想いの茸」乾しいたけ(スライス/丸・50g)各550円(税込)
株式会社 日翔
中標津しいたけ生産センター
【住所】北海道標津郡中標津町字俵橋1398番地
【お問い合わせ】TEL 0153-72-3226
【営業時間】10:00~17:00
【定休日】土曜・日曜
【ホームページ】http://omoinotake.info/
株式会社 日翔 中標津しいたけ生産センター

【ご当地グルメ】「想いの茸」を愛する店のモットーは“地産地消”。

メニューでわかる、大将の地元愛。

「想いの茸」を看板メニューにしている店があると聞いて、中標津町の中心部に向かった。「炙りや達磨(あぶりやだるま)」だ。ドアを開けると、大将の伊藤貴之さんが出迎えてくれた。店内は焼き場の前に設けられたカウンター席と、掘りゴタツになっている5つの個室、2階には宴会ができる団体席がある。ゆったりできる個室は、子ども同伴の家族客に人気だ。

本日のおすすめボードに「想いの茸チーズ炙り」の文字。

身の厚さと食感に惚れて、「想いの茸」を6年前の開店当時から使っているという。料理を注文して出てきたのは、「想いの茸チーズ炙り」「想いの茸ベーコンホイール包み焼き」「想いの茸フライ」の3品。料理名にしっかり「想いの茸」が付いているところに、地元素材への愛着を感じ取れる。「うちは地産地消がモットー。地元愛です!」と大将。確かに「想いの茸チーズ炙り」に使っているゴーダチーズも中標津産だ。メニューを見ると地産地消のこだわりがうかがえる料理が並んでいる。中標津特産のジャガイモ「伯爵の炭火炙り(1個324円、税込)」に「なかしべつ牛乳男前ジョッキ(648円、税込)」(なんと800㏄!)など、「炙りや達磨」のメニューには、地産地消のこだわりがあふれている。

  • 中標津産のゴーダチーズを使った「想いの茸チーズ炙り…324円(1個、税込)」とビールのつまみにピッタリの「想いの茸ベーコンホイール包み焼き…540円(税込)」。
  • 衣の中に旨味が詰まった、ジューシーな「想いの茸フライ…270円(税込)」。
炙りや達磨
【住所】北海道標津郡中標津町西2条北1丁目
【お問い合わせ】TEL 0153-73-1129
【営業時間】17:00~24:00
【定休日】不定休
炙りや達磨

星澤幸子先生の「しいたけ」を食べレシピ

しいたけと柚子の香りがベストマッチ。焼きしいたけの柚子おろし

焼きしいたけの柚子おろし
材料(4人分)
しいたけ 大4枚
しょうゆ 少々
大根 200g
大さじ1杯
てんさい糖 大さじ1/2杯
少々
ゆず 1/2個
  1. しいたけは石づきを取りサッとすすいで、強火で魚焼きグリルかオーブントースターで軽く焼きます。食べやすい大きさに手で裂き、しょうゆをまぶします。
  2. 大根はすりおろしてサッと水気を切り、調味料を加えます。
  3. ゆずは、皮のみを薄くそいで千切りにします。
  4. 全ての材料をさっくり和えていただきます。
星澤先生のココがポイント!
ポイント1
しいたけの焼き加減は、少し焦げ目がついてしんなりするくらいに。包丁で切らずに手で裂き、表面積を増やして味がしみやすくします。

しいたけをサクッとした食感で味わう。しいたけカツ

しいたけカツ
材料(4人分)
しいたけ 8枚
片栗粉 少々
豚ひき肉 150g
長ねぎ 1/2本
調味料
しょうゆ、酒 各小さじ1杯
塩、コショウ 各少々
小麦粉、水 各少々
パン粉 適量
揚げ油 適量
 
とんかつソース 大さじ2杯
しょうゆ 小さじ2杯
  1. しいたけはサッとすすいで石づきを取り、軸はみじん切りにします。長ねぎもみじん切りにします。
  2. ポリ袋に豚ひき肉、しいたけの軸、長ねぎ、調味料を入れ、粘りが出るまでよく練ります。しいたけの裏側に片栗粉少々をふるい、ひき肉などが入ったポリ袋の角を切って8等分に絞り出します。
  3. 小麦粉と水を混ぜた衣、パン粉の順につけ、中温の油でゆっくり揚げます。
  4. 縦に食べやすく切り、とんかつソースとしょうゆを合わせたソースをつけていただきます。
星澤先生のココがポイント!
ポイント1
盛りすぎると火が通りにくくなるので、ポリ袋から絞り出す時は注意しましょう。

おいしく保存して使い回しできる。きのこのオイル漬け

きのこのオイル漬け
材料(4人分)
しいたけ・しめじ 各1パック
えのき茸 小1袋
少々
しょうゆ 大さじ1杯
オリーブオイル 大さじ5杯
黒コショウ(粒) 少々
たかのつめ 1本
  1. きのこ類はサッとすすいで石づきを取ります。しいたけは5mmの厚さに切り、しめじはほぐし、えのきは半分の長さに切ってほぐします。
  2. 鍋に湯を沸かして塩少々を入れ、一種類ずつ入れて軽く湯通しして水気を切ります。しょうゆ、塩少々を全体にまぶして保存容器に入れます。粒のままの黒コショウ、種を取ったたかのつめ、オリーブオイルを加えます。
    ※冷蔵庫で5日間程度保存が可能です。
星澤先生のココがポイント!
ポイント1きのこを湯通しする時は、5秒くらいでさっと引き上げます。
ポイント2そのままでもおいしいですが、豆腐やパン、パスタなどに載せるなどいろいろな料理にアレンジできます。
星澤幸子先生 プロフィール
北海道南富良野町生まれ。星澤クッキングスタジオ 主宰。
札幌テレビ初の夕方のワイド番組の放送開始から毎日生出演し、料理を紹介して26年。
紹介数は6,300品にのぼる。それによるギネス記録保持者であり、自己の記録を更新中。
北海道の食材にこだわり、誰にでも作れる手軽な料理を紹介して、独自のスタイルを確立し中高年の主婦を中心に、幅広い世代から支持を得ている。
星澤幸子先生
【今月のプレゼント】

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