あなたのまちのエナジースポット巡り旅 vol.9
あなたのまちのエナジースポット巡り旅 vol.9「余市とニセコエリアの旅<前編>」
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北海道の月刊情報誌「HO(ほ)」が地元の人気店や穴場店、まちを元気にする企業、大切に守る伝統や歴史を訪ね、HO流の北海道再発見の旅へ、みなさんをお連れします!
余市の住宅地はずれで見つけた、かわいい看板。お店はどこにあるのかな!?
看板からぐるりと裏手にまわると赤い扉がありました。
普通の住宅地の中に、こんなかわいいお店があるなんて。
ここは坪田秀明さんとあかねさん夫妻が営むスコーン屋さんで、もと農家だけあってとても広々とした緑あふれる敷地の中にあります。
昨年オープンしたばかりですが、地元の人にも評判のお店なんですよ。
広い庭ではスコーンにも使えるようにとブルーベリーやラズベリー、カシスやイチゴも育てています。
店内にはドライフラワーやカラフルなシャンデリア、イラストや写真で飾った入り口がとってもすてき。
サハラ砂漠など、2人の旅の写真もさりげなく飾ってありました。
バックパッカーだった2人は、スペインやモロッコ、クロアチアやブルガリアなどの旅で出合った、忘れられない店の雰囲気を取り入れているそう。
「路地裏とか思わぬところで出合う店がとてもよかったので、ここもそんな店にしたかったんです」
ワクワクするような店作りは2人の旅の経験からなのですね。
神戸でカフェを営んでいたこともあり、スコーンの準備もてきぱきとこなしていますよ。
焼きたてのいい香りが店内に漂っています。
それにしても大きなスコーン!1つ80gもあるそうです。
余市産の無農薬のブルーベリーとラスベリーを使ったほんのり赤いスコーンや抹茶とチョコ、メープルとくるみなど惜しみなく具材を使ったスコーンは290円。プレーンは240円、全粒粉は250円です。
純粋なバターと道産小麦、アルミフリーのベーキングパウダーを使った体にもやさしい、しっとりとしたスコーンは常時10種類ほどあります。
さて、スコーンもそろって、そろそろ開店です。
早速町内のお客さんもやってきました。
それにしても…あかねさんのアメリカンビンテージのイチゴ柄エプロン、お似合いですよね。
店内にたくさん飾られている、2人で集めたファイヤーキングのカップやボウル。
見ているだけで楽しい小さなおもちゃたち。それにおいしいスコーン!
プルーンや洋ナシ、リンゴなど余市の季節のフルーツをこれからどんどん取り入れるそう。
まもなく秀明さんが、コーヒーの焙煎も始めるそうですので、また飲みに来ないとね。
こだわりの詰まったお店は、一度出かけるとみんなにオススメしたくなるお店でした。
スポット情報
merci scone
(メルシー スコーン)
- 住所
- 余市郡余市町大川町16丁目12-1
- 電話
- 090-6446-4263
- 営業時間
- 11:00~17:00
(なくなり次第閉店) - 定休日
- 月・火曜
(祝日は営業、翌日休み) - URL
- https://www.facebook.com/pg/mercijapan
さて、次に向かったのは余市のお隣り。かつてニシン漁の千石場所として栄えた、積丹半島に位置する古平(ふるびら)は今年開町150周年。
そんなニシンの夢を追い求め、石川県から古平にやってきた先祖を持つ人気の寿司屋さんがあるんですよ。
港からほど近く、大きな北前船を掲げる積丹ブルーのお店「味処 新家寿司(しんやずし)」があります。近隣から旬の味を求めてやってくる人々で、週末は行列ができる人気店です。
迎えてくれたのは店の3代目にあたる田岸義章さん。スラスラと滑らかなトークに引き込まれます。
田岸家としては北海道に渡って8代目の義章さん。「先祖は石川県から、ニシンを求め古平にやって来ました」
活気ある写真は大正時代。当時の田岸家の漁場で、ニシンから油を搾る作業の写真です。
田岸家の繁栄は昭和に入りニシンが取れなくなると一転。
「祖父は婿で、田岸家の雇われ船頭の四男でした。頭が良くて、役人だったことから、家の立て直しのために婿に請われたそうです」
