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タイ「チェンマイのモノづくりコミュニティー、バーン・カーン・ワット」

バカンスのススメ 非日常の世界に遊ぶ vol.7

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タイの古都と称されるチェンマイは、古来よりモノづくりの街として知られる。布、傘、陶器にシルバーなど、たくさんの手工芸品が溢れる街だ。そんなチェンマイでは、地元に根ざした手仕事とアートに囲まれた小さなコミュニティー「バーン・カーン・ワット」が話題となっている。

バンコクから北へ約700km、飛行機で約1時間のところにあるタイ王国第二の都市・チェンマイは、13世紀から19世紀までランナー王朝の都だったところ。当時から仏教が手厚く保護され、今も旧市街を中心に大小300もの寺院が点在する。
また王朝保護の下で発展した多岐に渡る文化芸術は、タイ文化の礎になったと言っても過言ではなく、なかでも美しく繊細な手仕事は、当時から受け継がれる伝統をベースに現代のセンスをうまく取り入れた新潮流も生まれている。その一つが、アーティストが創造したアーティストのための村「バーン・カーン・ワット」だ。


アーティスト村「バーン カーン ワット」

チェンマイの中心地から少し離れた洞窟寺「ワット・ウモーン」の近くにあることから「お寺のとなり」という意味を持つバーン・カーン・ワットは、手仕事を生業とするアーティストたちのアトリエやギャラリーのほか、オーガニックやハンドメイドに特化した雑貨店、手作りアイスクリーム店などが軒を連ねる。どこもシンプルながらも古都風情が漂うチェンマイらしい店構えは、まるで昔から存在している村のようでもあり、懐かしさすら感じられる。

緑豊かな敷地内は、イベントスペース用の広場を中心に、ランナー建築の伝統家屋をわざわざ移築し改修した10軒ほどが寄り添う。ゆっくり歩いても15分ほどの広さだ。アーティスト村と呼ばれているだけあって、古さのなかに新しさとかわいさが散りばめられ、実にフォトジェニック。SNS映えするポイントがあちらこちらにある。この村に流れるスローな空気感に合わせ、自然と足取りがゆっくりになる。

敷地内の伝統家屋は、各々のアーティストの工房兼ギャラリーとなり、チェンマイで受け継がれてきた手仕事が集結する。藍染めのリネンや手作りのピアス、竹細工の籠、セラミックのお皿など、どれも伝統工芸でありながらもセンスが光る。そんなアイテムたちは眺めているだけでも楽しい気分になるものだ。手作り雑貨の風合いが少しずつ異なる一点もののなかから自分好みのものを探す時間もまた楽しい。

そんなバーン・カーン・ワットのコンセプトは「環境に優しいモノづくりとアートの地産地消」。施設オーナーであるビッグさんはこう話す。「お隣同士が同じ感覚を共有できる生活は、アーティストにとっては理想郷と言えるでしょう。今、ここで店舗を構えている人は、環境に優しいモノづくりをする、ただこれだけが条件で集まった作家さんたちです。アートや手仕事に囲まれたシンプルで居心地のよい暮らしを実践することで、訪れた人にも心地よくなってもらえたら嬉しいです」。
自らの作品作りだけではなく、定期的に開催されるセラミック教室の材料となる粘土も裏庭の土から作るビッグさん。まさしく地産地消を実現している。


散策の合間にカフェにも立ち寄ってみたい。コーヒー豆にこだわるカフェや伝統料理が食べられる食堂、学生のためのブックカフェなど、わざわざチェンマイの中心地からカフェだけに訪れる地元っ子も少なくない。また手作りアイスクリームのスタンドでは、パッションフルーツやマンゴー、ドリアンなど一年を通して多彩なナチュラルフレーバーを楽しめる。

またバーン・カーン・ワットでは、各種イベントも定期的に開催される。なかでも毎週日曜日の午前8時から行われるモーニング・マーケットは、出店店舗数は少ないけれど、地元産のヤギのチーズや生みたて玉子のオムレツなどローカルフードも食べられ、早めのランチとしても楽しめる。地元産のみかんジュースは、青色の表皮が酸っぱそうに見えたけれど、優しい甘みが蒸し暑いチェンマイにぴったりだった。

王朝文化の下で、大規模な産業が発展しなかったチェンマイ。それが却って手仕事を今に残すこととなった。そんな手仕事によるモノづくりの理想郷「バーン・カーン・ワット」は、もっともチェンマイらしさを今に伝える場所といえるだろう。

Baan Kang Wat(バーン・カーン・ワット)
【住所】
191-197 Soi Wat Umong, T. Suthep, A. Muang, Chiang Mai
【ホームページ】
http://www.bannkangwat.com/

文/鈴木博美
撮影/Ryoichi Sato


Information on Thailand

チェンマイへのアクセス
札幌(新千歳)から東京(成田・羽田)で乗り継ぎ、バンコク スワンナプーム国際空港へJAL直行便が毎日運航。バンコクよりチェンマイまで、バンコクエアウェイズとのコードシェア便が運航。

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