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食べるぽ vol.2

食べて地元を愛すルポ vol.2「ラワンぶき」

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食べて地元を愛すルポ「食べるぽ」Vol.2 ひとつの食材をテーマに、産地へ飛んでルポルタージュ。地元ならではの話題からレシピまで、おいしい情報満載!【今月のテーマ】ラワンぶき【今月のプレゼント】25名さまにプレゼントラワンぶきの水煮150g×5袋セット 【Mission】巨大なラワンぶきを目撃せよ!足寄町だけに生育するラワンぶき。自生している螺湾地区と、栽培されたものが集まる山菜工場に潜入してみた。

星澤幸子先生の「ラワンぶき」を食べレシピ

【おいしさのふるさと】螺湾川のほとりからラワンぶきは始まった。

初夏の1カ月で1年分をまかなう。

6月の初旬から7月半ばにかけて、JAあしょろ生産振興部農産課山菜工場のラワンぶき施設は、一年でいちばん活気づく。2町(約2万㎡)あるJAの畑と21戸の生産農家の畑で収穫されるラワンぶきが、毎日10tも運び込まれるのだ。それは届くとすぐに選別される。一部は、生ラワンぶきとして加工され、残りは、塩漬けとして倉庫のなかで寝かされることになる。年間の生産量は300t前後。1カ月で収穫され、1年かけて出荷される。

  • ラワンぶきの選別作業ラワンぶきの選別作業。生のまま出荷するものは機械で50㎝にカットし、塩漬けにするものは10本ほどの束にする。
  • ラワンぶきの貯蔵庫アクが少ないラワンぶきは、ゆでずに貯蔵庫へ。大量の塩を入れ、500kgもある重石をして水分を出し切る。
  • ラワンぶきの皮むき塩漬けのラワンぶきを30分ほどゆでたら、皮をむいて12㎝の長さにカット。このあと銅釜でゆでることで、鮮やかな緑色に戻る。
  • ラワンぶきのパッケージ水煮や漬物などの加工も山菜工場で行う。水煮の出荷のピークは12月。煮物に使われることが多く、秋から需要が伸びるという。

足寄町の外には持ち出せないもの。

ラワンぶきは、アキタブキという大きいのが特徴のフキの仲間だ。足寄町の螺湾(らわん)地域、螺湾川の周辺に自生している。不思議なのは、螺湾地域でしか巨大にならないこと。盆地ならではの気候、雌阿寒岳の火山灰による土質、螺湾川の上流にあるオンネトーから流れ入る成分など、さまざまな要因が考えられている。しかし、いまだ解明には至らず、謎が多い。

「山菜工場で加工するラワンぶきのうち、自生のものは1割ほど。あとは、自生のフキノトウから種を採取して育てたものです。ようやく収穫できるようになるまで3年がかり。せっかく育てても、茎の中を虫に食われて、50本のうち1本しか収穫できないということもありました。いまは、虫が発生する前に、畑をまるごとネットで覆うという虫対策が普及して、安定した収量を保てるようになりました」と、工場長の黒田清さん。雨が多い今年は、虫が茎に入り込むことも少ないため、さらに収穫量は期待されている。2001年10月、ラワンぶきは北海道遺産に選ばれた。以来、種や苗を足寄町の外に持ち出すことは禁止されている。ラワンぶきは、名実ともに足寄町のフキなのだ。

約3mの巨大なラワンぶき
巨大なラワンぶきは、大きいもので約3mにも成長する。ずっしりと重く、1本持つのも一苦労。

●取材協力:JAあしょろ生産振興部農産課山菜工場

【地元おすすめスポット】ラワンぶきの下で、コロポックルになってみる。

ダイナミックな自然の姿を知る。

足寄町の中心部から40分ほど車を走らせると、螺湾地区はある。阿寒湖へと抜ける道道664沿い、山あいのそこは、セミや野鳥の声だけが聞こえる静かな場所だ。ここが、ラワンぶきのふるさと。螺湾川に沿うように、自生している。鬱蒼としたラワンぶきの森を想像したが、道道から見ると、見上げるのではなく眼下に見渡す感じ。それは、清流のそばに広がるワサビ田を思わせる。

その一部が整備され、「ラワンブキ観賞ほ場」となっている。段差のある地形をうまく使った周遊路をめぐると、下から仰ぎ見れば、コロポックル気分が味わえ、上から見晴らせば、ダイナミックな風景が楽しめる。その姿は、ほとんど自然のまま。周遊路の雑草を刈り取るくらいで、必要以上の手は入れていないという。「なぜ、螺湾地区でだけ巨大に成長するのか」。いまだ解けない謎の答えを探して、ラワンぶきのなかを散策するのもいいだろう。