ニシン漁を復活させようとしたがうまく行かず、一からやり直すために再出発したのがこの場所でした。
「僕の叔母にあたる長女と三女はここでパーマ屋と食堂を始めました。小樽で祖父が習ってきた“ぱんじゅう”や、港で働く人のために温かいうどんやラーメンを出していたそうです」
当時のどんぶりで、今も寒い時期はラーメンを出しています。
その後、近所の寿司屋がえらい賑わっていると聞き、すぐに職人を探して寿司屋に転身。
創業から64年、現在店で握るのは叔父の正光さんと、16歳から家の職人に習って寿司を握っていた社長で義章さんの母・智惠子さん。
新家(しんや)という店名は、先祖の地域で分家のことをそう呼んでいたので、新たに寿司店を始めるために、店の初代、義章さんの祖父が付けた店名だそう。
ネタは常に40~50種類。魚種豊富な地物の魚がずらりと並びます。
店のいけすにはツブやボタンエビ、甘エビがたくさん入っていますが土日は無くなってしまうことも。
実は古平は、昔から甘エビの漁獲量が豊富。
甘エビづくしで人気の「甘エビちらしセット」2,300円。
生チラシの上に全部で10本。ぷりっとして透明感がある活甘エビと一晩熟成させたねっとりと甘い熟成甘エビを半分ずつ載せています。ピンピンはねる活甘エビは、その場でむいてくれますよ。
活と熟成のエビ、こんなに違います。味も活甘エビは甘さが少なく、食べくらべるとよくわかります。
一緒についてくる、甘エビの殻のダシと昆布とかつおだしを合わせた土瓶蒸しと、エビの沖付けも40年続く名物です。エビ好きにはたまらないメニューですね。
高校を卒業後すぐに、札幌・すすきのにあった「幸寿司本店」で修業した義章さん。おととし亡くなった父・政敬さんも修行した店です。
「東しゃこたん旬のにぎり(土瓶蒸し付き)」3,780円。
古平町のある東積丹の海の幸を味わえる、日替わり11種類のにぎり。
この日は真かすべのルイベ、ポン酢ジュレで食べるホッケルイベ、ツブやボタンエビ。それに、軍艦巻きはタコの卵、ウニはバフンとムラサキウニなどなど…。なんてぜいたく。
あまり流通しない「カナガシラ」のにぎりです。
旨味があって、繊細な味わいの白身でした。
珍しいものもうれしいですね。また食べたいな。
寿司以外にも、骨までサクサクと食べられる「八角の唐揚げ」もオススメです。
まだあった!食べたボタンエビや甘エビの殻は、頼むとサービスで唐揚げにしてくれます。いたれりつくせり、こんないい店がある古平町の人がうらやましい。
スポット情報
新家寿司(しんやずし)
- 住所
- 古平郡古平町新地町13
- 電話
- 0135-42-2303
- 営業時間
- 11:00~20:00
※ネタがなくなり次第終了することも。 - 営業日
- 不定休(要問い合わせ)
- URL
- http://www.furubirashinyasushi.com
※ウニ漁は8月まで
今、ワインの産地として全国から注目されている余市。
2011年、余市は道内初のワイン特区となり、以降、個性あふれる小さなワイナリーが増えています。
余市駅前で週末に開くワインバー「Y'n(わいん)」。グラスで余市と仁木産のブドウのワインを楽しめます。
週替わりでワインを8種、希少な小規模ワイナリーのワインに出会えることも。他に地元リンゴのシードルや果実を使ったソフトドリンクなどもあるのでカフェとしても利用できます。おつまみも500円前後ととてもお手頃。
うれしいことに、グラスのハーフもあるので、全種類制覇もできそう。ワインもソフトドリンクもテイクアウトOKなので、電車に持ち込みもできますね!ぜひ立ち寄ってみてください。
さて、これからとあるワイナリーを訪ねます。
訪れたのは「RITAFARM&WINERY(リタファーム&ワイナリー)」。ワイン特区制度活用第一号、2013年に余市で3番目に誕生したワイナリーです。
地元出身の菅原由利子さんが夫の誠人さんと一緒に営んでいます。
余市が一躍有名となったNHKの朝ドラ「マッサン」で知られる、ニッカ創業者の妻「リタ」さん。彼女の身の回りの世話をした人が、農地のそばに住んでいて交流が生まれたことから、ご縁を感じその名を付けたそうです。
「この景色に一目ぼれしました」と菅原さん。2009年からブドウを植え始めた3haの畑です。
