家電の神髄 vol.10
家電の神髄 vol.10 ブラウン管から液晶へ、モノクロから8Kへ。「テレビ」
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- Vol.10
ブラウン管から液晶へ、モノクロから8Kへ。テレビ -
- シャープ
- AQUOS 8K〈LC-70X500〉
もはや、テレビがない時代の生活を想像することさえ難しくなりました。街頭の小さなモノクロ画面を人々が押し合いへし合いしながら眺めたのは65年前。やがて、家庭になくてはならないものになり、今や鮮明な大画面を楽しむ時代。今回は、目覚ましい進化が止まらないテレビの歩みをご紹介します。
街頭テレビに心を躍らせたあの頃。

1897年、ドイツの物理学者が電気信号を映像に変換する可能性を持つブラウン管を発明。20世紀初めには各国でテレビジョンの研究が始まりました。日本では電気工学者の高柳健次郎らが開発に着手。昭和元(1926)年12月25日、「イ」の文字をブラウン管に表示することに成功しました。当時としては驚くほど鮮明な映像でした。
昭和14(1939)年にはNHKが実験放送を実施。戦争による研究中止を経て、昭和28(1953)年2月に本放送が始まります。シャープではラジオと航空用無線機の技術を生かし、国産第1号テレビの開発に成功。本放送開始直前に発売しました。価格は当時の高卒初任給の約32カ月分という高価なものでしたが、街頭に設置されたテレビには多くの人々が集まり、プロ野球、プロレス、 大相撲などの放送に熱狂したのです。テレビが一般家庭に普及し始めたのは、昭和34(1959)年の皇太子(今上天皇)ご成婚がきっかけでした。
家庭の団らんの中心として進化を続ける。

急速な普及に歩調を合わせるように、テレビの技術は進化します。昭和35(1960)年9月にカラー放送が始まりました。大会史上初めての衛星中継が行われた昭和39(1964)年の東京オリンピックでは、開・閉会式、バレーボール、柔道など一部競技がカラーで放送され、その映像の美しさに世界が驚嘆。日本のテレビ技術は高く評価されました。年間数千台規模だったカラーテレビの販売台数は、オリンピックの年には57,000台に増加。翌年には10倍近い520,000台、さらに翌年には1,280,000台を数えるほどになりました。
その後もチャンネルの画面表示機能、裏番組を小さな画面で表示する機能、着脱式リモコンなど、さまざまなニーズに応える製品が登場。テレビはいつしか、家庭の団らんの中心を占めるようになりました。
平成3(1991)年には、シャープがいち早く「夢の壁掛けテレビ」と呼ばれた8.6型液晶テレビの開発に成功。デジタルハイビジョン放送が開始されると、液晶テレビは高精細・高画質を競い合うようになります。
さらなるリアリズムを追求する「8K」。

テレビ本放送開始から65年。今年12月には現在のハイビジョンの4倍の解像度を持つ「4K」、16倍の解像度を持つ「8K」の実用放送が始まります。これに先駆け、8K対応液晶テレビが発売されました。8K放送の解像度は7,680×4,320。大画面でも精細な映像を表現し、かつてない映像体験が可能となります。現行のハイビジョンでは表現できなかった究極のリアリズムを追求し、肉眼では捉えきれないきめ細やかな映像を再現します。実物が目の前にあるような「臨場感」や「実物感」、物体の奥行や膨らみなどの「立体感」をリアルに感じることができます。
4Kや2K映像も8K解像度にアップコンバート。

4K放送や地上デジタル放送、ブルーレイソフトの映画なども、最新機種では8K解像度にアップコンバートして楽しむことができます。せっかくの8K対応テレビで、解像度の低い画面を単に拡大して映し出すのでは意味がありません。輪郭や細部を鮮明に描写する高精細化処理を行います。現行のハイビジョン(2K)を8Kの画面にするために、16倍のデータ処理を行うのです。同時に、映像の輝度と色情報を高め、再構成することでより細やかな輪郭を表現。階調補正で高品位な解像度変換を実現しました。
コンテンツ本来の色を忠実に、豊かな色を色鮮やかに。

高精細の映像を大画面で楽しめるようになると、気になるのがノイズや色表現の粗さ。そのため最新機種では、ノイズの低減を図ると同時にコントラストや色を自動補正する機能も内蔵。デジタル放送などの圧縮された映像情報のオリジナルフレーム解析と、前後フレーム解析を組み合わせることでノイズを抑え、すっきりとした高精細映像を作り出します。
また、8K・4K放送で採用された色域に迫る豊かな色彩表現を実現。コンテンツのもつ色情報を、忠実にディスプレイの色再現領域にマッピングする新技術により、色の透明感や映像全体の奥行き感を高め、より本物に迫るリアルな映像を再現します。
映像の輝きまでを復元する技術も。

さらに、画面のエリアごとにLEDバックライトの輝度制御をきめ細かく行うことで、光や光を受けて反射する部分の輝きを映像信号から解析し、そのエリアにあるLEDバックライトの輝度を周囲よりも高めることで、輝きを復元する映像補正も行います。
より大きく、美しく、きれいに。テレビの進歩からますます目が離せません。
- ●取材協力:シャープ株式会社
- ●記事提供:株式会社あるた出版
- ※「家電の神髄」は、月刊情報誌「O.tone」誌面内でも連動して掲載中。
雑誌では発売当初の製品にスポットを当てて紹介しています。
- 製品情報
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シャープ/AQUOS 8K〈LC-70X500〉
- 画面サイズ
- 70V型 153.9cm×86.6cm/対角176.6cm
- 画素数
- 7,680×4,320
- 消費電力
- 約470W
- 年間消費電力量
- 268kWh
- 外形寸法
- 幅×奥行×高さ
(ディスプレイ+スタンド部)156.4cm×37.5cm×96.7cm
(ディスプレイ部)156.4cm×9.2cm×91.0cm - 本体質量
- (ディスプレイ+スタンド部)約45.0kg(ディスプレイ部)約42.5kg