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あなたのまちを ぐるり深ぼりツアー vol.6

第6回 「喜茂別の旅」<後編>

こちらに掲載されている記事の、ポイント獲得・抽選応募期限は終了しております。

あなたのまちを ぐるり深ぼりツアー 第6回 「喜茂別の旅」<後編>

これまで道内各地を取材してきた北海道の月刊情報誌「HO(ほ)」が、毎月、あなたのまちにスポットをあて、まちの魅力を深ぼりしてご紹介。
北海道がもっとおもしろくなるマニアックな旅へお誘いします。

今月は「喜茂別」を旅します。


新鮮野菜の加工品を大地のゆりかごから各地へ【クレードル興農】

さて、後編の始まりは喜茂別町で愛されている地元キャラクターを紹介します。
まちの特産品のパッケージやイベントなどによく登場するのです。

双子のような尻別岳と羊蹄山、牧場タカラを背景に登場したのは「ウサパラくん」
ウサギのような耳はよく見ると緑と白のアスパラガス。
そう、喜茂別の特産品です。

肥沃な大地と昼夜の寒暖差が激しい気候を生かし、おいしい農作物を育てています。
特に寒さに強い春一番の作物、アスパラガスの歴史ある栽培地です。
1925(大正14)年、「アスパラガスこそ本村に適した作物」と見抜いた当時の村長が、100本の苗を試作したのが始まりでした。
ホワイトアスパラガスは太陽の光を当てずに育て、収穫も手作業という手のかかる作物です。

さて、訪ねたのは「クレードル興農株式会社 喜茂別工場事務所」
1949(昭和24)年に建てられた木造の建物は今も現役。喜茂別のホワイトアスパラガスは、質の高い「クレードルの缶詰」として広く知られています。

今も昔もほぼ変わらぬデザインで販売されている缶詰は、道民ならおなじみの、紺に赤のロゴが鮮やかな「クレードルカラー」
喜茂別町が「アスパラガスを育むゆりかごの地」であることから、英語で「ゆりかご」を意味する「クレードル」を商標としたそうです。
隣にあるのは、アスパラガスウイスキー。以前はこんな商品もあったんですね。

現在、本社は札幌ですが、創業は喜茂別町です。
昔はアスパラガスといえばホワイトの缶詰のみ。海外で高く売れた輸出品でしたので、缶詰工場が道内各地に建ち、原料は争奪戦。しかし当時の生産農家は、規格サイズや激しく変動する買い取り価格に苦しみました。

そこで「農民のための農民の手による工場を」と、1932(昭和7)年に農家の組合・喜茂別村産業組合が地元に工場を建て、作物を通常より高く安定した価格で買い取り、缶詰の生産を始めたのです。今でいう6次産業の先駆けでした。

クレードルの缶詰生産の最盛期は1967(昭和42)年。ホワイトアスパラガスは喜茂別を中心に33市町村の畑で3850tを収穫し、全道9工場で30万ケースの缶詰を生産していました。
写真は1960年代の喜茂別工場。まちには道内からたくさんの季節労働の女性の働き手がやってきて、工場のそばには寮もあったそうです。

「私が入社した1981(昭和56)年はアスパラの缶詰を製造していた最後のころでした」と教えてくれたのは、喜茂別工場に勤めて38年の工場長の島田悟さんです。
「喜茂別工場は、今は主力商品のスイートコーンの加工が中心です。旬の夏から秋は忙しい時期で、後志や洞爺湖方面の契約農家で収穫された野菜の受け入れと加工で、1日中フル稼働です」

ちなみに契約農家には、開発した加工に適した品種の種子から渡し、栽培指導もしています。現在の社長さんもアスパラやスイートコーンの栽培指導者だったそう。

もっとも多く加工するのは、旬の野菜のおいしさを生かした冷凍食品。安心で安全な道産食材として、スーパーのお惣菜や給食などに使用されているので、知らぬ間にたくさんクレードルの野菜を食べているかも。
現在、工場は喜茂別のほか伊達、夕張の3カ所。缶詰やレトルトパック、スープは評判の味で、委託されてホテルのおみやげなども製造しています。

クレードル興農 と きもべつ観光協会のコラボ商品もありますよ。
観光協会の職員の工藤大文さんが持つのは、喜茂別産をはじめとする道産食材を使い、味も評判のアスパラとコーンのスープ。

ほかにホワイトアスパラのピクルスもあります。
町内の道の駅やコンビニで発売していますので、喜茂別に寄ったらおみやげに、ぜひ。

クレードル興農株式会社 喜茂別工場

住所
虻田郡喜茂別町字喜茂別83
※事務所内の一般公開は行っていません。敷地内に入らないようお願いします。
URL
https://www.cradle-kounou.co.jp

きもべつ観光協会

住所
虻田郡喜茂別町字伏見264番地4 
農村環境改善センター1階
電話
0136-33-3122
URL
http://kimobetsu-ta.p-kit.com

