インドネシア「千年の眠りから目覚めた仏の世界 ボロブドゥール」
バカンスのススメ 非日常の世界に遊ぶ vol.9
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インドネシアのジャワ島中央部、熱帯雨林とメラピ火山などの山々に囲まれた世界最大の仏教遺跡、ボロブドゥール 。密林のなかで火山灰に埋もれたまま眠っていた仏教寺院は、この地に栄えたシャイレーンドラ朝時代の770~820年頃に築かれたとされる。しかし、完成後に王朝共々、忽然と歴史舞台から姿を消し、その後イギリスのジャワ副総督であったトマス・スタンフォード・ラッフルズによって1814年に発見されるまで存在すら忘れ去られていた。そんな数奇な運命を持つボロブドゥールは、今も謎多き遺跡として訪れる者のロマンを掻き立てる。


ボロブドゥールの魅力は、ミステリアスなだけではない。ピラミッド状に積み上げられた約200万個もの安山岩のブロックは、基壇をベースに方形壇が5層続き、その上にストゥーパ(仏塔)が林立する3層の円形壇が続く。これは「三界」と呼ばれる仏教世界の「欲界」「色界」「無色界」を示す。さらに頂上の巨大ストゥーパを中心にボロブドゥール自体が、仏教における宇宙観を示す立体曼荼羅を表現する構造となっている。


そんなボロブドゥールは通常の寺院とは異なり、建物内部に入ることはできない。その代わりに、基壇から右回りに登っていくことで、仏教心理へと到達するとされている。また回廊に刻まれたレリーフは、欲界を意味する基壇には分別善悪応報経をもとに煩悩に支配された人々のレリーフが続く。色界となる方形壇では、釈迦の生涯や、仏教説話など1460面にも及ぶ浮彫彫刻が並ぶ。その様は屋根のない美術館そのもので、素晴らしい芸術作品としても鑑賞できる。

無色界となる円壇には、72基の釣鐘型のストゥーパが、頂上にある大ストゥーパを中心に取り巻き、それぞれのストゥーパには仏坐像が安置され、格子の間から、わずかにその姿を見せている。ここは悟りの末に到着する無の世界を意味し、これら全てが仏の世界を表現する最高峰の仏教芸術といっても過言ではない。ミステリアスかつアーティスティック。ボロブドゥールは完璧の美を揃えているように見えるが、実は未完成のまま安置された仏坐像が見つかっており、これによりボロブドゥール自体も未完成だという見解もある。未完成ゆえに永久を願ったのだろうか。そんな想像に掻き立てられる。
ボロブドゥール遺跡を望む癒やしのリゾート
〈 プラタラン ボロブドゥール リゾート&スパ 〉


青々と茂るチークの木の森に佇む「プラタラン ボロブドゥール リゾート&スパ」。テラスからは視界いっぱいのジャングルと静かに噴煙をたなびく雄大なメラピ山、そしてボロブドゥールを望む。近年、ボロブドゥール人気に拍車を掛ける要素のひとつが、プラタランを始めとする自然豊かなこの地に誕生したリゾートホテルだ。都会の喧騒から隔絶された空間で、緑とボロブドゥールに抱かれた時間の流れに身を任せたい。
( AM 4:30~ )絶景を堪能する


ここでの楽しみのひとつが、サンライズをボロブドゥールで迎えることだ。プラタランでも「The Glory of Borobudur」というツアーが開催されている。リゾートとボロブドゥールは車で10分ほどの距離。いつもより少しだけの早起きすればいい。
午前4時30分、専用車でボロブドゥールに向かい、専任のガイドとともにボロブドゥールの円壇を目指す。しばらくすると正面にあるメラピ山が色づき、ストゥーパや座禅仏がシルエットとなって浮かび上がった。そして山の稜線から朝陽が顔を出す直前、目に見える全てを染め上げた。この神々しくも平和なる風景は、まさに絶景のなかの絶景といえるだろう。
( AM 8:30~ )緑のなかの朝食


神秘の光景と仏の世界を見学したら、リゾートに戻って少し遅めの朝食を。ジャワ伝統のテラスルームで、正面にボロブドゥールを眺める緑に囲まれたベストロケーションは、まるで王族になった気分。リゾート内で栽培されたオーガニック野菜で作るその土地ならではの朝ごはんやインターナショナル料理を、絶景を眺めながらじっくり味わう。
( Noon )ヴィラで過ごす、何もしない贅沢


周囲の自然に溶け込むように点在するヴィラは全部で6カテゴリー。そのほとんどが伝統的なジャワ建築の家屋を移築し、プライベートプールやテラスなどラグジュアリーな要素を取り入れて改装したヴィラとなる。独自の伝統と文化を最大限に活かした心地よい空間で、心身をゆったりと休める。やさしい風が眠りを誘う。
( PM2:00~ )至福のスパ
午後の時間の使い方は多種多様だ。ホテル主催のアクティビティーに参加するのもいいだろう。早朝のボロブドゥール見学で消耗した体力をリチャージする「Padma Spa」は、格別なひと時となる。シグネチャー・トリートメントをはじめ、100段の階段を上った足腰には王家に伝わる「Java Nadi」もお勧めだ。大きなピクチャー・ウィンドウから望むボロブドゥールと共に、たっぷりと至福のひと時を過ごしたい。
( PM7:00~ )洗練されたダイニングで、伝統料理を食す


照りつける南国の日差しも弱くなる夕刻、コロニアル調のメインダイニング「Patio Venue」では、インドネシアの食材に熟知したシェフによるジャワ伝統料理を楽しむ時間となる。ジャワの米や香辛料、海と山の幸など豊かな食材を使ったディナーでは、インドネシア伝統のオックステールのスープ「Sop buntut」に始まり、シェフの腕が光るインドネシア創作料理でゲストをおもてなし。
美しい景色や卓越したおもてなし、圧倒的な非日常の空間でゲストを迎えてくれる「プラタラン ボロブドゥール リゾート&スパ」。ここはまさに、現代における俗界を離れた桃源郷だ。
Plataran Borobudur Resort & Spa
(プラタラン ボロブドゥール リゾート&スパ)
【住所】
Dusun Tanjungan, Borobudur, Magelang Central Java 56553, Indonesia
【チェックイン】
14:00~
【ホームページ】
https://www.plataran.com/hotels-resorts/plataran-borobudur
Information about Borobudur
ボロブドゥールへのアクセス
札幌(新千歳)から東京(成田)で乗り継ぎ、ジャカルタ スカルノ・ハッタ国際空港へJAL便が毎日運航。ジャカルタよりジョグジャカルタアジスチプト国際空港まで約1時間20分のフライト後、バス約1時間30分でボロブドゥールへ。
Information about JAL
東京(成田)―ジャカルタ線 毎日2便好評運航中!
インドネシア・ジャカルタには、成田より毎日2便が好評運航中。お客さまのスケジュールに合わせて、ご出発・ご到着の便をお選びいただけます。
いずれの便もひとクラス上の最高品質をご体感いただける「JAL SKY SUITE 787」での運航です。また、10月28日よりガルーダ・インドネシア航空とのコードシェア便を開始。ますます便利で快適な日本航空便をご利用ください。
Information about SKYWARD
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