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あなたのまちを ぐるり深ぼりツアー vol.1

第1回「小樽の旅」<前編>

こちらに掲載されている記事の、ポイント獲得・抽選応募期限は終了しております。

あなたのまちを ぐるり深ぼりツアー 第1回「小樽の旅」<前編>

北海道の月刊情報誌「HO(ほ)」がお届けする、新コラムがスタート!

新コラムでは、これまで道内各地を取材してきたHO(ほ)が、毎月、あなたのまちにスポットをあて、まちの魅力を深ぼりしてご紹介。
北海道がもっとおもしろくなるマニアックな旅へお誘いします。

その名も・・・・・・「あなたのまちを ぐるり深ぼりツアー」

今月は「小樽」を旅します。


カフェに雑貨にお惣菜。ワクワク市場さんぽへ【小樽中央卸市場/小樽中央市場】

今回訪れるのは、歴史ある港町。

そうです、小樽にやってきました。
まずは地元の人が日常的に出かける、市場へおでかけしてみましょう。

昭和の面影が懐かしい、2つの市場が並ぶこの場所は、鮮魚店はもちろん、惣菜屋やもち屋さん…、さらにおしゃれな雑貨屋や花屋さんまで。さまざまな店がずらりと並ぶ市場です。

まずは国道沿いにある「小樽中央卸市場」へ。
味のある外観ですが、中に入れば…。

まさかここに?こんなにおしゃれな雑貨店が!
「hokkaiya」は、ナチュラルなウエアやアクセサリー、キッチン雑貨や食品類がたくさん揃う、食と雑貨の店。もともと食品卸店だった場所を改装して店を開き5年目なのだそう。

今なら、夏に活躍するカゴバッグやリネンのウエアが充実。
日曜は市場はお休みですが、正面入口に向かって右にある、横の入口から入れますので行ってみよう!

次はさらにその後ろにある「小樽中央市場」へ。
3棟の建物には、ユニークな商店や飲食店が多く回り切れないほどの店舗があります。今日はごく一部を巡ります。

「小樽中央市場」は1946(昭和21)年に引揚者によって結成され、現在地にバラックの仮店舗が建てられたのがはじまり。現在の建物が完成したのは1956(昭和31)年で、当時は「ガンガン(ブリキ缶)」を背負って買い出しに来た行商人で溢れかえっていたそう。「ガンガン」は中央市場の象徴のようなもの。市場内の「ガンガンギャラリー」では、そんな当時の行商人の姿や小樽の歴史などを常時展示しています。

さて、ここでまず急いで行くなら小樽市花園で3代続く創業70年の「みなともち 中央市場店」へ。なぜなら午前中でほとんど売り切れになるからです。

つきたての切り餅や大福、だんごやべこもち。春に摘んだヨモギをふんだんに入れた、香りも色も濃厚な草べこもち135円は最高。軽くあぶって食べてもおいしいですよ。

お昼が近くなったら、60年近く営業している「酒田商店」へ。揚げたてフライや惣菜が並ぶ、酒田昭之輔さんと妻の具子(ともこ)さんの店。2年前に長年店を出していた入船市場が閉鎖になり、ここに移転しました。

名物は週末なら800個揚げることもあるイカメンチ。鮮魚店で余ったイカゲソで考えた酒田さんのアイデアメニュー。すり身とキャベツを合わせた、ふんわり食感は、揚げたてはもちろん冷めてもまたおいしい!

「弁当、総菜、デリカ樽っ子」は、ここで40年近く営む柴田敏行さんの店。直前にご飯を詰めてくれるお弁当540円が山盛りになっていましたが、昼は地元のお客さんが次々訪れ、あっという間になくなります。

人気の、樽っ子ザンギ(100g)200円や、ふっくらご飯のおにぎり各110円を、イートインスペースでいかが?
今度はお弁当を食べたいな!

次は、すてきなお花屋「クチル花店」
“朽ちる美しさ”をコンセプトに、花束やフラワーアレンジメント、植物のオブジェを作るアトリエです。
「1輪からでもどうぞ」と店主の山本理沙さん。

このすてきなフラワーアレンジメントは2,000円。暑さに強く、そのままドライにできる花なので長く楽しめます。オブジェや地元の作家さんの花器などが並び、贈り物選びにまた訪れたいな。

最後は一番奥の建物にある「Coffee House CHAFF(チャフ)」へ。
扉を開ければジャズとコーヒーのいい香りが漂うカフェ。
自家焙煎コーヒーが常時8種類ほど揃います。
店主でロースターの佐藤道行さんに好みを相談すると、自分好みのコーヒーが味わえます。

まずは気になる豆でドリップコーヒー450円~とケーキ250円でひと休み。
気に入ったら豆を購入して、自宅でも楽しんで。

ブラジルやエチオピアなど国ごとはもちろん、農場や品種、豆の精製の違いなど、毎週徐々に入れ替わり、思わぬ味わいのコーヒーに出合えます。
予約でハンドドリップや飲み比べ、焙煎の体験もできますよ。

どうです?小樽の市場、楽しいですよね。
どんどん通って、なじみの店を見つけませんか?

