家電の神髄 vol.9
家電の神髄 vol.9 火を使わず、電気で加熱する「IHクッキングヒーター」
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- Vol.09
火を使わず、電気で加熱する。IHクッキングヒーター -
- 三菱電機
- びっくリングIH PT316Hシリーズ
毎日、必ず食事をする私たちにとって、加熱調理は生活の基本。火を使うのが当たり前だった調理機器の世界に、彗星のごとく現れたのがIHクッキングヒーターです。
電気で温めるIHは、見た目も機能もスマート。最新機種は簡単で安全に扱える上に、火にも負けないほど高火力が出せるようになっています。今回はIHクッキングヒーターの歴史をご紹介します。
人間は、火を使う調理道具を編み出した。
私たち人類は原始時代から、仕留めた獲物の肉や釣った魚、獲った貝や山菜などを工夫を凝らしながら食べる生活をしてきました。中でも調理に不可欠だった火は、火山や落雷など自然に発生したものから手に入れたのが始まりと考えられ、石器時代には自ら火を起こして利用していたようです。
たき火はやがて、石炭や木炭を熱源にした七輪やかまどに進化しましたが、着火や火力調整にはコツが必要で、大変手間がかかるものでした。近代になってから、マッチ一本で点火できるガスコンロが発明され、次第に点火から火力調整までがつまみ一つで操作できるようになったのです。
火を使わない新時代の調理器、誕生。

昭和30年代になり、“火を使わずに熱する方法がないか”という研究が始まります。道具を直接温めるシーズヒーターや、ランプの放射熱を使ったハロゲンヒーターが登場しましたが、温めるまで時間がかかったり、ランプの寿命が限られていたりと機能面に一長一短があったそう。
そんな中、昭和46(1971)年に、磁力線を利用して鍋を発熱させる電磁誘導加熱式調理器(IHクッキングヒーター)がアメリカで誕生します。そのアイデアを受け、国内の研究にも火が付きます。昭和49(1974)年、いち早く三菱電機が「電磁誘導加熱調理器CS-130A」を完成させました。しかし、当時はワゴン台に1口を設置することがやっとという大きなもの。実用レベルを目指し、研究者たちは小型化と高火力化を目指し探求を続けたのです。
火のように高火力、火よりも安全で便利に。

技術の進歩によって小型化が成功し、家庭のキッチンの標準サイズに収まるサイズになりました。そして平成10(1998)年、ついに現在の機器のモデルとなる三口タイプ「IHクッキングヒーターCS-A32B」が発売されます。3口のうち一つは、1リットルの水を約2分で沸かせる3kWの高火力ヒーターを搭載。加えて、ビルドインが可能ということで、一般家庭から大きな注目を集めました。
焼きムラや吹きこぼれを抑える、均一加熱。

日本初のIHクッキングヒーターが誕生してから43年。ガスが主流だったキッチンに、今では新たな選択肢としてIHが受け入れられています。デザインや機能も格段に向上した最新タイプの「PT316Hシリーズ」では、精密な火力調整が可能になりました。加熱を均一にすることで焼きムラを抑えて調理ができるようになり、鍋の焦げ付きや吹きこぼれなどを自動で防止。最適な温度で加熱し続けることで、食材のおいしさをより引き出してくれます。
グリル機能もIH、食材の火入れも簡単。

コンロ下にあるグリルもIHに対応したことで、今まで難しかった調理も簡単にできるようになりました。熱風を使った調理で、焼き魚はもちろん、唐揚げやフライドポテトなどを油を使わずに揚げることが可能に。庫内も広くなり、大きなパンや肉を丸ごと焼いたり、クッキーやケーキといったお菓子作りなどにも活用できます。焼き加減を確認しやすい庫内の照明や煙を抑える補助機能もパワーアップし、使いやすくなりました。
スマートな形が、料理と手入れを楽にする。

シンプルな形状のIHは、とろ火から強火まで段階ごとに切り替えることができ、火力レベルが目に見えるのも特長です。また、料理に合った加熱モードが用意されているため、熱の加減が難しい料理も正確にできます。使用後は、布巾で一拭きできるトッププレート仕様で掃除がしやすく、常に清潔に保つことができるのです。
シンプルなデザインの中に詰め込まれた技術が、火を使わない安全性と火にも負けない高火力を実現してくれました。これからも次々と進化していく機能によって、私たちの食生活はより豊かになっていくことでしょう。
- ●取材協力:三菱電機株式会社
- ●記事提供:株式会社あるた出版
- ※「家電の神髄」は、月刊情報誌「O.tone」誌面内でも連動して掲載中。
雑誌では発売当初の製品にスポットを当てて紹介しています。
- 製品情報
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三菱電機/びっくリングIH PT316Hシリーズ
- トッププレート幅
- 75cmワイドトップ
- 外形寸法(mm)
- 748×553×231
- 質量(kg)
- 約27
- 最大火力(kW)
- 左右3.0・中央1.5・グリル1.8
- 定格電圧(V)・消費電力(kW)
- 単相200・5.8 ※1
- 火力調整(段階)
- 左右16・中央5・グリル5
- 上面操作
- ガラスタッチ式
- ※1 合計消費電力量を超える使用の場合は、自動的にヒーター火力を調節します。