「ここは日当たりが良く風通しがいいので“風のヴィンヤード”と名付けました」
海の近くでありながら、南風が余市湾へと吹き抜けるので、塩害も少ないそう。
まちなみを見下ろす、本当にいい眺めですね。
除草剤を使用せず、生態系に配慮された畑で育てるのは、フランス系の品種のブドウで、白のソーヴィニヨン・ブランや赤のメルローなど約8種類。
秋は10月までしっかりと畑でブドウを熟成させます。果実を噛んで香ばしさを感じた時がベストなのだそう。
収穫後すぐに敷地内の醸造所へ運びワイン造りを行います。
自社畑のブドウのみを使用した「風のヴィンヤード」ソーヴィニヨン・ブラン(白)は、草原のようなさわやかな香りが特徴です。
醸造所の中では、秋のリリースを待つタンクや、瓶内熟成中のボトル「風のヴィンヤード」のメルロー(赤)が樽で熟成中でした。
「添加物を使用せず、天然酵母で醸造する自然派のワインを作っています。野生酵母でゆっくりと自然発酵させる、身体になじむナチュラルなワインなので、悪酔いしませんよ(笑)」
菅原さんは、かつてワインの輸入の仕事をしていました。
フランス・シャンパーニュの小さなワイナリーを手伝ううちに、いつしか醸造の面白さに目覚めてワイン造りを志すように。
シャンパーニュで研修し、6度の醸造を経験しています。
菅原さんは長年余市で作られている食用ブドウでもさまざまな醸造にチャレンジしています。
「樽デラ」2,268円(今年は売り切れ)はデラウェアのワイン。果皮や種子を果汁に浸漬させ、果実本来の旨味を引き出し、古樽に移して発酵・熟成します。
「HANABI」2,484円(今年は売り切れ)。オレンジピンクがきれいなワインは、契約農家が栽培する日本の品種“ニューマスカット”で。カンパリソーダのようなほろ苦さを感じる新鮮なスパークリングは、パリの試飲会でも好評だったそう。
ちなみに中央の「Kingyo」は輸出用ラベル!
デザイン全般を担当する夫の誠人さんが、日本らしさを考え作りました。
そう、こちらのワインは輸出されているのです。
2015年、カリフォルニアのレストランに認められたことを皮切りにアメリカやメキシコ、フランスに輸出しています。
「日本はもちろん、いずれはヨーロッパなど、ワインの本場の人々にも求められるおいしいワインをここで作りたいですね」
余市発のワインが日本の味として受け入れられているとは、素晴らしい。
これからも余市の、菅原さんが作るワインに注目です!
ちなみに、ワイナリーには予約制のショップがありますが、現在品薄なのだそう。
リリースの頃に、ぜひ訪ねてみてはいかがでしょう。
スポット情報
RITAFARM&WINERY
(リタファーム&ワイナリー)
- 住所
- 余市郡余市町登町1824番(ワイナリー&ショップ)
※不在が多いのでショップへの訪問は事前連絡を - 電話
- 0135-23-8805
- 定休日
- 不定休
- URL
- http://www.rita-farm.jp
Y'n(わいん)
- 住所
- 余市郡余市町黒川町8丁目7
- 電話
- 090-8630-3658
- 営業時間
- 金曜 15:00~20:00 (L.O 19:30)
土曜 14:00~20:00 (L.O 19:30)
日曜 13:00~19:00 (L.O 18:30) - 定休日
- 月~木曜
地元の人でも迷うという隠れ家的なお店があります。
開いてたらラッキー。でも、常連さんでいっぱいで、なかなか入れないと…ウワサの店です。
ナビが無いと来られない、余市の住宅街のど真ん中で発見しました。
ひっそり明かりを灯す焼き鳥屋。
ここは「やきとり akeju」。“アーケージュ”は沖縄の言葉で「とんぼ」という意味。
すてきな彫金の看板ですね。
だけど、あらら。
カエルの“SOS”看板。笑っちゃいます。よーく見ると「ひま」と書いてあるんですよ。(お店に行ったら見てくださいね)
中はすでに大にぎわい。“SOS”看板の効果があったのかな?黒いポロシャツの人、店の人かと思ったらお客さんですって。マスターは、陰にいましたよ。
マスターの鈴木一史さんです。
「はぁ~、カメラ苦手です。はずかしい~」とすぐカメラから目を背けるので貴重な一枚!