  • 螺湾川のラワンぶき螺湾川のほとりに群生するラワンぶき。
  • 2m以上に育ったラワンぶき6月末〜7月初旬、2m以上に育ったラワンぶきが見られる。

ところで、「ラワンブキ観賞ほ場」の近くに「シオワッカ(足寄石灰華半ドーム)」と呼ばれる、足寄町の文化財第1号に指定された奇岩がある。冷泉から流れ出る炭酸カルシウムなどが沈殿して、ドーム状に固まったものだ。これもまた、自然がつくりだした不思議。ラワンぶきの謎解きのヒントになるかもしれない。立ち寄ってみても面白い。

ラワンブキ観賞ほ場
【住所】北海道足寄郡足寄町上螺湾
【お問い合わせ】TEL 0156-25-6131(NPO法人あしょろ観光協会)
【ホームページ】http://www.ashoro-kanko.jp
※カーナビにはマップコード「596 058 306」を入力してください。
ラワンブキ観賞ほ場

【地元限定アイテム】山菜工場で加工されたラワンぶきが大集合。

定番も季節限定品もそろうから、寄ってみな。

JAあしょろの山菜工場で加工されたラワンぶきは、直売所「寄って美菜」で手に入る。定番中の定番である水煮のほか、「ラワンぶきカレー」(500円)や「ラワンぶきとにしんの煮物」(550円)などレトルト食品まである。そのラインアップに今年は、「あしょろチーズカレー」(600円)と「あしょろ煮」(650円)が加わった。食べる楽しみの前に、選ぶ楽しみを味わえる。定休日のときは、道の駅あしょろ銀河ホール21の売店でも買える。

注目は「生ラワンぶき」。収穫の時期だけ店頭に並ぶ、貴重なものだ。水煮にはない食感と風味がある。50㎝の長さにカットされ、家庭でも調理しやすいのがいい。水煮との食べ比べという、季節限定の贅沢を楽しんでみてはいかがだろう。

  • 加工されたラワンぶき定番の水煮のほか、レトルト食品や、ふきの葉のパウダーを使用した石けん・入浴剤がそろう。
  • 生ラワンぶき「生ラワンぶき」として出回るのは、全収穫量の1割ほど。
JA直売所「寄って美菜」
【住所】北海道足寄郡足寄町北1条1丁目3-1
道の駅あしょろ銀河ホール21 併設
【お問い合わせ】TEL 0156-28-0303
【営業時間】9:00〜17:00 ※季節による変動あり
【定休日】火曜
【ホームページ】http://www.jaasyoro.jp/store/
※生ラワンぶきが店頭に並ぶのは、収穫時期の6月のみ。提供時期の詳細はお問い合わせください。
JA直売所「寄って美菜」

【ご当地グルメ】ラワンぶきと定番料理、ららばいの厨房で出会う。

天ぷらとサラダは、ラワンぶきの新常識。

足寄町では、生ラワンぶきの天ぷらが味わえる。採れたての山菜のように、新鮮なラワンぶきが手に入る地元ならではの伝統的な食べ方なのだろう。と思いきや、ここ数年で知られるようになった新しい食べ方なのだという。「実家が生産農家という知り合いから、おいしくてよく食べているという話を聞いて、試しに作ってみたのです」と、「ららばい」店主の堀江誠さん。それが、じわりじわりと広がり、足寄町の新名物となった。

サラダは、「セロリに似ているから嫌い」と言った友人の一言がヒントになったという。セロリほど強い香りはないが、歯ごたえはたしかに似ている。町のもう一つの特産品であるチーズ(モッツァレラ)を合わせた「あしょろ特産サラダ」と、さわやかな緑の「ラワンぶきと水菜のサラダ」。どちらも味付けは、塩こしょうとバジルのみ。イタリアンなラワンぶきをお試しあれ。

  • ラワンぶきのサラダ「あしょろ特産サラダ」と「ラワンぶきと水菜のサラダ」(各500円)
  • ラワンぶきの天ぷら天ぷら(500円)は、6月〜7月のラワンぶきの収穫時期だけのお楽しみ。
ららばい
【住所】北海道足寄郡足寄町南2条2丁目4
【お問い合わせ】TEL 0156-25-5292
【営業時間】17:00〜23:00(LO22:30)
【定休日】日曜
【ホームページ】http://ashorolullaby.blog89.fc2.com
※サラダは、どちらも通年メニューです。6月中旬〜7月上旬は生ラワンぶき、それ以外の時期は水煮を使用しています。 ※天ぷらは、生ラワンぶきのある6月中旬〜7月上旬の限定メニューです。提供時期の詳細はお問い合わせください。
ららばい

