あなたのまちを ぐるり深ぼりツアー vol.11
第11回 「空知の旅」<前編>
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これまで道内各地を取材してきた北海道の月刊情報誌「HO(ほ)」が、毎月、あなたのまちにスポットをあて、まちの魅力を深ぼりしてご紹介。
北海道がもっとおもしろくなるマニアックな旅へお誘いします。
今月は「空知」を旅します。
さて、今回は空知を旅します。
訪ねたのは秩父別町です。

10月に刈り取りが終わり、今は新米がおいしい季節。
空知はあちこちに田園が広がる、おいしい米どころです。
そんな、空知のお米が関係するお店をご紹介しますね。

まちの中心地にある、白い暖簾がゆれる一軒家。
取り壊すはずだった元薬局だった建物をリノベーションしてこの夏に開いた「餅菓子と喫茶 日日(にちにち)」

おいしい空知のもち米やうるち米で作る餅菓子の専門店です。
大福はヨモギやくるみ、地元産黒豆の黒千石塩豆など、常時5~6種類で各150円(税込)。
チョコや特産品のブロッコリーを使った変わりダネもあります。

開店と同時にお客さんがやって来る人気店。おみやげに喜ばれるので、予約してたくさん買う人も多いのです。

大福はほどよい弾力で風味豊かな北竜産「風の子もち もち米」100%。添加物不使用なので夜には硬くなる本物のおもちです。今年はもう終了していますが、甘酸っぱい深川産りんごの白あんを包んだ「りんご大福」など、旬のものを使った季節限定品も登場します。

「優しいまちのみなさんの応援があり、開店できました」と、店を営む岡田実さんと千尋さん。
実は千尋さんの実家はお隣の北竜町。千尋さんが小学生のときに、ご両親が「自分たちでお米を作ろう」と移住して米農家になりました。そんな千尋さんの母・尾崎圭子さんに、自ら作った米粉のパンや農産加工品を販売する店を、お母さんの実家がある秩父別で一緒にやろうと誘われ、二人は2014(平成26)年に札幌から秩父別に移住しました。

実さんが作る大福も評判で、やがて地元の人に愛される店として成長しましたが、「せっかく米の産地にいるのだから、もちの文化を伝え、出来立てを味わえる店にしたい」と、新たな店「餅菓子と喫茶 日日」を開くことに。


新しい店になって、あんは美瑛産小豆で手間暇かけた自家製になりました。
コクのある喜界島の粗糖や天日海塩などを使い、甘さは控えめです。
実さんは以前、有名な大福店で7年ほど職人として働いていました。
「役割分担が決まった仕事でしたが、今はすべて一人。この店を始めるときに、あらためて函館の老舗店で職人一人ですべてを作る仕事の仕方を学ばせてもらったんですよ」
一生この仕事をして行きたいと笑顔を見せてくれた実さん。
毎日深夜1時から、大福や団子、そして少量ですが地元の人のために天然酵母のパンも作り、開店に間に合わせます。

さて、今は何の作業中かな?厨房機器の店でたまたま発見した道具に、ひも状にしたもちを置き、取っ手のついたフタを前後に動かすと…

あら、なんとかわいい団子の出来上がり!

団子は香ばしく焼き、あんや醤油だれと合わせます。
これまで食べたことのない、ふわっと軽く歯切れのいい食感と、抜群のおいしさにビックリ。ぜひ食べてみてくださいね。

団子は通常、うるち米の粉を使いますが、こちらでは蒸したうるち米の粒をついて作っています。うるち米は、全国のお米番付でベスト8に入ったこともある、町内の稲作農家 原田屋さんの「ゆめぴりか」を使っているんですよ。

店内は、飲み物をオーダーするとイートインもできます。カフェ限定の温かなぜんざいなどもありますので、千尋さんが淹れてくれる深川・岡本珈琲のコーヒーや、京都の緑茶やほうじ茶と合わせてぜひどうぞ。
秩父別の近くにきたら、ぜひおいしい餅菓子を食べに寄ってくださいね。
餅菓子と喫茶 日日
- 住所
- 雨竜郡秩父別町1546-7
- 電話
- 0164-34-7412
- 営業時間
- 9:00~17:00
(早めに売り切れの場合あり) - 定休日
- 火曜・第1水曜
- URL
- https://www.nichinichimochi.com
※大福や団子は予約がオススメです。イートインの場合はワンドリンクオーダーをお願いします。
さて、続きましても同じく秩父別町内にある「おこめ食堂」を訪ねます。

