vol.35 箱館醸蔵

北海道のなかでも温暖な気候で、歴史や文化を特徴とした観光地が多い、函館・道南エリア。
国際貿易港としていち早く異文化が流れ込んだ函館は、和洋折衷の建造物が美しいまち並みを作り、歴史・文化・浪漫、そんな言葉が似合う、物語を感じるまちです。
ぐるりと海に囲まれたこの地域は、言わずもがな、海産物を中心とした美食の宝庫。
見どころ・食べどころ満載の函館・道南エリアをめぐり旅！

2021年4月、七飯町に新たな酒蔵が誕生しました。道南エリアでは35年ぶりとなります。
立ち上げたのは、七飯町で明治後期から続く老舗酒屋「冨原商店」の女将である冨原節子さん。
より良い接客をと、唎酒師（ききさけし）の資格取得や道外の酒蔵で酒造りの経験を積むなどして学びを深めるうち、「いつか自分の手で日本酒を造り地元に貢献したい」という夢が芽生え、一念発起。三方を海に囲まれた道南食文化の、どんな美食にも合う懐の深い酒を目指して、酒蔵新設のプロジェクトが動き出しました。
想いは縁を運び、冨原さんの情熱に共感した、酒造り30年・数々の鑑評会で受賞歴を持つ北海道の名匠、東谷浩樹さんを杜氏に迎えることとなり、計画は一気に展開。
多くの人の支えで開業を迎えた酒蔵は、かつて道南地域一帯を「箱館」と呼んでいたことにちなみ、この地域の魅力を醸す蔵でありたい、との願いを込めて「箱館醸蔵（はこだてじょうぞう）」と命名されました。
蔵の内外に象徴的に使用された、道南杉のやわらかな風合いが目を惹き、存在感を放っています。

道南の魅力発信拠点としての側面を担う、箱館醸蔵のコンセプトは「道南テロワール」。
目指すは、道南の水・米・人が三位一体で醸す酒造り。それを育む土壌と、風土に培われた生粋の地酒。どれひとつ欠けても命が吹き込まれない、郷の宝の結集が醸す唯一無二の雫が、道南地域の魅力を伝える宝となるように、との思いで、『郷宝（ごっほう）』と名付けられました。

酒米と水を最大限に生かし個性に変える、杜氏の東谷さんが目指したのは「淡麗 旨口」の酒。品の良い旨味と甘味が芳しく広がりながら、料理にも合うような淡麗さ。すっきりとした飲み口の切れの良い味わいです。
酒米は、契約農家の協力のもと「吟風」「彗星」が生産され、今年は新たに「きたしずく」が加わりました。
自家精米にこだわり、米の状態に合わせて精米歩合を調整。丹精込めて作られた酒米を無駄なく大切に扱います。
仕込み水は、横津岳の伏流水を使用。中軟水の水質は、酵母が活性しやすく、まろやかな旨口の酒造りに最適です。

『郷宝』は、「吟風」「彗星」に加えて、12月中旬から、新酒「きたしずく」が仲間入り！3種それぞれの酒米で醸した「特別純米酒（720ml）」1,980円（税込）のほか、2種（彗星・きたしずく）の「純米吟醸酒（720ml）」2,530円（税込）が味わえます。来春には、寒づくりの純米大吟醸酒も発売予定！他に、甘みがふくよかに香る、七飯町のお米「ふっくりんこ」を使用した純米酒「箱館物語（500ml）」原酒・生原酒各990円（税込）もオススメです。
鮮やかで美しいラベルは、和洋折衷の文化がなじむ道南の地で、洋食のテーブルにも合うようにと考えられたデザイン。四季醸造のため、いつでもしぼりたての郷宝が楽しめます。

副産物である酒粕や米粉を地元企業や飲食店に無償提供しており、『郷宝』香るコラボ商品も続々と登場！
地域を盛り上げる、新たな特産品誕生にも貢献しています。

道南の魅力を伝え、地元の食を引き立てる待望の地酒。ぜひ“箱館”に足を運んで、美食と共に堪能してみてくださいね。

※記載の販売価格は、工場直売コーナーの価格となります。

※掲載情報は2021年12月15日時点のものです。