星澤幸子先生の「ラワンぶき」を食べレシピ

さっと炒めて、食感と風味を味わう。ラワンぶきのにんにく炒め

ラワンぶきのにんにく炒めのイメージ
材料(4人分)
ラワンぶき 300g
ベーコン 3枚
にんにく 2片
油、酒 各大さじ1杯
塩、コショウ、しょうゆ 各少々
黒コショウ 少々
  1. ラワンぶきは、縦2㎝幅に切ってから、ひと口大に切ります。ベーコンは、1㎝幅に切り、にんにくは薄切りにします。
  2. フライパンに油とにんにく、ベーコンを入れて熱します。香りが立ったらラワンぶきを入れて炒め、酒を振ってフタをして5分ほど蒸し焼きします。
  3. 塩、コショウ、しょうゆで味を調えて器に盛り、黒コショウをあしらいます。
星澤先生のココがポイント!
ポイント1ラワンぶきは大きいので、いろいろな形に切るという楽しみ方もある。ここでは、縦に切ったあと、ひと口大の乱切りに。
ポイント2ラワンぶきの色を活かすには、しょうゆを少なめにして、塩で味付けする。

ひき肉とからめて、メインディッシュに。ラワンぶきのそぼろ煮

ラワンぶきのそぼろ煮のイメージ
材料(4人分)
ラワンぶき 300g
豚ひき肉 100g
しょうが 1片
大さじ1杯
角切り昆布 大さじ1杯
【調味料】
しょうゆ 大さじ1+1/2杯
酒、てんさい糖 各大さじ1杯
水溶き片栗粉 適量
粗みじん切り唐辛子 少々
  1. ラワンぶきは1㎝幅の輪切り、しょうがはみじん切りにします。
  2. 鍋に油を熱して、しょうがと豚ひき肉を入れて炒めます。肉の色が変わったら、角切り昆布とラワンぶき、調味料を入れてからめ、フタをしてラワンぶきが軟らかくなるまで煮ます。
  3. ラワンぶきを片側に寄せ、煮汁に水溶き片栗粉を加えてとろみをつけ、全体にからめます。器に盛り、粗みじん切り唐辛子をあしらいます。
星澤先生のココがポイント!
ポイント1豚ひき肉に火が通って白っぽくなったら、角切り昆布とラワンぶきを入れて、よく炒めること。
ポイント2ラワンぶきは大きくて肉とからみづらいため、水溶き片栗粉でとろみをつけましょう。

漬けるだけで、さわやかな初夏の味。ラワンぶきのピクルス

ラワンぶきのり巻きのイメージ
材料(中瓶1本分)
ラワンぶき 300g
たかのつめ 1本
【ピクルス液】
酢、水 各大さじ5杯
てんさい糖 大さじ3杯
小さじ1/2杯
  1. ラワンぶきは、瓶や保存容器の長さに合わせて切り、縦2㎝幅に切ります。瓶や保存容器に、種を取ったたかのつめと一緒に入れます。
  2. 鍋にピクルス液の材料を全て入れて一度沸騰させます。粗熱を取ってから瓶に注ぎます。
  3. 1〜2時間以上漬けて、味をなじませます。
星澤先生のココがポイント!
ポイント1
ピクルス液は、粗熱を取ってから、ひたひたになるくらい注ぐこと。
生ラワンぶきを使う場合
生ラワンぶきを鍋に入る長さに切ってから洗います。鍋にたっぷりの湯を沸かし、塩と重曹を入れて、生ラワンぶきをゆでます。色鮮やかに透明感が出るまでゆでたら、水にひたして冷ましてから、皮をむきます。保存する場合は、たっぷりの水にひたして、冷蔵庫に入れましょう。
上記のレシピは、やまぶきなどでも作れます。気軽にチャレンジしてみましょう。
星澤幸子先生 プロフィール
北海道南富良野町生まれ。星澤クッキングスタジオ主宰。
札幌テレビ初の夕方のワイド番組の放送開始から毎日生出演し、料理を紹介して25年。
紹介数は6100品にのぼる。それによるギネス記録保持者であり、自己の記録を更新中。
北海道の食材にこだわり、誰にでも作れる手軽な料理を紹介して、独自のスタイルを確立し中高年の主婦を中心に、幅広い世代から支持を得ている。
星澤幸子先生
【今月のプレゼント】25名さまにプレゼントラワンぶきの水煮150g×5袋セット

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