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あなたのまちを ぐるり深ぼりツアー vol.8

第8回 「興部の旅」<後編>

こちらに掲載されている記事の、ポイント獲得・抽選応募期限は終了しております。

あなたのまちを ぐるり深ぼりツアー 第8回「興部の旅」<後編>

これまで道内各地を取材してきた北海道の月刊情報誌「HO(ほ)」が、毎月、あなたのまちにスポットをあて、まちの魅力を深ぼりしてご紹介。
北海道がもっとおもしろくなるマニアックな旅へお誘いします。

今月は「興部」を旅します。


家族と興部の風土が作り上げるナチュラルチーズ【チーズ工房 アドナイ】

さて、前回に引き続き、興部町を訪ねます。
オホーツク海に面したこのまちは、海の幸もとてもおいしいのですが、乳製品のおいしさも全国レベル。

あら?何やらお城のような建物が見えますよ。
地元の人は“モーモー城”と呼んでいるのですが、正式名称は「オホーツク農業科学研究センター」
興部町内の土壌の成分や牧草の栄養分析、加工食品の細菌検査を行い、そのデータや町内の酪農に関する情報などを集積する研究所なのです。町内にそんな施設があるなんて、スゴイですね。

そんなモーモー城から車で5分ほど。
牧草地を見渡す場所に「チーズ工房 アドナイ」がありました。

サイロがある、赤い中折れ屋根の牛舎が工房の入り口。
興部の新鮮な牛乳で質の高いチーズを作り、道産のナチュラルチーズのおいしさを全国に広め、各地のレストランに支持されています。

ここは家族で営むチーズ工房。代表の堤田克彦さんが工房を開いたのは1996(平成8)年のこと。克彦さんは酪農学園大学卒業後、サラリーマンとしてチーズ製品の製造や開発に携わり、ほぼ独学でチーズ作りの技術を磨いてきました。現在は3人の息子さんたちを中心にチーズを製造しています。右から次男のまことさん、三男のもといさん、そして堤田さん夫妻との間に長男のひかるさんです。
建物は1950年代に建てられた牛舎を改装し、増築してきました。今年新しく熟成庫も完成したそうです。

克彦さんがお手本にしたのはヨーロッパの個性的なチーズ。ナチュラルチーズがまだ北海道でも珍しかった当時から、ミモレットやタレッジオなど本格的なチーズの数々を世に送り出してきました。

手前がアドナイオリジナルのウォッシュチーズ「フロマージュ・ド・エールTSUBASA(ツバサ)」、その奥はブリータイプの白カビチーズ「SAYURI(サユリ)」 。そのほか、左奥からセミハードの「トム・ド・アドナイ」、紋別の放牧牛の生乳を使った限定品「YASOSHI(ヤソシ)」、オレンジ色の「ミモレット・アドナイ」、丸い「カチョカバロ」など。工房で直接購入できます。

ナチュラルチーズは生乳を乳酸菌や酵素で発酵させて固めます。製造方法や使用する乳酸菌・カビなどの微生物はもちろん、生産されている土地によってチーズの風味は大きく変わります。工房では、オホーツクの風土が生み出す、味わいが楽しめるチーズを作り続けています。

ずらりと並ぶのは、モールド(型)に入れたばかりの「SAYURI」。工房のチーズには娘さんたちの名前を付けたものもあるんだそう。

長男のひかるさんを中心に3人の息子さんたちが独自の製法を受け継ぎ、日々技術に磨きをかけています。興部に来たらぜひ、寄ってみてくださいね。

札幌には、長女のめぐみさんが営む直営店「Table of Grace(テーブル オブ グレース)」があり、アドナイのチーズやヨーグルト、フローズンヨーグルトバーなどを購入することができますよ。時には実験的に作ったチーズが並ぶこともあるそうです。

めぐみさんのお母さんのレシピをもとにアドナイのチーズやバターを使って作る焼き菓子やキッシュなども評判です。「SAYURI」のパウンドケーキには白カビチーズがたっぷり。ワインにも合いますよ。ここでは、西興部のグラスフェッドミルクのソフトクリームなどもあります。興部まで行けないけど…という方はぜひ、こちらへ!

