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食べるぽ vol.1

食べて地元を愛すルポ vol.1「アスパラガス」

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食べて地元を愛すルポ「食べるぽ」Vol.1 ひとつの食材をテーマに、産地へ飛んでルポルタージュ。地元ならではの話題からレシピまで、おいしい情報満載!【今月のお題】アスパラガス【今月のプレゼント】留寿都産のアスパラと旬の野菜のフリーズドライセット 【Mission】アスパラガスを食べつくそう!おいしいアスパラの根っこには、夢がギュッと詰まっているという。まず、そのルーツを探るべく、取材班は発祥の地へ向かった。

星澤幸子先生の「アスパラ」を食べレシピ

【おいしさのふるさと】日本のアスパラガス、ルーツは岩内にあった。

博士の夢が育てた、アスパラガス。

日本のアスパラガスの父は、岩内町の下田喜久三博士(1895年~1970年)だ。当時の岩内は、ニシン景気に沸いていて、博士は米穀雑貨商の三男だった。東京薬学校(東京薬科大学)に、年齢を3歳偽って入学したというから、早熟者だったのだろう。帰郷してからは、農家に化学肥料指導を行うのだが、冷害による被害に泣かされることが多かった。
北海道の寒さに負けない作物をつくろう!下田博士は冷害に強い作物を探しまわり、「ホタル草」と呼ばれていたアスパラガスの原生を発見し、アスパラガスの栽培に乗り出した。長年に渡る試作のすえ、1922年(大正11年)、40町の砂丘地から日本で初めて本格的なアスパラガスの栽培が始まった。

アスパラという名の希望が、各地へ。

下田博士は、その2年後には、有力者の支援をうけ、日本アスパラガス株式会社を設立。やがて岩内で作られたホワイトアスパラの缶詰は、輸入缶詰より高い評価を受けるようになったという。
そして下田博士は、アスパラをぜひ作りたいという願いに応え、昭和初期には喜茂別へ、戦後は富良野に栽培の指導を行い、アスパラ畑は各地に広がっていったのだ。
いま、北海道はアスパラ生産量日本一だ。太くて、料理の主役になれる北海道のアスパラ。そのまっすぐな姿は、博士の人柄を映しているかのようだ。

ホワイトアスパラの缶詰
外貨獲得の切り札として輸出されていたホワイトアスパラの缶詰。
  • 下田博士の研究室下田博士の研究室。その研究熱は食用ザリガニや肝油にも及んだ。
  • アスパラの坂アスパラ工場があったことから、いまも「アスパラの坂」と呼ばれる。
  • ●取材協力・写真提供:岩内町郷土館

【地元おすすめスポット】人もアスパラもいい土から、まっすぐ育つ。

海と田んぼの恵みで土づくり。

蘭越町は米どころで有名。中屋農園では、その米のモミ殻と、豊浦町の水産工場から出る産卵済みの鮭を混ぜて発酵させた自家製発酵堆肥を、すべての畑に投入している。ミネラルたっぷりのふかふかの土のベッドで育つアスパラは極太でジューシー。レストラン・マッカリーナやザ・ウインザーホテルなど、食材にこだわるレストランからの評価も高い。

  • 1本1本手作業で刈り取る様子すべて手作業で、1本1本刈り取る。
  • アスパラの新鮮な断面こだわりの土が、瑞々しいアスパラをつくる。

スーパーでは買えない、とれたての味。

中屋農園には、神戸や大阪などからの修学旅行生も収穫体験にやってくる。「スーパーで売っている味しか知らないでしょ。みんなビックリしますね。中には、こんなにおいしいなら、アスパラ作っている長野のおじいさんち行こうかな、なんて言うコがいたりしてねぇ」と笑う中屋さん。
とれたてのアスパラの切り口を見せてもらうと、水分が染み出てきてキラキラ光っていた。根元の硬いところは、ポキッと折って、ミキサーでジュースにするとおいしいと教えてもらい、取材後にさっそく試してみたが、これがじつにやさしい甘さだった。
中屋農園では、ハウスと露地でアスパラの収穫体験を行っている。4月のハウス栽培の時期からスタートし、露地のアスパラ畑へ移っていく。ハウスでは、とりはじめてから45日で収穫を切り上げ、手入れだけ続ける。するとお盆の頃にまたアスパラが出てくるという。ぜひ家族やグループで体験してみよう。自分たちで収穫して食べた味は、思い出になるだろう。