小樽中央卸市場

住所
小樽市稲穂3丁目11-4

hokkaiya

電話
0134-34-1254
営業時間
11:00~17:00
定休日
不定
Facebook
https://www.facebook.com/hokkaiya

小樽市中央市場

住所
小樽市稲穂3丁目11−2
電話
0134-22-5384
(小樽中央市場共同組合)
URL
http://otaru-market.com/

みなともち 中央市場店

電話
0134-27-5515
営業時間
10:00~14:00
定休日
日曜・祝

酒田商店

電話
0134-22-1635
営業時間
11:00~18:00
(イカメンチは12:30ごろ)
定休日
日曜・祝

弁当、総菜、デリカ樽っ子

電話
0134-32-4922
営業時間
9:00~18:00
定休日
日曜・祝

クチル花店

電話
080-4041-9187
営業時間
9:00~18:00
定休日
日曜・祝
URL
https://kuchilhana10.jimdo.com

Coffee House CHAFF

電話
0134-64-1359
営業時間
12:00~18:30(L.O.18:00)
定休日
水曜、第2・4火曜(不定休有り)
URL
http://coffeehousechaff.web.fc2.com/

小樽の人々を魅了する金色のあめ【澤の露本舗】

次に向かうのは花園にある「澤の露本舗」
編集部にもファンがたくさんいる、小樽で108年続くあめ玉「澤の露」のみを販売している店です。

サンモール一番街と寿司屋通りの交差点、花園銀座商店街の入口に佇む小さな店ですが、長く続く店が多いこの界隈でもダントツの歴史があります。地元の人や旅行者など、とぎれることなくお客さんがやって来る店です。

これは1970年代後半(昭和50年代前半)の写真で、今はこの右側に店を移動させています。創業当時は駅の近くにあったのだそう。

ショーケースに並ぶのは、本当に「澤の露」だけ。これ1本で続いているなんて、すごいな。
袋入りで300円~、レトロな雰囲気の小さな缶は700円~。用途に合わせてさまざまなセットがあるんですね。

3代目店主の高久文夫さんです。福井県から1910(明治43)年に小樽に入植し、翌年店を創業した、菓子職人である初代・澤崎浅次郎さんの孫にあたります。

右に写るのが初代・浅次郎さんの娘婿にあたる高久信夫さん。文夫さんの父です。
そして左手前に写っているのが、4代目に手を挙げた文夫さんの息子の模夫(のりお)さんです。

「澤の露が誕生したのは、日清戦争で流通するようになった台湾のキビ砂糖と、日英同盟のおかげで日本に入ってきたイギリスの香料があったから」と文夫さん。
「澤の露」の原料は砂糖と香料だけという、シンプルなものなのです。

水晶のような美しさから通称「水晶あめ玉」と呼ばれ、水飴を使わないのでさらりと上品な甘さが特徴です。イギリスの香料を使っていたので「ロンドンの香りがする」と、たちまち小樽名物となりました。
それから108年、変わったことはイギリスの香料から天然のレモンオイルになったことぐらい。作り方も「一子相伝」。家族だけに受け継がれてきました。

今は4代目修業中の、息子の模夫さんだけに、飴造りの奥義(おうぎ)を伝えています。模夫さんが技術を身につけるまで製造は2人だけで行い、一切他の人には見せないのだそう。

製法のヒミツを少しだけ教えてもらいました。
この美しい金色は、砂糖を火にかけ、焦げる直前の色。一度色が着くとすぐに濃くなってしまうので、砂糖を火からあげるタイミングがとても難しいそうです。

安定した金色を保つために、目で色を確認できる日中のみ作業し、日が暮れたら作りません。砂糖の原料、サトウキビの収穫時期も色に影響するので、原料のキビ砂糖も厳選するそうです。シンプルながら長年の経験で培ってきたカンやタイミングがものをいう、難しいものなのですね。

今、修行をはじめて4年目という模夫さん。
「私も10年かかったので、すべて作れるようになるには、もう少しかかるだろうね。技術が身についたら、道具など、時代や自分のやり方に合わせて変えるといいんだ。私も父もそうやって道具類を近代的にしてきたんです」と文夫さん。

さて、店内には先代が使った秤などの道具や、レシピを入れていた古い金庫など、「澤の露」の歴史を語る貴重な品々も展示され、小さな博物館のようです。

タイミングが合えば、小樽の歴史や砂糖を通じた交流の歴史に詳しい文夫さんに、いろいろと話を聞いてみるとおもしろいですよ。
学校の出前授業にも呼ばれるそうです。

黒い缶の印象が強いのですが、こんな青い缶の時代もあったのですね。今は缶を作るのが難しく、在庫切れになる前にプラスチックや紙など、いろいろと試しているそうです。
「時代と共にものは変わっていくのだから、先回りしていろいろ準備が必要です」
100年続く店は、先の先まで考えなければいけないことがあるんですね

さて、そろそろおみやげを買おうかな…と思ったら、また地元のお客さん。
文夫さんとは長い付き合いの商工会の方でした。
「どこかにおみやげですか?」
「いやいや、自分用ですよ。家に一袋、会社の引き出しに一袋。コレがないと落ち着かないからね」

優しい甘さに、ほんのりレモンの香り。仕事の合間など疲れた時のこの一粒、体にしみいるおいしさなんですよ。
無くてはならない小樽の味を、楽しみに待つ全国の人もたくさんいるそう。
どうぞこれからも親子でこの味を守ってくださいね。

澤の露本舗

住所
小樽市花園1丁目4番25号
電話
0134-22-1428
営業時間
11:00~18:00
定休日
無休(年末年始は別途)
URL
http://www.otaruame.com

※掲載情報は2019年7月1日時点のものです。

北海道情報誌
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(毎月25日発売 本体556円+税)


北海道の旬な情報、おすすめスポットなどを、独自の視点で紹介する北海道の総合情報誌です。道民も目からウロコの情報をお届けします。
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プレゼント

「澤の露本舗」澤の露セット(小缶2個と袋入り2個)を、抽選で10名さまにプレゼント!

※賞品は変更になる場合がございます。
※厳正なる抽選のうえ、賞品の発送をもって発表にかえさせていただきます。
※当選賞品の発送は8月下旬の予定です。

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