チーズ工房 アドナイ

住所
紋別郡興部町興部914-12
電話
0158-82-3133
営業時間
10:00~17:00
定休日
不定休
URL
https://adonaicheese.stores.jp

※工房や通販で購入可能

Table of Grace(直営ショップ)

住所
札幌市西区西野3条2丁目3-15
電話
070-5616-8955
営業時間
10:00~18:00
定休日
木曜
Facebook
https://www.facebook.com/tableofgracwbake

この地で100年続く、まちのお菓子屋【大村菓子舗】

さて、次は地元で長年愛されているお菓子屋を訪ねます。

場所は前編でご紹介した「名代 山賊焼」のちょうど向かい側。「大村菓子舗」です。

店の入り口にはタヌキだけが描かれた小さな看板。気になります!なんだろう。

店内はどら焼きなどの和菓子はもちろん、焼き菓子やケーキも並び、種類豊富で華やか。
地元のお客さんが次々と訪れ、楽しそうにケーキを選んでいましたよ。

ここは1912(大正元)年創業。なんと100年以上もこの地で変わらず続くお菓子屋です。創業当時はあんぱんや飴などを作っていたそうです。

きれいに並んでいるのはおいしそうなあんドーナツ。
「戦後、物資のないなか、2代目にあたる私の祖母が作り始めたものです。薄皮で中はほとんどあんこ。ベテランスタッフが変わらぬ製法で作っています」と、説明してくれたのは4代目店主の大村和久さん。

カラフルで種類豊富なケーキは、常時15種類ほどがショーケースに並びます。

ケーキを出すようになったのは和久さんの父、3代目の栄之さんの代から。栄之さんは製菓の専門学校を出て、東京の名店「ウエスト」で修業し店を継ぎました。左手前にあるバナナを包んだオムレツケーキ「バナナボート」はお父さんの代から地元で愛される味です。

そんなお父さんが開発した、もうひとつの名物。
お盆前は1回1,000個を何度も焼くという「モウモウの里」です。
パイの中はこちらも前編でご紹介したノースプレインファームの有機牛乳を使ったバター香る白あん。酪農のまちらしい興部を代表するお菓子です。

4代目の和久さんは、もともとは工業製品の設計をしていたそうで、札幌から興部に戻り11年目。通信教育や独学でお菓子の技術を身に着けました。

伝統のお菓子を大切にしながらも、2010(平成22)年に新たな看板商品を作りました。
和久さんが手に持つ、その名も「ポンポコやま」
タヌキのお腹のように、まんまるなチーズスフレです。なるほど、それでタヌキの看板が置いてあるんですね!

ノースプレインファームの有機牛乳や道産クリームチーズとメレンゲでふわふわの生地を、18cmのまるい型で8個。オーブンの中では水を張り、この蒸気の熱で50分をかけ、じっくりと蒸し焼きにします。

シンプルに生クリームのみをたっぷりとトッピング。
最後にチョコで、絶妙なサイズのおへそをつけたら完成。
「頂上で跳びはねると音がする」という地元のポンポコ山をイメージしたお菓子は、しっとりふわふわ食感で大人気。

最近は町外のお客さんも増え、自然解凍で楽しめる冷凍の菓子が評判です。バタークリームがおいしい「干草ロール」など常時5種類ほどを揃えています。「ポンポコやま」のミニサイズもありますが、残念ながらおへそはありません。
それにしても「ポンポコやま」のパッケージ、かわいいですね。
あのタヌキの看板やパッケージなどは地元のデザイナーさんが手掛けたものなのだそう。

地元の人とのつながりも大切に、イベントなども積極的にかかわりながら、ご夫婦で店を守る大村さん。これからもおいしいお菓子を作り続けてくださいね。

興部に来たらまた寄ります!

大村菓子舗

住所
紋別郡興部町興部本町467
電話
0158-82-2006
営業時間
[平日] 9:00~19:00
[土・日曜・祝日] 9:00~18:00
定休日
月曜 
※不定休・変動あり。Facebookでご確認ください。
Facebook
https://www.facebook.com/omura1912

※掲載情報は2019年10月28日時点のものです。

北海道情報誌
HO
[ ほ ]
(毎月25日発売 本体556円+税)


北海道の旬な情報、おすすめスポットなどを、独自の視点で紹介する北海道の総合情報誌です。道民も目からウロコの情報をお届けします。
http://www.burant.co.jp/


プレゼント

大村菓子舗のバター香るパイ菓子「モウモウの里 14個入」を抽選で10名さまにプレゼント!

※セット内容は変更になる場合があります。
※厳正なる抽選のうえ、賞品の発送をもって発表にかえさせていただきます。
※当選賞品の発送は12月下旬の予定です。

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