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あなたのまちを ぐるり深ぼりツアー vol.16

第16回 「下川の旅」<後編>

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あなたのまちを ぐるり深ぼりツアー 第16回「下川の旅」<後編>

これまで道内各地を取材してきた北海道の月刊情報誌「HO(ほ)」が、毎月、あなたのまちにスポットをあて、まちの魅力を深ぼりしてご紹介。
北海道がもっとおもしろくなるマニアックな旅へお誘いします。

今月は「下川」を旅します。


幻の下川産小麦粉が香る 伝統の手延べうどん【たばた製麺】

下川町には、市場に大量に出回ることがない、知る人ぞ知る特産品があります。
人口わずか3,200人ほどの町内に製麺所が8軒あり、職人の技が生きる「手延べうどん」を生産しています。

地元産小麦だけを使用した手延べうどん「雪の華舞」を製造している「たばた製麺」を訪ねました。

下川町はもともと戦後から1980(昭和55)年ごろまで大手製麺会社があり、製麺の基盤があったまちです。
1970(昭和45)年、町内の米穀店を営む倉本博さんが、手延べ麺の製造を季節雇用者や農家の冬の仕事にできないかと考え、「揖保の糸」で有名な兵庫県たつの市で自ら習得してきたことが始まりでした。

たばた製麺の代表で、手延べ麺の職人である田畑寿彦さんです。
田畑家は、たばた商事として1964(昭和39)年から地元の生乳を加工してビン牛乳を販売していましたが、人口減少する下川町で乳製品販売を続けることは厳しいとの判断から、手延べ麺の製造へ方向転換しました。
先代のお父さんから呼び戻され2代目を継ぐことになった田畑さんが、製麺業を営む前に倉本さんのもとに通って技術を学び、手延べ麺を発売したのは1984(昭和59)年のことです。

田畑さんは、下川の手延べ麺に付加価値をつけようと、5軒の製造業者と共に、2005(平成17)年より道産の素材のみで造った「奥蝦夷白雪」を発売します。道産小麦粉に宗谷の塩、滝川産の菜種油で製造する、100%道産素材の手延べうどんです。

さらに、田畑さんは「地元下川産の小麦で麺を作りたい」と、幻の小麦と言われるほど貴重な小麦、ハルユタカの生産者やまちに呼びかけ、小麦粉として製品化を実現、そしてできたのが「雪の華舞」です。

さて、そんな「雪の華舞」を製造しているところを見せていただきました。
早朝5時から作業は始まります。田畑さんが小麦粉に塩水で水回しをしたのち、ビニールで保護した生地を踏み、こねます。その後、機械にかけられる大きさに切り分け、延ばしていきます。

「最初はこんなに太い麺なんですよ」
時間をかけて延ばしていき、途中で乾燥を防ぐために菜種油を塗りながらさらに延ばします。

ある程度の細さになったら、棒にひも状の麺をかけ、ようやく手延べを行います。
絶妙な手加減で少しずつ延ばしていくのですが、季節や天候でも延び方が変わるので、田畑さんが毎日水分量を調整しているのですよ。
熟練の職人の技も味の決め手です。

延ばす作業を終えた後も、乾燥工程での調整を夜遅くまで田畑さんが行うそうです。
田畑さん渾身の「雪の華舞」は細身で喉越しはつるっと滑らか。
「鼻に抜けるハルユタカの香りも最高です」
風味豊かで道産小麦特有のモチモチとした食感です。

希少な下川産小麦の手延べうどん「雪の華舞」を、みなさんのおみやげプレゼントにしますね。
町内には、下川うどんを味わえる飲食店がたくさんあるので、そちらもぜひ立ち寄ってみてください。

たばた製麺

住所
上川郡下川町共栄町247
電話
0120-014-001
営業時間
9:00~17:00
定休日
日曜
URL
https://shimokawa.ne.jp/tabataec/html/

※直売あり。インターネットでの通販も行っています。


しぼりたてミルクと地産地消のスローフードカフェ【Shop Cafe 美花夢(びかーむ)】

さて、次は牧場直営で、下川産食材にこだわるカフェを訪ねます。

まちの中心地にある「Shop Cafe 美花夢(びかーむ)」
丘の上にある押田牧場直営のカフェです。

キッチンではちょうどパンが焼きあがっていました。香ばしい香りにつつまれて、幸せな気分になってきます。

営むのは押田さん家族。左から牧場の2代目である猛さんと、パンを担当する妻の鏡子さん。お菓子作りを担当する長女の大場志穂さんです。
長男の大志さん、三佳さん夫妻は、牧場で酪農とチーズ作りを担当しています。

もともとは2002(平成14)年に、牧場のそばに小さな工房兼直売所をオープンしたことが始まりでした。
夏は工房で販売し、山道が危なくなる冬には、山の上からトラックで小さな小屋を運んでそこで販売していたそうです。そして、2005(平成17)年に今の場所にお店をオープンしました。

パンに使うのは先ほどのたばた製麺さんでも使用している、希少な地元産小麦ハルユタカの小麦粉。
「牧場のミルクや地元の安全な卵など、地産地消のスローフードが楽しめる店にしたかったの。たばた製麺さんが働きかけてくれて、地元の小麦でパンが焼けるようになって本当によかったのよ」と鏡子さん。

美花夢のパンは天然酵母でゆっくりと発酵させるパン。なかでも「まるぱん」300円(税込)は、地元の小麦としぼりたて牛乳、石垣の塩のみでできています。小麦の香りが香ばしく、サクっと軽い食感。噛みしめるとすっと口の中で溶けていく、今まで味わったことのない味わいに感激しました。
ほかにも自家製カスタードクリームのクリームパン、シナモンロール、サクサクのメロンパンなど、毎日10種類ほど焼いています。

店内では、パンやお菓子のイートインはもちろん、下川のうどん、パスタなどの食事メニューも豊富です。地元の人はもちろん、町外からのお客さんもやってきます。

ハルユタカを使った自家製パスタの「ラザニア」も人気です。押田家自慢のミートソースとモッツァレラチーズがたっぷり。イートインは750円(税込)、器ごと販売のテイクアウトは860円(税込)です。

志穂さんが作るお菓子も評判で「チーズクリームのロールケーキ」1カット250円(税込)は大人気。クリームチーズを合わせた爽やかなクリームを、ココアとチョコ、卵だけでふんわりと焼き上げた生地で贅沢に巻いています。この日は「誕生日に1本食べたい!」という地元小学生の熱烈なリクエストに応え準備しているところでした。
スイーツはケーキやプリンなど常時7~8種類ありますよ。

夏になると、牧場の工房周りは花に包まれるそうです。鏡子さんと猛さん、ガーデンコーディネーターでもある志穂さんが長い歳月をかけ、ようやく完成したそう。この自然があふれる場所で、おいしいミルクと美花夢のチーズが作られているんですね。

Shop Cafe 美花夢

住所
上川郡下川町幸町125
電話
01655-4-2756
営業時間
[月~木曜] 11:00~19:00
[金・土・日曜] 11:00~20:00
定休日
火曜
URL
http://be-calm-s.com/shopcafe.html

※掲載情報は2020年2月25日時点のものです。

北海道情報誌
HO
[ ほ ]
(毎月25日発売 本体556円+税)


北海道の旬な情報、おすすめスポットなどを、独自の視点で紹介する北海道の総合情報誌です。道民も目からウロコの情報をお届けします。
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※厳正なる抽選のうえ、賞品の発送をもって発表にかえさせていただきます。
※当選賞品の発送は4月下旬の予定です。

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