シャイなマスターのかわりに、お客さんたちが教えてくれました。山登りが趣味で、奥の自宅スペースにはワンちゃんと奥さんとかわいいお子さんがいるとか…
こんなふうに、初めて来てもマスターを中心にコミュニケーションが生まれアットホームな雰囲気です。
アツアツの焼き鳥をすすめてくれますが、カメラにおののきどんどんマスターが後ろに下がっていきますよ!
「がんばれオレ~、は~」
なんともゆるい、ため息に笑っちゃう。
常連さんによると「いつものつぶやき」だそう。
そんなマスターの焼き鳥は、大振りでボリューム満点。本格炭火焼きです。
「今日はいいお酒もありますよ」
「鍋島 特別純米 クラシック」と合わせましょう。
外はカリっと中はふんわり。
噛むと肉汁が、ビュっとあふれ出てビックリ。
うっかりシャツにこぼしてしまいました。
ここまでジューシーなのは、初めて!
こだわりの炭は、森町産。探しに探してようやく見つけたものだそう。
この炭焼きの職人さんが好きすぎて時々会いにゆくそうです。
オススメ、いろいろありますよ。定番人気は「つくねパン」450円。
小樽の赤岩にあるお気に入りのパン屋に特注しているパンにふんわり大きなつくねをサンド。さくっとしたパンとの相性もバツグンです。
消え入りそうな声で「はぁ~、つかれた~」が口癖のマスターですが…それもそのはず。
部位ごとに仕入れる肉屋さんを決めるなど、こだわりの食材を集め、午前中から肉をさばき、串打ちなどの仕込みを始めます。
肉以外の定番「タコ」350円も、美国の漁師さんのところに受け取りに出かけて、生から茹でるそう。
丁寧な下処理で、きれいに皮をはずした「すなぎも」160円もまたおいしいこと!
サクサクと歯ざわりがよく、心地よい食感に夢中です。ビールもすすみます。
「他店ではあまり見かけない『肩肉』がうまいんです。無性に食べたくなって、つい来てしまう…」と、常連さん。「肩肉」はほどよい歯ごたえの肉質と、軟らかな肉質と両方味わえます。
それにしても、とってもおいしい焼き鳥、どこで修業したんですか?
ニヤリと手に持つのは…
「あ~本、出しちゃったよ!」と笑う常連さんたち。
なんと、すべて独学。それにマスターは「かなりグルメ」とみなさんが言う通り、多くの店を食べ歩き、研究を重ねたそう。お客さんにもずいぶん味見で協力してもらったんですって。
焼くのに忙しくなってきたマスターに代わってお客さんたちが、お酒を注いだり、オーダーを取ってます。
開店当初から通っている、おしゃれなシャツの“あさっちょ”さんは、徒歩圏内在住の常連さん。
散歩で気になって入って以来、7年通いつめているそう。
奥さんもここの焼き鳥のファンになり、今では一緒に来ています。
家族ぐるみの常連さんが多く、みんなに愛されてますね。
焼き鳥同様クセになる、ナイスな人柄のマスターにまた会いに行きます!
スポット情報
やきとり akeju(あーけーじゅ)
- 住所
- 余市郡余市町黒川町18丁目18-9
- 電話
- 0135-48-8000
- 営業時間
- 18:00頃~23:00
- 定休日
- 日曜(不定休あり)
余市・ニセコのおみやげプレゼント
「味処 新家寿司」
活ボタンエビ入り海鮮ちらし(ペアチケット)を3名さま
「リタファーム&ワイナリー」
余市産リンゴだけで作った発泡酒「農家のシードル」(1本)を5名さま
「リタファーム&ワイナリー」
玄米シリアル3個セットを3名さま
「Y'n(わいん)」
利用券500円3枚セットを3名さま
※おつりは出ません
※賞品は一例です。変更になる場合がございます。
※厳正なる抽選のうえ、賞品の発送をもって発表にかえさせていただきます。
※当選賞品の発送は9月下旬の予定です。
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