あなたのまちを ぐるり深ぼりツアー vol.15
第15回 「下川の旅」<前編>
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これまで道内各地を取材してきた北海道の月刊情報誌「HO(ほ)」が、毎月、あなたのまちにスポットをあて、まちの魅力を深ぼりしてご紹介。
北海道がもっとおもしろくなるマニアックな旅へお誘いします。
今月は「下川」を旅します。
訪れた日の朝、下川町はなんとマイナス20度近い気温。
霧氷がキラキラ。寒いけれど、きれいです。
向かったのはまちの中心地から車で15分ほど、一の橋地区です。
国道沿いに見つけたかわいらしい小屋。
「cosotto,hut(こそっとハット)」の看板がありました。
ここはわずか3坪の小さなお店。無農薬で育てたハーブを使って手作りしている、クラフトコスメメーカー「SORRY KOUBOU(ソーリー工房)」の直売所です。
代表の山田香織さん(左)と小松佐知子さんは東北からの移住者で、東日本大震災がきっかけとなり、自らの手でものを作り出し、自然の中で暮らしたいと移住先を探し始めました。その時に下川町のさまざまな取り組みに惹かれ、移住を決めたそうです。
長年アトピーに悩んでいた山田さんは、以前から手作りのカモミールの化粧水を愛用していて、ハーブの力を実感していたそう。そんなハーブの力を同じように悩む人に届けたいと思い、今の事業を始めました。
二人が育てるハーブのメインとなるのは、白い花びらに黄色い花芯のカモミール。昔から薬草として使用され、アズレンという炎症を抑える成分が含まれています。
もう1種類は色鮮やかなオレンジ色のカレンデュラ。別名トウキンセンカとも呼ばれ、傷ついた皮膚や粘膜を修復し、保護してくれます。
夏の収穫期は、手作業で花を摘み、ドライハーブにして加工します。
代表する製品は、ふたつのエキスがたっぷりと含まれる、黄金色の「カレンデュラ・カモミールオイル」。スキンオイルとして顔や身体、髪にも使えます。
ほかにもハーブをたっぷりと含んだ釜炊きの石けんやリップバーム、ハーブチンキなどを販売しています。
ハーブチンキは、ハーブの有効成分を抽出し、濃縮したもの。水や保湿剤と合わせて、自分に合った化粧水が作れます。
二人が育てたハーブのほか、スギナやエゾイラクサなどの野草から取ったものもあります。
「植物は育った環境も大切だと思っているので、自然に恵まれた下川町で自生している植物を使いたかったんです」
どの製品も防腐剤・保存料・香料無添加で、ハーブを漬け込むのに使用するエタノールも、口に入っても安全な食品グレードの国産サトウキビの発酵エタノールを使っています。
お店では予約をすると、化粧水作りの体験もできますよ。
お肌に合わせてどんなハーブチンキを使えばよいのか、相談しながら選ぶのも楽しいのです。
小さなお店は、冬場は隔週で2日間だけひっそりと開いています。こんな風に山田さんたちとゆっくり話をして、フレッシュな製品を購入できます。
さて、ご近所にある「森のキツネ / 家具乃診療所」にもぜひ寄ってみてください。
木工作家の河野文孝さんが開くお店で、「森のキツネ」はオーダーメイドの家具や木工製品を販売、「家具乃診療所」では家具や木のおもちゃを修理をしています。
こちらでは、バードコール作りが体験できます。鳥とのコミュニケーションの取り方のコツも教えてくれますよ。
カードスタンドになる「ぼくのうち」も、木の形によって作られるため同じものはないそう。
下川町の木で作る、木の皮を活かした木工製品も素敵なものばかり。おみやげにしたいですね。
ハーブ畑写真 提供:SORRY KOUBOU、撮影:Ikuya Sasaki
cosotto,hut / SORRY KOUBOU
- 住所
- 上川郡下川町一の橋268
- 電話
- 01655-6-2822
- 営業日
- 日・月曜
※変更になる場合があるのでフェイスブックでご確認ください。
※2月、3月は第2、第4の日・月曜に営業しています。 - 営業時間
- 10:00~16:00
- URL
- https://sorrykoubou.jp