【中屋さんが教えてくれたアスパラの見分け方】キュッと締まった穂先が鮮度の証拠。ハカマはキレイな三角形で、間隔は短い方が柔らかい。太いほうがジューシーで栄養たっぷり。

中屋農園
【住所】北海道磯谷郡蘭越町字上里17‐16
【お問い合わせ】TEL0136‐56‐2267
【体験料金】一人700円(税込)
※アスパラは、別料金となります。
※事前予約必要・50名まで可能
※作物の生育状況によりお断りすることもあります。
【主な栽培野菜】グリーンアスパラ、ホワイトアスパラ、紫アスパラ、じゃがいもなど。
中屋農園

【地元限定アイテム】ロッジで買える、ふんわりアスパラパン。

地元の野菜が、パンをやさしくする。

手作りパン&ロッジ bears(ベアーズ)の松浦さんが焼く、旬の野菜を練り込んだパンが人気だ。
もう何年も前から、アスパラの時期には、アスパラパン。どーんと一本乗せて焼くが、生地にも刻んだアスパラを練り込んでいて、噛むと甘みが広がる。地元のおいしい水と道産小麦とアスパラが織りなすやさしい味だ。朝から焼くので、お昼くらいに訪れると買える。「ロッジでの販売なので、パンを買いに来ましたと、声をかけてくださいね」と松浦さん。万一売り切れのときは、蘭越町交流促進センター「幽泉閣」でも買える。

  • アスパラパンアスパラパン…350円(税込)
  • おいしいアスパラパンを手でちぎる様子スライスしても、そのままオーブンで暖めてもおいしい。
手作りパン&ロッジ
bears(ベアーズ)
【住所】北海道磯谷郡蘭越町ニセコ湯里温泉郷
【お問い合わせ】TEL0136-58-3288
【営業時間】9:00~12:00
【定休日】月・火
【ホームページ】http://www.niseko-bears.com/
手作りパン&ロッジ bears(ベアーズ)

【ご当地グルメ】寿都の海にはアスパラの相棒がいた。

旬のアスパラを、寿かきの汁で味わう。

アスパラの新しい食べ方を求めて向かったのは寿都町。殻付きのかき焼きを満喫できる「かき小屋吉野」だ。ここのかきを食べに、わざわざ本州からやって来るお客さんも多い。
全国的にブームのかき小屋だが、「かき小屋吉野」はその先駆け。ご主人の吉野さんは、新境地を拓こうと、かきとアスパラの新メニューを開発した。その名も「寿(ことぶき)かきの汁で味わう旬のアスパラ」。寿かきは、5~6月頃だけ寿都の海で獲れ、アスパラの収穫時期と重なる。まさにご当地の海と畑の、旬の王者対決!両方の旨味がマッチして絶品だ!ぜひ、お試しを。

  • 鉄板の上で蒸している寿かき鉄板の上で蒸すと汁がジュワ~と出る。
  • 寿かきの汁が染み込んだアスパラかきの汁が染み込んだアスパラは格別。
かき小屋吉野
【住所】北海道寿都郡寿都町字歌棄町美谷206‐1
【お問い合わせ】TEL0136‐64‐5018
【営業時間】11:00~16:00
【ホームページ】http://yoshino-yagura.jp/kakigoya/
※かきは、45分間食べ放題4,000円または1kg単位1200円+ガス代300円(すべて税込)、アスパラは、別料金となります。
※5~6月頃の「寿かき」シーズンは寿都町産、その他期間は道南・知内町産のかきです。
かき小屋吉野

