ここから本文です。
ここから現在位置です。
現在位置ここまで。

プロトーク vol.5

専門家のワンポイントアドバイス 家庭菜園編「家庭菜園のヒント@北海道」②

こちらに掲載されている記事の、ポイント獲得・抽選応募期限は終了しております。

専門家のワンポイントアドバイス「プロトーク」

家庭菜園のヒント@北海道越冬野菜を貯蔵するポイント

【家庭菜園・ガーデニング】長谷川 豊 氏 はせがわ ゆたか
長谷川 豊 氏 はせがわ ゆたか
1941年生まれ、札幌市在住。
NPO法人農業塾風のがっこう理事長。
剣淵高校、標茶高校、岩見沢農業高校の校長を歴任。
2002年に酪農学園大学教授に。2008年より現職。
農業後継者や新たに農業に挑戦したい人、
特に社会的弱者といわれる障害者や高齢者を農業者に育てる活動を行っている。
北海道新聞で<おばんでした 暮らしのレシピ>
「長谷川豊の家庭菜園」を連載中。
著書に「北海道の野菜作り入門」(農業塾風のがっこう)。

北海道の冬には、旬の野菜がないと言われています。しかし、北海道ならではの冬の野菜があります。それが越冬野菜です。雪や土に埋められた野菜は、低温の中で良く眠り(熟成)、年が明けて春の兆しを感じる頃に徐々に眠りから覚めて子孫を残す準備に入ります。野菜が必要栄養分を体内に蓄え、不要な養分を外に出していくのです。とくに根の野菜やキャベツ・ハクサイは、冬の間にでんぷんを糖に変えてくれます。それを掘り出して頂くわけですから、美味しさは天下一品。家庭の庭先でも簡単にできる越冬野菜の貯蔵方法を紹介します。

掘り出したばかりのみずみずしい越冬野菜

収穫と貯蔵前保存・貯蔵方法

収穫直後のほとんどの野菜は水分が90~95%と非常に多く、貯蔵前に空気を通さないビニールのような袋や容器に入れてしまうと、腐敗の原因になるので注意が必要です。バレイショ、ニンジン、ダイコンなど根菜類は庭や畑に穴を掘り、その中に埋めます。キャベツは雪の下に埋め、ナガネギ・ハクサイは新聞紙に包み冷暗所で貯蔵します。

1 バレイショ

収穫したイモは、半日くらい風通しの良い場所で乾燥させた後、1ヶ月以上保存しておきます。この場合、紙袋に入れることが肝心。紙袋はホームセンターなどで売っている大きなコメ袋が最適です。保存場所は、日陰で暗く湿気のないところを選びます。直射日光に当てると芋が緑色に変色し、毒性成分(ソラニン)のある芽が出てしまうので注意しましょう。寒くなった10月~11月頃に土の中に入れて貯蔵します。

2 ニンジン、ゴボウ、カブなど

これらのものは、バレイショほど休眠期間が長くありません。収穫して常温の状態で長く置くと、目が覚めて切り口から発芽してしまいます。収穫してから1日程度、風通しの良い場所で乾燥させた後、ただちに土の中に貯蔵します。

3 ダイコン

葉をつけたまま貯蔵する方法と、葉をすべて切り落として貯蔵する方法があります。葉をつけたまま貯蔵すると葉がダイコンの不要な養分を吸収してくれます。他の野菜と一緒に貯蔵する場合は葉を切り落として貯蔵します。ダイコンは水分を必要とする野菜なので、収穫したらただちに土の中に貯蔵します。

【バレイショ・ニンジン・ダイコンなど根菜類を貯蔵する方法】
【ダイコンの葉をつけて貯蔵する方法】
【ダイコンの葉を切り落として貯蔵する方法】

4 キャベツ

雪が降り出す直前に、外側の葉を付けたまま収穫します。その後、キャベツを集めて畑の上に置いておき、雪の下に貯蔵します。外側の葉はキャベツを雪の中から掘り出した後に剥ぎ取ります。

【キャベツを貯蔵する方法】

5 ナガネギ

収穫後に根を1cmくらい付けて切り取り、外側の葉をつけたまま2~3日、風通しの良い場所で乾燥させ、1本ずつ新聞紙に包んで、立てて貯蔵します。この場合、できるだけ低温の物置か車庫などに置き、凍結しないように注意します。

6 ハクサイ

ハクサイは外側の葉をつけたまま収穫して、2~3日、風通しの良い場所で乾燥させ、1株ずつ新聞紙に包んで、立てて貯蔵します。この場合、できるだけ低温の物置か車庫などに置き、凍結しないように注意します。雪の下に貯蔵する場合は、キャベツと同じ方法で行います。

過去記事一覧へ戻る

ページの先頭へ戻る
本文ここまで。