- https://www.facebook.com/sorrykoubou
※化粧水作り体験は1人500円(税込 / 2名から受付、前日までに要予約)
森のキツネ / 家具乃診療所
- 住所
- 上川郡下川町一の橋240
- 営業日
- 日・月曜
※変更になる場合があるのでフェイスブックでご確認ください。 - 営業時間
- 10:00~15:00
- URL
- http://morino-kitune.com
- https://www.facebook.com/morino.kitune
※バードコール作り体験は1人1,500円(税込 / ロジン、麻小袋付き)
さて、夕食は下川町で長年愛されるお店に出かけてみます。
ナポリタンが名物のお店ですが、「ほかにもおいしいものがたくさんありますよ!」と地元の方が教えてくれました。
雪が降る中で、暖かな灯りをともす「コーヒーと洋食 アポロ」
コーヒーと食事がおいしい、まちの人々の癒しどころです。
レトロな雰囲気がすてきな店内は、初めて来たのにどこか懐かしく、落ち着きます。
マスターの金森章さんと妻の知子さんです。
オープンは1979(昭和54)年で、昨年の夏、お客さんたちが準備してくれた40周年記念のパーティーは、店に入りきらないほどの人が集まり、大いに盛り上がったそう。
「何もしなくていいからと、みんなが準備してくれてありがたかったですね」
マスターの金森さんは、旭川で出会った老舗の喫茶店が大好きになり、自分でも店を持ちたいと思い、故郷の下川で店を開いたのが始まりです。
こだわりのシングルオリジンのコーヒーは自家焙煎をしているんですよ。
また、マスターが腕をふるう料理はオリジナリティがあり、評判の味です。
ユニークなのはカルボナーラ。
「日本人なら醤油だろう……と創作してメニューにしたんです」
そう、アポロのカルボナーラは、たまごとベーコンたっぷりの和風味。
「このメニューを好きだった子が、進学でまちを出たときに怒られましてね。知らないカルボナーラが出てきたって(笑)それ以来、店では本当のカルボナーラと2種類出しているんですよ」
でも、このアポロ風カルボナーラのファンがたくさんいるのです。
夜は食事と一緒に、マスターが厳選したビールや手ごろでおいしいワインを楽しみに来るお客さんがたくさん。
「ワインのストックは200本以上はあるかな」と、マスター。
店のバックヤードにもまだまだあるそうです。
そして、メニューに載っていない予約制の夜のメニューがまた絶品。
「エゾシカのロースト」は軟らかなエゾシカの内モモ肉に、ドライイチジクと玉ねぎ、醤油を合わせたオリジナルソースがよく合い、たまりません。南フランス・ラングドッグのまろやかなオーガニックワインと一緒にどうぞ。
ワイン、ビールはその時々でマスターが選んだオススメがあるので、ぜひ聞いてみてね。
食後にはぜひコーヒーを。
知子さんが、ハンドドリップで丁寧に淹れてくれます。
店でおしゃべりしたり、ほかのお店の食事帰りに寄るお客さんも多いのです。
すっかりアポロの食事とコーヒーのファンになりました。また来ますね。
コーヒーと洋食 アポロ
- 住所
- 上川郡下川町錦町76
- 電話
- 01655-4-3802
- 営業時間
- 11:00~15:00、18:00~22:00
- 定休日
- 水・木曜
※エゾシカのローストは夜のみ(要予約)
※掲載情報は2020年2月10日時点のものです。
北海道情報誌
HO [ ほ ]
(毎月25日発売 本体556円+税)
北海道の旬な情報、おすすめスポットなどを、独自の視点で紹介する北海道の総合情報誌です。道民も目からウロコの情報をお届けします。
http://www.burant.co.jp/
プレゼント
「SORRY KOUBOU(ソーリー工房)」より、カレンデュラ・カモミールオイル(ミニサイズ)と、カモミール石けん または ハチミツ石けん のどちらかのセットを抽選で計10名さまにプレゼント!
※石けんの種類はおまかせください。
※厳正なる抽選のうえ、賞品の発送をもって発表にかえさせていただきます。
※当選賞品の発送は3月下旬の予定です。