国道沿いにあるお米のかわいい看板が目印の一軒家。
町内はもちろん、さまざまな人が集まる場所と聞いてやってきましたよ。
どうやら、フツーの飲食店じゃないみたいです。

お客さんがいっぱいいますね。イベントを行っているそうで、早速おじゃましてみると…
今日は「絵本セラピー」と「おむすび教室」。

深川在住で北空知では唯一の絵本セラピスト、広瀧祥子さんによるオトナの絵本の会です。食にまつわる絵本をみなさんと読み、和気あいあいと感想をおしゃべりしながら、ほっこりとした時間を過ごしています。
最後に道内在住の作家さんによるおにぎりの絵本を読んだら、みんなでランチなんですって。

キッチンでランチの準備をしていたのは店主の塩谷一美さんです。
ここはランチがメインのカフェ「おこめ食堂」。
本業は地元唯一の写真館を旦那さんと営んでいますが、子育てもひと段落して、昔からの夢だった「みんなが集まる飲食店を始めたい」と2017(平成29)年9月にオープンしました。
通常営業以外にも、これまで、占い・モノづくり・フリマ・勉強会などなど、一人1,000円ほどで楽しめるイベントを定期的に行ってきました。そう、ここはコミュニティカフェでもあります。

秩父別の米農家の出身である塩谷さん、「実家のお米が活かせる店にしたいと思って」と、今日もつやつやの炊き立てごはんを準備中です。今年から次男の拓真さんが、一世代飛んで実家の農家の跡継ぎになりました。

拓真さんは、子どものころから祖父・吉田徹さんや祖母・啓子さんが働く姿がカッコイイと思っていたそう。そんな農家の後継ぎになって初めての収穫です。今年は特別ですね。
さて、絵本セラピーの後は、いよいよみんなでおにぎりを作ってお昼です。

「実家のおにぎりがそうだったのですが、先に塩を混ぜます」
使用しているのはオーストラリアで2年かけて自然乾燥させ、沖縄の職人が加工した天日海塩。サラサラのパウダー状ですぐに溶けます。味もとてもまろやか。
そう、1軒目で伺った「餅菓子と喫茶 日日」さんと同じ塩です。
「思わずおにぎりが作りたくなるこのお塩。日日さんに教えてもらったんです。どんなお料理も一味違います」

お米は、おにぎりやお弁当など、冷めてもおいしいように「ゆめぴりか」「ななつぼし」をブレンドしているそう。
具材には、タラコにシャケ、梅やチーズ、おかか、昆布と、おにぎりの具のオールスターが揃い、目移りしますね。

「昔はガチガチに固く握りすぎて、息子からクレームが来たりしました。たくさん食べさせたいからついつい(笑)やっぱりふんわり握ったほうがおいしいですよね」という塩谷さんにコツを教えてもらいます。
握るのは軽く3回程度。それで心もとないようだったらもう3回ぐらい。ほろりとほどけるように握るのがオススメなんですって。

おいしいおにぎりの完成です!
塩谷さんが握ったおにぎりと自分が握ったのを食べ比べでいただきます。


おにぎりと一緒にいただくのは、塩谷さん特製の米粉のシチューやお味噌汁など。
このおにぎりセットをいただきながら、またまたおしゃべりがはずむのです。

通常営業でも、「おにぎりセット」600円(税込)やおいしいごはんの「日替わり定食」850円(税込)~があります。食後には東川・盈舟屋珈琲 (えいしゅうやコーヒー)のスペシャルティコーヒーもどうぞ。
我が家のように居心地のいい雰囲気がとてもすてきな、ほっとできる空間でぜひ過ごしませんか。
おこめ食堂
- 住所
- 雨竜郡秩父別町2条1丁目
- 営業時間
- 11:00~16:00ごろ
- 定休日
- 不定休
- https://www.facebook.com/おこめ食堂-1988168838071421/
※営業日や時間、イベントなどはフェイスブックでご確認ください。
※掲載情報は2019年12月9日時点のものです。

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プレゼント


秩父別のおいしいお米をプレゼントします!
餅菓子と喫茶 日日で使用の「ゆめぴりか(2kg)」、おこめ食堂で使用の「ゆめぴりか・ななつぼしのおにぎり向けブレンド米(2kg)」のどちらかと天日海塩のセットを抽選で10名さまにプレゼント!
※お米の種類はおまかせください。
※セット内容は変更になる場合があります。
※厳正なる抽選のうえ、賞品の発送をもって発表にかえさせていただきます。
※当選賞品の発送は1月下旬の予定です。