資料提供:クレードル興農株式会社  
参考資料:喜茂別町「広報きもべつ」


手作りガーデンと地元野菜のランチでほっこり【カフェ ベルク】

喜茂別町から真狩、ニセコへと続く町道を進んでいくと…
ぐんぐん羊蹄山がせまってきます。
道路沿いに見つけた看板が目印のカフェです。

中折れ屋根の建物がかわいい「カフェ ベルク」
「ベルク」はドイツ語で「山」のこと。
喜茂別町の中でも真狩との境目近くにあります。

迎えてくれた店主の笠巻裕司さんと真由美さん夫妻。
かわいい小窓から出迎えてくれます。
ここは地元食材を使ったランチやデザートが味わえるカフェ。
裕司さんの退職後、2人の夢だったカフェを始めて3年目になります。

「喜茂別や近隣の農家さんたちが一生懸命作る、おいしい野菜や果物を味わっていただければと思っています。ここは尻別川や喜茂別川など川に沿った土地。
川の水で堆積した養分の多い赤土と、羊蹄山のふもとの水はけのよい黒土、この2つの土で野菜がおいしく育つそうですよ」と真由美さん。

ふんだんに旬の野菜を取り入れた、ボリュームあるランチがいただけます。
営業は野菜が採れる春から晩秋までの週末のみなのです。

野菜たっぷりの「ランチセット」は1,200円。旬の野菜に合わせて変わる前菜プレートは、生春巻きやサラダ、10月ごろまで喜茂別で採れるイチゴ「すずあかね」などいろとりどり。
メインは塩麹漬けの軟らかな鶏の胸肉ソテーに季節の野菜を添えます。
ソースはトマトソースかマスタードを効かせたマヨソースが選べます。秋は新ジャガやカボチャ、これからはゆり根も登場。
旬の野菜は地元のお友達の農家さんからいただくことも多いそう。春のアスパラ、夏のブロッコリーなどもたっぷり味わえます。

セットには真由美さん手作りのパンやデザート、コーヒーなどドリンクが付きます。
裕司さんも一緒に料理を作り、メイン料理などを担当しています。

最近評判なのは「チリコンライスのセット」1,000円。豚ひき肉と京極や留寿都産の大豆を10種類以上のスパイスでじっくり煮込んだ、スパイシーで香り高く、ピリ辛なチリコンカンをライスにのせています。季節の野菜もたっぷり。9月からは秋野菜のポトフも始まりました。

ほかに真由美さんがホーローバットで焼くケーキや、ふわふわのシフォンサンド、パフェや豊富なドリンクなど……、お茶だけでもゆっくり過ごせます。

さて、2人のアイデアが詰まった店内は、「いつかカフェを開くために」と集めた小物や手作りの雑貨、手作りのリースなどがすてきにディスプレイされています。

真由美さんが描くメニューのイラストや店内のチョークアートも見事です。
この看板、とあるところにあるのですが、羊蹄山と喜茂別の自然がよくわかり感激しました。お店に行ったら探してみてね。

裕司さんの木工作品、真由美さんが作る花のリースや小物類は驚くほどお手ごろ。
お値段は……実際にお店で見てみてください!
2人は冬の間にコツコツ作っているそうです。

カフェではリースの教室を行うこともあるんですよ。ドライフラワーにするための草花を庭でたくさん育てているそう。この庭がとてもきれいで、ドライブで通りかかると、きっと気になるはず。
週末のカフェの営業以外はほとんど庭仕事をしているそうです。

7月は夏バラ、9月は秋バラがきれい。気温の低いこの土地に合う、ハマナスの血を引くものが多いそう。写真は裕司さんが撮った「ホープ フォー ヒューマニティ」です。

ほかに料理でも使用するハーブなど、たくさんの植物を育てているガーデンは、ゆっくりと見学できます。
晴れると庭越しに羊蹄山も見えて、裕司さん作の撮影ポイントの看板もあります。
ぜひドライブがてら立ち寄ってみてくださいね。

カフェ ベルク

住所
虻田郡喜茂別町比羅岡30-55
営業時間
10:30~L.O.18:00
営業日
金~日曜(祝日の営業日もあり。毎月ブログにて告知)
※2019年は11月4日まで営業予定。来春は4月下旬オープン。
駐車場
4台
ブログ
http://mt1898.blog.fc2.com/blog-category-5.html

※掲載情報は2019年9月24日時点のものです。

北海道情報誌
HO
[ ほ ]
(毎月25日発売 本体556円+税)


北海道の旬な情報、おすすめスポットなどを、独自の視点で紹介する北海道の総合情報誌です。道民も目からウロコの情報をお届けします。
http://www.burant.co.jp/


プレゼント

クレードル興農 と きもべつ観光協会のコラボ商品「つぶつぶコーンスープ、アスパラのスープ各3個とアスパラガスピクルス2個の詰め合わせ(オリジナルギフトボックス)」を抽選で10名さまにプレゼント!

※厳正なる抽選のうえ、賞品の発送をもって発表にかえさせていただきます。
※当選賞品の発送は11月下旬の予定です。

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