家電の神髄 vol.12
家電の神髄 vol.12 豊かな風味を作り出す「コーヒーメーカー」
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- Vol.12
豊かな風味を作り出すコーヒーメーカー -
- パナソニック株式会社
- 沸騰浄水コーヒーメーカー
「NC-A56」
独特な苦味と香ばしい香りが魅力のコーヒーを、喫茶店や専門店、手軽なインスタントなどで日々楽しんでいる人も多いはず。今回ご紹介するのは、家でも簡単にお店の味を楽しめるようにしてくれたコーヒーメーカーです。豆本来の味を引き出すために進化した工夫や機能を見ていきましょう。
アラブ地方から広まった、魅惑の味
13世紀にアラビア圏で眠気覚ましや気分を高揚させる薬用として使われていました。15世紀末になると焙煎によって嗜好品として認知され始め、専門店が誕生。コーヒーの評判は、国や宗教の壁を越えてヨーロッパやアメリカ、ブラジルなどに広がり、その後、日本にも伝わってきました。文化元(1804)年に初めてコーヒーを飲んだ大田南畝は「焦げくさくして、味ふるに堪えず」と感想を残しています。
当初はそんな風味に驚いた日本人でしたが、西洋化が進む時代背景や貿易の自由化も手伝い、コーヒー豆の輸入量は年々増加。19世紀末後半から20世紀前半にかけては、喫茶店や専門店が次々と開店するブームが起きました。
国産コーヒーメーカーが習慣を変えた

ところが家庭内で飲む習慣は定着せず、ドリップ式やエスプレッソマシーンなどのコーヒーメーカー市場は海外製が6割近く占めた状態に陥っていたそうです。
1970年代、すでにコーヒーメーカーを手がけていた松下電器産業株式会社(現 パナソニック株式会社)が、その現状を打開するために研究を強化。そして、昭和53(1978)年に「キャリオカ NC-453」を発売しました。丁寧にハンドドリップするように、豆全体にお湯が行き渡るドーム型の仕組みを搭載。お湯が吹き出る様子が見える面白さや、本格的な味が手軽に楽しめることから一躍人気となり、家庭でコーヒーを飲む習慣を広めたのです。
その後、より作業をスマートにしたのが、昭和60(1985)年に発売された「コーヒーメーカー NC-A1」です。これまでは別工程だった豆挽きの機能を内蔵し、コーヒーを淹れるところまで全自動化しました。
おまかせで作る、本格的な味

国産コーヒーメーカーの礎が出来てから40年。現在、国民一人あたりが1週間に飲むコーヒーは11.09杯(平成28年度ICO調べ)となりました。火付け役となったキャリオカの技術を受け継いだ平成26(2014)年発売の「NC-A56」は、さらなる進化を遂げています。代名詞とも言える見えるドームを継承しながら、豆を挽く機能からミルの洗浄までを行う全自動機能を搭載。その上、置く場所を選ばないコンパクトなフォルムになりました。
豆の風味を余すところなく

“苦味が好き”“酸味が好き”“クリアな後味が好き”など、好みは人それぞれ。しかしコーヒーの味は、挽き方や淹れ方ひとつで風味が変わる繊細な作業が求められます。そこで、内蔵されたコースと付け替え可能なフィルターを組み合わせることで、簡単に好みの風味に変えることができるようになりました。例えば、中細挽きのマイルドコースではコクと苦味のバランスが良くなり、粗挽きのリッチコースでは後味が良くなるなど、豆が持つ本来の風味を最大限に引き出します。
さらなるうまさは、水と保温が鍵
コーヒーの味わいは、水の質でも変化します。家庭の水道水は、主に軟水。そのままでもおいしく仕上げることができますが、よりよい味を求めるのなら塩素臭(カルキ臭)を抑えることがポイントになります。あらかじめ本体内の沸騰させたお湯を活性炭フィルターに繰り返し通すことで、臭みを大幅に軽減。コーヒー豆本来の香りを抽出できるようになりました。
そして、人がうま味を感じられる温度はおよそ60度。熱すぎず、冷たすぎずの温度を保つ保温機能が付いており、長時間淹れたてのおいしさが味わえます。
使い終わるまでが全自動

ミルの構造部分の手入れも、おいしいコーヒーを淹れるために重要な要素です。本体や刃の周りに粉末が付いたままにしておくと、機械の故障や酸化して味を劣化させる原因になりかねません。
本製品は、コーヒーの抽出開始と同時に自動で洗浄機能が作動し、常に清潔な状態を維持します。一度に大量に豆を挽く人やさまざまな種類の豆を楽しみたい人にとって、定期的なメンテナンスが非常に楽になりました。
香り豊かなコーヒーは、私たちに特別な時間を与えてくれます。さまざまな人々のこだわりに応えるべく、これからもコーヒーメーカーは進化を続けてくれそうです。
- ●取材協力:パナソニック株式会社
- ●記事提供:株式会社あるた出版
- ※「家電の神髄」は、月刊情報誌「O.tone」誌面内でも連動して掲載中。
雑誌では発売当初の製品にスポットを当てて紹介しています。
- 製品情報
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パナソニック株式会社/沸騰浄水コーヒーメーカー「NC-A56」
- 寸法(幅×奥行×高さ)
- 22.0cm×24.5cm×34.5cm
- 容量
- 5カップ(670ml)
- 質量
- 2.9kg
- 消費電力
- 790w