星澤幸子先生の「アスパラ」を食べレシピ

茹でるだけで、ご馳走アスパラ。アスパラのポーチドエッグのせ

アスパラのポーチドエッグのせのイメージ
材料(4人分)
アスパラ(グリーン・ホワイト) 各1束
塩、油、水溶き小麦粉 各少々
1個
パセリのみじん切り 少々
【マリネ液】
粒マスタード、油、酢 各大さじ1杯
小さじ1杯
コショウ 少々
  1. アスパラは根元の硬い皮をむきます。マリネ液の材料を合わせておきます。
  2. 鍋に湯を沸かし、卵を静かに落として白身が固まってきたら取り出します。同じ鍋に塩、油を入れてグリーンアスパラを入れ、色鮮やかになったら取り出します。同じ湯に水溶き小麦粉を加えてホワイトアスパラを入れ、爪が立つようになるまで茹でて取り出します。
  3. アスパラを器に盛り、マリネ液をかけて卵をのせ、パセリのみじん切りをあしらいます。卵を崩して絡めていただきます。
星澤先生のココがポイント!
ポイント1硬い皮の部分をピーラーで薄く平らにむいて下ごしらえを。
ポイント2むいた皮を弱火でゆっくり炒める。パリパリで香ばしく美味。
(★今回は、「アスパラのり巻き」の付け合わせです。)

握って焼けば、ボリュームアップ。アスパラのげんこつ焼き

アスパラのげんこつ焼きのイメージ
材料(4人分)
グリーンアスパラ 4本
小麦粉 少々
豚ひき肉 200g
1個
長ねぎ 1/2本
塩、コショウ 各少々
大さじ1杯
【調味料】
しょうゆ 大さじ2杯
みりん、酢、てんさい糖 各大さじ1杯
粗みじん切り唐辛子 少々
  1. アスパラは根元の硬い皮をむいて3等分に切り、小麦粉をまぶします。
  2. ポリ袋にひき肉、卵、塩、コショウを入れて粘りが出るまでよく練ってから、みじん切りにした長ねぎを加えて練ります。
  3. 袋の端を切り12等分に絞り出します。アスパラの両端を出して、手水をつけて握るようにしてひき肉をアスパラにつけます。
  4. フライパンに油を熱して転がしながらゆっくり焼きます。火が通ったら合わせた調味料を加えてツヤが出るまで煮詰めます。
  5. 器に盛り、粗みじん切り唐辛子をあしらいます。
星澤先生のココがポイント!
ポイント1ポリ袋に入れ、アスパラに小麦粉をムラなくまぶしましょう。
ポイント2肉は平らに巻きつけましょう。手水をつけるのがポイント。

炊き込み酢飯で、とってもお手軽。アスパラのり巻き

アスパラのり巻きのイメージ
材料(4人分)
グリーンアスパラ 太め4本
塩、油 各少々
2個
塩、てんさい糖、油 各少々
好みのチーズ 50g
紅しょうが 少々
海苔 2枚
2合
大さじ4杯
てんさい糖 大さじ2杯
小さじ1杯
  1. 米は炊く30分前にといで分量の水に浸し、調味料を加えて炊きます。炊けたらすぐにへら返しし、平らな容器に入れて冷まします。
  2. アスパラは根元の硬い皮をむいて半分に切り、塩と油を入れた湯で茹でます。卵をボウルに割り入れ、調味料を加えてよく混ぜます。フライパンに油を熱して卵を流し入れ、ふんわりした炒り卵を作ります。チーズは細長く切ります。
  3. すだれに海苔を置き、酢飯の半量を広げ、半量の材料をのせて手前から巻きます。キッチンペーパーで包み、少し置いてから8等分に切ります。同様にもう1本巻きます。
星澤先生のココがポイント!
ポイント1手前に具をおき、巻いていく。巻き終わる直前に、1回力をいれること。
ポイント2両側のふちを手で抑えると、仕上がりがぐんとキレイに。
星澤幸子先生 プロフィール
北海道南富良野町生まれ。星澤クッキングスタジオ主宰。
札幌テレビ初の夕方のワイド番組の放送開始から毎日生出演し、料理を紹介して25年。
紹介数は6100品にのぼる。それによるギネス記録保持者であり、自己の記録を更新中。
北海道の食材にこだわり、誰にでも作れる手軽な料理を紹介して、独自のスタイルを確立し中高年の主婦を中心に、幅広い世代から支持を得ている。
星澤幸子先生
【今月のプレゼント】留寿都産のアスパラと旬の野菜のフリーズドライセット

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