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家電の神髄 vol.11

家電の神髄 vol.11 手作りを楽しく快適に「家庭用ミシン」

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家電の神髄―日進月歩は止まらない!のぞいてみたい、家電の今、昔。―

Vol.11
手作りを楽しく快適に、家庭用ミシン
蛇の目ミシン工業
刺しゅう機能付きコンピュータミシン
「セシオ14000」

私たちが普段から身に着けている衣服。今でこそ既製品がたくさん販売されていますが、その昔は布を買い、自分で縫うことが当たり前でした。今回は、地道な手縫い作業を快適にし、ファッションの可能性を広げたミシンの歴史を紹介します。


手作業を機械化して短時間に。

衣服がいつ頃から存在していたのかは、いまだに分かっていません。しかし、2万年前には動物の骨を加工した縫い針と植物の繊維を使った糸を使い、毛皮や布を縫い合わせていたと言われています。そして民族ごとに個性豊かな衣装が生まれ、いつしかファッションという考えが誕生しました。
裁縫の世界に革命を起こしたのが、16世紀後半にイギリスで発明された靴下を編む裁縫機械です。この発表をきっかけに、アメリカやドイツ、フランスがこぞって研究をはじめ、19世紀にようやく現在のミシンの構造を完成させました。
海外からの輸入に頼っていた日本も、大正10(1921)年に国内生産に成功。パイン裁縫機械製作所(現 蛇の目ミシン工業株式会社)が、直線縫いができる小型手廻し式ミシン「パイン500種53型」を発売しました。価格は昭和5(1930)年時点で30円(当時の大卒銀行員の初任給はおよそ73円)と海外製品よりも安く販売することで、家計の節約や女性の新たな収入源として注目を集めたのです。


メイドインジャパンのミシン誕生。

家庭への普及が進むにつれて、足元のペダルを踏むと縫うスピードが調整できる「足踏みミシン」が登場します。中には、ミシン部分を収納するとテーブルに早変わりするという使い勝手を重視したタイプがあり、各家庭のスタイルに合った形が人気を呼びました。
その後、ミシンを電気で動かすモーターの外付けタイプが開発され、昭和46(1971)年には国内初となるモーター自体を内蔵した電動ミシン「ジャノメトピア」が世に出回り始めました。技術の進歩とともに、高性能で近代的なデザインを兼ね備えたミシンが、人々から求められるようになっていきます。


初心者でも素早く安全に操作可能。

国産ミシンが誕生してから97年経った今、さまざまな機種が登場し、機能や性能は目覚ましい進化を遂げています。ボタン一つで簡単に針穴まで糸を通すことが可能になったり、コツがいる糸調子を自動調整してくれたり、縫い終わりの糸切りを自動で行ってくれたりと、ひと手間だった作業を解消。最新機種では、コンピューターシステムを搭載し、液晶タッチパネルで縫い目の細かさや幅などを画面上で確認・選択ができるようになりました。動作中に不具合が生じた時は、すぐに音やメッセージで通知してくれるため、慌てずに操作ができます。


用途を選べば、縫い方を自動調整。

ファスナーやボタン付け、しつけ縫いなど、用途に応じて縫い方が異なります。これまでは、自分でステッチなどを選ぶ必要がありましたが、今はコンピューター内に設定された用途を選ぶだけで、ステッチや糸調子などを瞬時に調整してくれる機能も加わりました。さらに、さまざまなステッチを内蔵しているため、実用縫いのシンプルな模様から、花や幾何学などの飾り模様まで数百種類の中から、自分好みのパターンを組み合わせて縫うことが可能です。


繊細で多彩な刺しゅうを自動で再現。

裁縫の中でも刺しゅうは緻密な作業のため、手作業ではかなりの時間が費やされていました。ミシンに布をセットすればデータ通りに仕上げてくれる機能も備わり、誰もが家庭内で刺しゅうを楽しめるようになったのです。ひらがなやカタカナ、アルファベットの文字刺しゅうをはじめ、豊富なデザインを内蔵。その上、自分が作成したデザインや専用サイトからダウンロードしたデザインを追加することも可能で、液晶画面で色や大きさを調整することもできます。


快適な使い心地が、裁縫を楽しくする。

他にも、本体のコンパクトさを維持しつつ、大きな布を縫う時に手狭になりがちだった手元のスペースを拡大。ベッドカバーやキルトなど大きな作品でも楽に縫えるようになりました。さらに、種類や厚みの違う布同士を縫い合わせる時はセンサーが感知し、布を抑える圧力を自動調整してズレを防ぎます。

これからも快適な進化を続けるミシンの技術が、家庭での手作りをさらに楽しくしてくれることでしょう。


  • ●取材協力:蛇の目ミシン工業株式会社
  • ●記事提供:株式会社あるた出版
  • ※「家電の神髄」は、月刊情報誌「O.tone」誌面内でも連動して掲載中。
    雑誌では発売当初の製品にスポットを当てて紹介しています。
製品情報

蛇の目ミシン工業/刺しゅう機能付きコンピュータミシン「セシオ14000」

本体サイズ
幅624×奥行262×高さ320mm
(刺しゅうユニット取り付け時:幅624×奥行375×高さ320mm)
ソーイングスペース
120×280mm
重量
15.8kg(刺しゅうユニット取り付け時:19.3kg)
使用電圧
100V 50/60Hz
内蔵ステッチ数
400種類
刺しゅうデザイン数
350種類

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